26日の日本株市場は、商いが膨らみづらい需給状況であろうが、米株高の流れを受けて、堅調な展開が意識されそうだ。25日の米国市場ではNYダウが190ドル高となった。中国は知的財産権の侵害に対する罰則を強化すると発表。米国との貿易協議で争点になっている問題の一つに対処しており、米中協議の進展期待から買い優勢の展開となった。

 また、エヌビディアがモルガンによるレーティング引き上げ等もあり、半導体株が上昇をけん引しており、指数インパクトの大きい東エレク<8035>などへの波及が意識されよう。シカゴ日経225先物清算値は大阪比95円高の23425円。円相場は1ドル108円90銭台と、やや円安に振れて推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の相場展開になりそうだ。とは言え、週後半に米感謝祭の祝日を控えていることから商いは膨らみづらいところであり、心理的抵抗となっている23500円処を突破する勢いは期待しづらいところ。本日はMSCIのリバランスに伴う需給要因から昨日よりは商いが膨らみそうだが、対象銘柄への個別の需給要因といったところであろう。

 テクニカル的には日経平均の5日線が下降推移しているため、25日線との乖離が縮小している。まずは短期デッドクロスを回避出来るかが注目されるところ。デッドクロス示現後に再び23000円に接近する局面があるようだと、短期筋の売り仕掛け的な商いによってシグナルが悪化する可能性があるため、注視する必要がありそうだ。

 とはいえ、米中協議を巡るニュースフローに振らされやすい状況ではあるが、本日の処は、中国が知的財産権の侵害に対する罰則を強化するとの発表が安心感につながりやすいだろう。その他、アリババが香港市場に上場する。報道によると募集枠に対して約42倍の個人投資家からの購入希望があったと伝えられている。香港での上場が好結果となることで、ソフトバンクG<9984>への見直しも意識され、これが日経平均の下支えにもなりそうだ。

 その他、マザーズ指数は順調にリバウンド基調が継続しており、個人のセンチメント改善につながっている。指数インパクトの大きい時価総額上位銘柄集中から、物色対象に広がりもみられてきており、業績好調で出遅れ感の強い銘柄などは、見直しの対象になりそうである。


<AK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 米中協議の進展期待やエヌビディア上昇も支援材料に