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2023年7月13日、日本・東京 - 化学業界のグローバル・リーダーであるSABIC(日本法人:SHPPジャパン合同会社、東京都千代田区)は本日、乗員と歩行者の安全性強化を目的とする先進運転支援システム(ADAS)に適した高機能材料として、LNP(tm) STAT-KON(tm)コンパウンドの新製品「WDF40RID」および「WDF40RI」を発表し特殊材料のポートフォリオを拡大した。SABICの新しいLNP STAT-KONコンパウンド2種はガラス繊維強化グレードであり、ADASレーダー吸収体に最適な特性を備えることでセンサーの精度と利用可能範囲を大幅に向上し、ミリ波(mmWave)レーダーの導入推進に寄与する。ミリ波レーダーは遠隔地の物体に関する確実かつ高解像度の情報を提供することで、運転の安全性を高めることができ、自律走行車へのシフトを支援する技術である。

SABICのLNP STAT-KON WDF40RIDおよびWDF40RIは、ミリ波レーダーの重要課題となっている信号対雑音比の改善に寄与する新しいコンパウンド材料である。これらのコンパウンドは、優れた誘電正接(Df)によってレーダー主信号の送信を妨害するノイズを効率的に吸収し最小限に抑えることができる。また、これらSABICの新しいガラス繊維強化グレードは、他の非晶性ガラス繊維強化材料と比べ、より高い吸収率とより低い反射率を実現している。さらに、これらLNP STAT-KONコンパウンドは非常に高い流動性と卓越した低反り性を発揮するため、レーダーの内部および外部に装着する単層吸収体の新たな設計を可能にするほか、従来の金属を併用したメタルバック吸収体の最適化にも寄与する。

SABICのスペシャリティー事業部でLNP &NORYLビジネス・マネージメント・ディレクターを務めるJoshua Chiawは、「精度と信頼性の着実な改善が、ADASテクノロジーによる自動車の安全性向上を支えています。ADASの進歩を加速させるため、SABICはレーダー、LiDAR、カメラ部品といったADASセンサーのエコシステムにおける設計と性能の向上に向けて、卓越した特性を備える新しい高機能材料のポートフォリオを継続的に拡大しています。SABICの新しいLNP STAT-KONコンパウンドは電波吸収体に適した特性を備えており、より優れた画像解像度とより広い範囲での利用を可能とする、より高い周波数を利用したミリ波レーダーへの移行促進に貢献します。これらの新しいソリューションには、ADASやモビリティ分野全体に関するSABICの豊富な経験が活かされています」と話している。

◆レーダー性能の向上
LNP STAT-KON WDF40RIDコンパウンドは、電磁波に対する高い吸収率(77 GHzで最大75%)と制御された反射率(77 GHzで最小25%)を発揮し、これらの組み合わせによって大幅にノイズを低減することができる。この革新的な製品は、フラット形状の設計でも、吸収率の向上と反射率の低下において現行材料を約10%上回り、適切な形状設計によってさらなる最適化を図ることが可能である。
LNP STAT-KON WDF40RIDコンパウンドは、ADASレーダー(76~81GHz帯)に使用されるミリ波周波数全体において一貫した性能を発揮する。この新しいコンパウンドは、大幅なノイズ低減によって、ゴーストイメージに加えて主ビーム以外の方向に放射された電波によるサイドローブの干渉を最小化し、ADASレーダーの高解像度化と精度向上を実現する。

LNP STAT-KON WDF40RIコンパウンドはメタルバック電波吸収体用に設計されており、電波吸収率を80%近くまで高めるとともに反射率を20%以下に抑えることができ、メタルバックとの併用によって完全にノイズを遮蔽することができる。両グレードは、75~110GHzのミリ波周波数全体で一貫したノイズ遮蔽性能を発揮する。

◆卓越した流動特性によって新たなデザインを実現
従来の電波吸収体材料には導電性添加剤が使用されているため、一般的に粘度が高く流動性が低いという物性を示す。こうした高粘度の材料を用いた場合、薄肉の内部吸収体やレーダーセンサーを囲む大型の外部吸収体の設計には制約が生じる。しかしながら、LNP STAT-KON WDF40RIDコンパウンドは流動性を向上することによって、内部レーダー吸収体を非常に薄肉(1mmまで)で成形可能となるため、サイドローブノイズを低減できるとともに、電子機器を追加搭載するためのスペースの確保も可能となる。高流動性は、加工面においてショートショットによるスクラップを大幅に削減できることから歩留まりの向上に寄与する上、長い流動長(最大20cm)においても優れた寸法安定性を発揮する。また、このコンパウンドは、低反り性によって大きな曲面を持つ外部吸収体の設計が可能なため、隣接する金属部品からのノイズを低減できる。

SABICのスペシャリティー事業部でAPAC地域フォーミュレーション&アプリケーション担当ディレクターを務めるJenny Wangは、「私たちの開発チームは創意工夫と深い技術的知識を活かすことで、新しいLNP STAT-KONコンパウンドにおいてノイズ低減性能を維持しながら、導電率と流動特性のバランスを確保しました。これらの新製品は、現在入手可能な材料の主な欠点を解消するとともに、レーダーの内部および外部に装着する新しい吸収体の設計と加工性改善への扉を開くものです。SABICはこれらの新しいコンパウンドの提供を通じて、ADASレーダー技術のさらなる進展に貢献してまいります」と話している。

◆ADASの進歩に貢献する幅広いポートフォリオ
SABICは、レーダー、LiDAR、カメラ部品に使用可能な多くの高性能材料を提供している。これらの材料にはULTEM(tm)、NORYL(tm)、EXTEM(tm)、LNP(tm) FARADEX(tm)、LNP(tm) KONDUIT(tm)、LNP(tm) THERMOCOMP(tm)コンパウンドなどが含まれる。SABICの特殊樹脂製品は電波吸収体に加え、カバーやハウジング、レンズやレンズアセンブリ、赤外線(IR)透明レーダードーム、電磁シールド板やブラケットなどにも使用されている。

これらSABICの新しいコンパウンドや他の先端材料に関する詳細は、SABIC Material Finderのウェブサイトを参照。
https://materialfinder.sabic-specialties.com/


SABICについて
SABIC(サウジ基礎産業公社)は、サウジアラビアのリヤドに本社を置く化学製品のグローバルカンパニーである。SABICはアメリカ大陸、ヨーロッパ、中東およびアジア太平洋地区を拠点として、化学品、汎用製品、高機能性プラスチックス、肥料、金属といった製品の世界規模での生産活動を行っている。SABICでは解決すべき課題の特定やソリューションの開発を通して、建設、医療機器、包装、肥料、電気電子、輸送機器、クリーンエネルギーといった主要アプリケーションに携わる顧客をサポートしている。
SABICは世界50か国以上で事業を展開し、3万1,000人を上回る従業員を全世界で雇用している。SABICでは、イノベーションと独創性の育成を促進するため、グローバルで9,948件の特許取得および特許出願を行っているほか、5つの主要地域(アメリカ、ヨーロッパ、中東、東南アジア、北東アジア)においてイノベーションのハブとなる研究開発のリソースを有している。

SHPPジャパン合同会社について
SABICは、2020年4月1日付で日本法人の称号をSABICジャパン合同会社からSHPPジャパン合同会社に変更しました。

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配信元企業:SHPPジャパン合同会社
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情報提供元: Dream News
記事名:「 SABIC、ADASレーダーの進歩と安全性向上に貢献する新しいLNP(tm) STAT-KON(tm)コンパウンドを発表