ハラスメント・虐待防止委員会を設立!


社内アンケート調査


ハラスメント・虐待防止委員長・原 えり

株式会社土屋(本社:岡山県井原市、代表取締役:高浜 敏之、在籍人数:約960人)・ホームケア土屋は、重度の障害をお持ちの方に対する訪問介護サービスを全国で展開するソーシャルビジネス企業です。
アテンダント(介護者)がクライアント(利用者)のお宅に伺って一対一で生活支援や医療的ケアを行い、障害を持つ方が住み慣れた自宅や地域で自分らしく暮らしていくためのサポートをしています。

今回は、あらゆるハラスメントの予防・防止を目指して、当社が新たに立ち上げましたハラスメント・虐待防止委員会とその取り組みについてお知らせします。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/254457/LL_img_254457_1.jpg
ハラスメント・虐待防止委員会を設立!


■ハラスメント・虐待防止委員会の概要
ハラスメントにはパワーハラスメント・セクシャルハラスメント・モラルハラスメントなど様々な種類があり、それらが入り組んだ形を取っていることも多くあります。
令和2年6月1日に施行された省令により、職場におけるパワハラ防止対策が事業主の義務とされるなど、ハラスメント防止に対する取り組みは企業にとって必須となっています。

また当社は重度訪問介護を営む社であることから、厚労省が定義している介護現場におけるハラスメント(以降:介護現場ハラ)防止や虐待防止も重要な課題として位置付けています。

当社では、現在までもハラスメントの事例を検討・対応してきましたが、多くのケースでは当人は意識せずにハラスメントに当たる行為をしていたことが確認されています。
そこで当社では、委員長に最高法務責任者の原 えりを置き、8人のメンバーで構成されるハラスメント・虐待防止委員会を設立。パワハラ・セクハラ・介護現場ハラ・虐待の4部門を設置し、問題意識の共有を全社で図るとともに、予防や防止にさらに積極的に努めることとしました。

パワハラおよびセクハラに関しては、身体的・精神的暴力、人間関係の切り離し、過剰労働、性的言動などを中心とし、社員・スタッフの声をどのように拾い上げるかが主な取り組みとなります。
介護現場ハラに関してはクライアントからアテンダントに対してなされるハラスメントを取り上げます。このような種類のハラスメントに対処している重度訪問事業者は少なく、当社独自のものです。
障害者への虐待に関しては、これまでも大きな社会問題であり、当社でも虐待に関する研修は以前より行っています。当部門では虐待を未然に防ぐことを主目的にしています。

これら4部門で構成されるハラスメント・虐待防止委員会では、各部門の調査を踏まえ、先月全スタッフにアンケート調査を実施し、現在、調査結果を基に現状分析を行っています。今後は定期ミーティングを開き、すでに確認されている事案を検討・対応するとともに、防止に向けて啓発活動を行います。


■ハラスメント・虐待防止委員会設立の経緯
障害者介護の現場でのハラスメントは障害者自立生活の歴史の中で、「古くて新しい問題」として繰り返されてきました。
重度訪問介護制度がなかった頃、障害者への支援は主にボランティアが担い、両者の関係は「対等性」に基づいていました。しかし、ビジネスとして事業者が支援に入るようになった今、サービスの売買という市場原理が働き、クライアント(お客)がアテンダント(業者)に対して優位性を感じるような傾向が出てきました。
その中で、クライアントの過剰な要求、侮蔑、暴言により、アテンダントが傷つき、ひどい場合には心を病み、離職に至るケースも少ないながらも見られます。

一方、当社としては、問題が発生しても即座にサービス提供をお断りすることはできません。障害者総合支援法の規定では、サービス提供が困難な時には代わりの事業者を手配することになっています。また、クライアント側も数々の事業者を経て当社に行きついたケースもあります。こうしたことからも、当社はクライアントに寄り添った支援を提供する方針で、介護現場ハラの改善が急がれます。

また、それとは反対にアテンダントからクライアントへの虐待防止も最重要課題です。体を動かすことが困難なクライアントに対する虐待は犯罪行為そのものです。
さらに、職場におけるパワハラおよびセクハラ対策も重要な課題です。

これらが複雑に絡み合う場合もあり、当社ではまず職場や現場の状況を把握し、主に予防・防止の観点からハラスメント・虐待防止委員会を設けました。


■アンケート調査が始動!
当社では先月、ハラスメント・虐待に関するアンケートを全スタッフに対し行いました。回答は匿名とし、クラウド型HRシステムのサーベイ機能を用いています。

内容としては、上司に怒鳴られたことはあるか、介護現場で虐待と思われることを見たことがあるか、虐待は刑事罰になるのを知っていたかなど、答えやすい簡単なことをメインにしています。
理由は、まず問題を認識することでハラスメントへの意識付けを行うことです。

回答率は今現在で7割弱。最も多い訴えはパワハラ、次いで介護現場ハラ、虐待、セクハラの順になっています。パワハラとしては、上司からの暴言やミーティングでの不快な思いが多く、介護現場ハラではクライアントからの執拗な詰問や罵り、無視などがあります。

虐待の事案は、ほぼすべてが過去のもので、多くがすでに対応済みです。現在起きていると思われるものが項目により0~4.8%となっています。これらの事案に対しては該当地域を管轄する管理スタッフに聞き取り調査を依頼し、他のスタッフと共に事実確認を行います。
また、事実が確認された場合には、すぐに役所に相談するなど、行政とのコミュニケーションを密に取っています。相談後は基本的に該当地域で対応・指導しますが、困難な場合にはアドバイス・対応を当委員会で行い、一連の状況をレポートにまとめて全スタッフに周知を図ります。


■ハラスメント・虐待防止に向けた取り組みと今後の方針
ハラスメント防止としては定期的な研修と、聞き取り調査および対応の継続が重要となります。そのため、パワハラに関しては社労士による一般研修を行い、当委員会としては定義の明確化と社内研修を適宜行う予定です。セクハラに関しては訴えが少ないこともあり、啓発活動は行いながらも、事案があった場合に、その都度一つ一つ対処します。
介護現場ハラに関しては、クライアントに対して当社からの広報誌により、会社の取り組みやハラスメントを示唆することで「気づき」を促し、ハラスメントを減らしてゆく方針です。また先日、介護現場ハラ・虐待に関する社内検討会を開催し、当社においても周知を図っています。

なお今後は定期的にハラスメントの実態調査を実施するとともに、現場ごとのスタッフミーティングや個別のコミュニケーションの中でハラスメント・虐待事案の情報を引き続き収集し、委員会で集約して全スタッフに周知します。

ハラスメントは自分では気づかなくても相手が不快に思うことである、との認識の下、アンケートなどから得られた実例を基にマニュアルを作成します。それを用いて研修し、全スタッフに対し、自身の問題としてハラスメント・虐待防止に向けた取り組みを共有していきます。
また、立場の弱い人の声が届くように、当社のみならず当委員会でも相談窓口を設置します。


■根本的な問題解決に向けた取り組み
介護現場ハラの問題は根深く、アテンダントとクライアントの「対等性」の担保がキーポイントです。当社ではまず言葉からこの問題に取り組み、呼称を変更し、ヘルパーをアテンダント、利用者をクライアントとしました。
他の先進国とは違い、日本ではヘルパーの社会的立場が過小評価されています。アテンダントという呼称を用いることで、そうした否定的な現象をなくし、自己肯定感を高めます。また、クライアントには本来、上下関係を含まない「依頼者」の意味が強くあり、ケアサービスの利用者と提供者との間に上下関係があるかのような錯覚が生じるのを防ぐ目的があります。言葉を変えることで介護従事者のイメージを変え、サービスを受ける側も提供する側も「対等」だという立場で、人間関係を正常化させていきます。

また、ハラスメントの背景には、コミュニケーション不足や人間関係の構築不足から起こりやすいという特徴があります。コミュニケーションが取れていないと心を開いてもらえず、ハラスメント事案の収集にも困難を生じます。人間関係の基盤を作ることが課題となります。
この問題はスタッフ間、上司と部下の関係だけでなく、アテンダントとクライアントの間でもコミュニケーション不足により介護自体に支障が出たり、アテンダントを傷つける行動が取られたり、また逆にクライアントへの虐待につながる要因ともなります。
当社では職場内および介護現場でのより良い人間関係を目指して、社員・スタッフ間、クライアント・アテンダント間で共通の趣味の場を設けるなど、コミュニケーションの促進に向けたさまざまな催しを行う予定です。


■委員長・原 えりにショートインタビュー
Q:ハラスメント・虐待防止に対する意気込みを教えて下さい。

A:なによりもまず、ハラスメントや虐待を減らしたい、クライアントからもアテンダントからも「土屋が好き!」と言ってもらえる環境を作っていきたいという強い思いがあります。
初めは一人で取り組んでいましたが、協力者も徐々に増えてきました。当社の最高文化責任者である古本 聡が力を貸してくれ、今では顧問弁護士や社労士、大学の先生方といった外部の方々も加わってくださり、心強さが増しています。
だからこそ委員会を立ち上げて、大きな取り組みとして動いていけることにありがたさと意気込みを感じています。

また、この委員会のキーワードとして「品位」が重要だと思っています。品位というワードは当社の古本 聡から出たものですが、私はこのハラスメント・虐待防止委員会、とりわけ介護現場ハラの問題を古本としていることに価値があると思っています。
というのも、古本は脳性麻痺の障害を持っておられる障害当事者でもあります。実は私自身は介護現場ハラは苦手分野ですが、ケアサービスを受ける側と提供する側が一緒になって、介護現場ハラというデリケートな問題に踏み込み、取り組んでいくことができる。これが他の事業者ではできない、当社独自のゆえんだと思います。
提供する側だけが介護現場ハラの問題に取り組むと、どうしても一方的になり、問題を困難ケースと位置付けて、クライアントの悪口で終わることになりかねません。
障害当事者と共に作り上げることで介護現場ハラの問題を減らしていきたいと思っています。


■大きな展望の中で
あらゆるハラスメントの問題は、人間がいる限り、終わりがないともいえます。一度で解決するのは難しく、どれだけ一つずつ減らしていくかという取り組みになります。同時に、いかにハラスメントや虐待を未然に防ぐかが重要です。
そのため、ハラスメント・虐待防止に向けた取り組みを継続し、一つ一つの事案に対して向かい合い、より良い方向にもっていくことで予防に努めていきます。

そして、この問題には一人一人の人間性、人間力が大きくかかわってきます。各アテンダントやスタッフそれぞれが自分を磨き、高めていくことが必要であり、そのために当社は様々な機会で理念の浸透を図っていきます。またクライアントとアテンダントがよりよい関係を築いていくために、開かれた関係性の構築など介護の新しい在り方についても模索していきます。


是非当社ホームページ、Twitter・YouTubeをご覧ください。
→法人公式サイト
https://bit.ly/press-tsuchiya

→法人公式Twitter
https://twitter.com/tcy_honsha

→公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCboj8uAyr_W7Vw4kT9HS7ng


■会社概要
会社名 :株式会社土屋
所在地 :岡山県井原市井原町192-2 久安セントラルビル2F
代表取締役:高浜 敏之
設立 :2020年8月
事業内容 :障害福祉サービス事業及び地域生活支援事業、
介護保険法に基づく居宅サービス事業、
講演会及び講習会等の企画・開催及び運営事業、研修事業、
訪問看護事業
情報提供元: @Press