神戸市立王子動物園(同市灘区)は1日、国内最高齢のジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」(雌)が死んだと発表した。2021年に心臓疾患が見つかったタンタンの治療は、日本と中国の獣医師が協力して続けていた。だが3月15日から悪化し、食事が取れず投薬が難しくなり、寝ていることが多くなったという。動物園では獣医師と飼育員計12人が24時間態勢で見守った。

 31日午後10時過ぎ、宿直のスタッフがマットの上で伏せて動かないタンタンに気づき、獣医師に連絡。懸命に心臓マッサージや人工呼吸などを施したが、よみがえらなかった。「頑張ったな」「ありがとう」。スタッフは口々にお別れの言葉をかけたという。

 24年間、市民に愛され続けたタンタン。人間なら100歳近くに相当する28歳で天寿を全うした。

 08年から飼育を担当していた梅元良次さん(41)は「食事には神経質で苦労させられました」と言いつつも、人形のようで愛らしく、その神経質なところもチャームポイントに感じていたという。09年から担当した吉田憲一さん(55)は一般公開が中止された以降の数年は「ずっと近くにいられたのが良かった」と感慨深げだった。【栗田亨】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 天寿全うしたタンタン 最期は日本と中国の獣医に見守られ