英紙ガーディアン(電子版)は27日、スナク英首相が手書きでメモを取ったり、公的な文書にサインしたりする際、消すことができるインク入りの万年筆を日常的に使っていると報じた。後で消えたり消されたりする可能性もあるため、同紙は公文書保存の重要性の観点から「懸念がある」と指摘している。

 報道によると、このペンは日本製で1本4・75ポンド(約860円)。最近では6月上旬にモルドバで開かれた欧州政治共同体(EPC)の首脳会議の際も使用していたという。同紙の指摘に対し、首相報道官は「このペンは官公庁で広く使用されている。首相はインクを消せる機能を使ったこともないし、今後消す意図もない」と反論した。

 歴代首相の直筆メモは重要な歴史資料とされ、故サッチャー首相の手書きのメモからは、1982年のフォークランド紛争への対応を巡って閣内の意見が割れていたことなどが判明している。【ロンドン篠田航一】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 スナク英首相、「消せるペン」でサイン 英紙「公文書保存に懸念」