陶彩画家・絵本作家・空間プロデューサー・映画監督など多様な活躍をされ、有田焼の伝統技法を絵画に用いた唯一無二の芸術「陶彩画」を描く草場一壽さん。

草場さんが代表を務める有限会社草場一壽工房はこの度、東京・表参道で陶彩画新作展「〜Rainbow Dragon &Dragon Ball〜虹龍と宝珠」を12月10日より開催します。

 

草場一壽の新作展「〜Rainbow Dragon &Dragon Ball〜虹龍と宝珠」開催

草場一壽さんは1990年に、これまでの有田焼の常識では考えられない色彩の表現に成功。絵付けと窒入を10回以上繰り返して色彩を表現する「陶彩画(とうさいが)」の技法を確立し、現在までに数多くの作品を生み出しています。

着想してから苦節30年以上、たゆまぬ研究と試行錯誤の末に実現した“焼き物の絵画”である「陶彩画」。

他の絵画にはない立体感と透明感溢れる色彩・艶を持っており、見る人に様々な感情を与える作品。

特に草場さんが生み出す作品の多くが「龍」「神話」「菩薩」といったものをモチーフとした作品が多数。

完成までに何度も作り直すことも多く、特に焼き入れの時には「窯・火に託す」という、通常の絵画制作ではあり得ない「人の手を離れて完成するまで待つ」工程を挟むことで、時として想像以上の作品が誕生することもあるのだそうです。

 

新作とある龍の6作品も登場する新作展「〜Rainbow Dragon &Dragon Ball〜虹龍と宝珠」開催

今回開催される新作展は、東京都・表参道のBANK GALLERYで12月10日より開催します。

今回、本陶彩画展の開催も間近に迫った中、現地にて報道関係者がいち早く見ることが出来るプレスレクチャーが開催され、草場さんが自身の作品に対する熱い想いや、作品のテーマなどについて紹介をして頂きました。

「油絵のこと“油彩”って言いますよね?ウォーターペインティングは“水彩”と呼びます。私の作品は焼物の“陶”に、色付けをして窯で焼いて作っていきますから、自分で陶彩画というオリジナルの名前を付けたんです。」

と唯一無二の技術で出来上がる本作品の名前を付けたと話す草場さん。

作品には龍をモチーフにしたものが多いのですが、実は草場さんは龍と会ったことがきっかけだったのだそう。

「これは一種のファンタジーとして聞いて頂きたいんですが、実は26歳の時に家で“真っ白な龍と出会った”んです。いわゆる神秘体験ですね!(笑)それまでは、自分が見えるものしか信じていなかった私に神秘体験が起きまして、その後は龍探しの旅をしに世界中を巡りました。」

と、龍を見たことがきっかけとなり、多数の龍作品を制作することになったのだそう。

「元々龍って世界中で信仰されている存在。ヨーロッパにもアメリカにも、南米にも5000年前から龍が信仰されている。龍は自然現象の化身とも考えられているように、その自然に対して畏敬の念を持っている。自然と共にあるということを忘れてしまっているように感じるんです。」

とコメント。

「そこから急かされ、二元論などでものを判断していく生活の中で“私って今、本当に幸せなのかな?”という問いを龍と共に考えて欲しいというのが、作品の奥深くにあるテーマの1つなんです。」

と話してくれました。

 

新作は「虹龍」と「宝珠」がテーマ!

今回登場する6作品は全て龍を描いた作品。草場さんは来年の干支が「辰年」ということもあり、龍を多く集めた新作展を開いたのだと説明。

新作には上記で紹介した「虹色の龍」を描いた2作品、そして今年の秋に完成したばかりの「龍聖母」、子供の菩薩“花音”と虹色の龍が描かれた連作「夢」「目覚め」「大好き」の合計6作品がお披露目。

龍聖母は、命が巡って戻っていく場所として描いたのだそう。

「この絵では、今まさに命を生み出さんとするところを描いています。そして命がまた戻ってきて(龍聖母に)聞かれるんです。“どうでしたか?あなたは何を頂いて、何を与えましたか?”と。僕たちはどれだけ長く生きるかっていうことよりも、どれだけ多く感動し、心を尽くして今を生きたかっていうところに答えがあるんじゃないかなって。」

という想いが込められた作品であると解説してくれました。

連作については、

「“夢”は、自分の内なる欲求を大切にしてもらいたいという想いを込めています。“目覚め”は、過去に囚われすぎて今を生きていない方が多いことから、新たな目覚めと共に新しい時代に立ち上がってもらいたい。“大好き”は、小さい時に当たり前に言われて投げかけた言葉ですが、忘れがちな言葉。連作ではこういった想いを込めています。」

と紹介してくれました。

また、本陶彩画展では昨年公開され非常に評価が高かった「国常立命(金龍)またの名をニギハヤヒ 艮の金神」や「瀬織津姫」等も展示されているほか、生命の象徴として龍が追いかけていたり、かぐや姫が出す難題の1つ(龍の頸の五色の玉)にもなっている“宝珠”を描いた作品など、多数の作品が展示されています。

開催期間中は、龍をモチーフしたものを中心に陶彩画の関連グッズも購入することが出来ます。

 

陶彩画展概要

展示会名:草場一壽 2023年 陶彩画新作展 東京『〜Rainbow Dragon &Dragon Ball〜虹龍と宝珠』
会期:2023年12月10日~12月17日 ※会期中無休
会場:BANK GALLERY (〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-14-5)
開館時間:10時~18時(最終日は17時まで)
入場料:無料(予約不要)
URL:https://kusaba-kazuhisa.com/post-event/8355/

 

2024年は“辰”年。実は干支は草木の成長を表していたというルーツがあり、辰は「振るう」を表しており、万物が振動し活力が旺盛になって殻を破る状態を示しているのだと教えてくれた草場さん。

その一助として自分の作品を見て、何かを感じて欲しいとコメントされていました。

絵画では表現出来ない艶や、見る角度で光や色合いが異なるだけでなく、引き込まれるかのような魅力を感じる草場さんが手がけた陶彩画作品。12月10日〜17日まで開催するので、ぜひ期間中に足を運んでみてはいかがでしょうか。また、現地に赴いた際は陶彩画だけでなく詩にもぜひ注目してみてください。

情報提供元: TORSO JACK
記事名:「 新作となる龍作品6点も展示!陶彩画家「草場一壽」の新作展が東京・表参道で開催