一人の食事や疲れている時は、ごはんづくりも楽をしたいもの。インスタントラーメンやレトルトカレーはそんな時に大活躍ですが、今回は「ご当地」のレトルトカレーをご紹介。限定感のある内容で、"手抜きごはん"のはずがごちそうに感じられるかも。ご当地レトルトカレー専門店「カレーランド」(東京・浅草)を夫婦で営む猪俣早苗さんに、おすすめご当地カレーを教えてもらいました。



※商品の価格は全て税込みです。また、全てのカレーは1人前となっています。


レトルトカレーに再注目!

レトルトカレーと聞くと、「食事を作るのをさぼっている」「おいしくない」というマイナスのイメージを持つ方も中にはいるかもしれません。しかし、最近では、自分でほうれん草やスクランブルエッグ、ウインナーなど、いろいろなトッピングをして、SNSにアップして楽しむ人も多く見られます。またご当地食材を使ったレトルトカレーは、少し価格は上がるものの、食材にこだわり、現地の食文化を楽しめるものがたくさん。今回はレトルトカレーのなかでも、そんな「ご当地感」にこだわったカレーをご紹介します。

「ご当地レトルトカレーは、少々価格が高いように感じるかもしれませんが、現地の飲食店で食べるよりはだんぜん安く食べられます。お客様の中には、食材や食文化にこだわって作られた面白いご当地カレーとの出あいから、その地域に興味がわき、実際に観光に訪れる方もいらっしゃいます。ぜひ、地域とのコミュニケーションツールだと思ってご当地レトルトカレーを楽しんでみてください」(猪俣さん)。


東京・浅草にあるカレーランドの店内には、所狭しとご当地レトルトカレーが並ぶ

北海道地方のおすすめカレー

有限会社ホクエイ「猿払産天然ほたてカレー」



猿払産天然ほたての貝柱のみを使用したカレー。天然ほたてを使用しているので、獲れない場合は生産できないという貴重性も魅力的です。猿払のほたては甘くて身が大きいのが特徴。通常は3年ほど育てて出荷されますが、猿払のほたては5年かけて育てて出荷するので身が大きいそうです。ルーは辛口ですが、ほたての甘さで中辛程度に感じられます。煮崩れてだしが出ているので、ほたての旨味を存分に味わえますよ。価格680円。



東北地方のおすすめカレー

一般社団法人三沢市観光協会「三沢パイカカレー」



青森県三沢市で誕生したカレー。三沢市には米軍の「三沢基地」があることから、アメリカ人のアドバイスを受け、アメリカらしさを意識したパッケージや味、ボリュームにしているといいます。「パイカ」とは、豚バラ肉の周辺にある軟骨部分のことで、青森県三沢市ではこの部位をパイカと呼ぶそう。パイカを軟らかく煮て食べるのは、三沢市のB級グルメなのだといいます。内容は豚なんこつ肉をたっぷり使い、ちょっぴり辛口。具材がごろっと入っていて圧倒的ボリューム感です。価格650円。



関東地方のおすすめカレー

常陸農業協同組合「ほしいもカレー」



茨城県の名産品である「ほしいも」をたっぷり使用したカレーです。ほしいもがルーの水分を吸って良い具合にふっくらしており、さつまいもとはまた違ったホクホク感を実現しています。茨城県は日本で流通しているほしいもの約9割を生産している県。そんな茨城県から誕生したこのカレーは、ほしいもの新しい可能性を引き出したカレーと言えるでしょう。ほしいいも自体は甘いですが、ルーが少しスパイシーなのでバランスも良いです。プレーンなカレーが好きな方や子どもにもおすすめです。価格は580円。



中部地方のおすすめカレー

永平寺町農業協同組合「竹の子スライス入り五領玉ねぎカレー」



中部地方からは福井県永平寺町の名物である「五領玉ねぎ」とたけのこを使用したカレーを紹介。玉ねぎの甘さを感じるルーに、想像以上の量の竹の子スライスが入っています。玉ねぎをじっくり煮てジャム状にしたものとスライスにしたものをダブルで使っているため、玉ねぎのおいしさが存分に味わえる一品です。酸味と甘みを感じる、あっさりかつサラッとしたルーが特徴的。価格540円。



近畿地方のおすすめカレー

元三フード株式会社「近江牛カレー 超絶」



滋賀県産の近江牛を使用したこちらのカレーは、具材は近江牛のみという商品名にある「超絶」の名にふさわしい肉質と肉量を楽しめるカレー。肉を存分に味わうために、あえてルーは主張しすぎない味に作られており、調和が素晴らしいです。ベースのルーは甘めですが、自分で味を調整できるスパイス入りなので、お好みで使用ください。価格は1,620円。



中国地方のおすすめカレー

島根県農業協同組合「奥出雲和牛カレー」



島根県のご当地カレーは、「オーソドックスなカレーが好きな方には絶対これがおすすめ」と猪俣さんが絶賛する一品。薄切り肉やじゃがいも、にんじん、玉ねぎを使用し、見た目は家庭のカレーのような普通のカレーですが、一口食べてみると食材のだしがしっかりと感じられる奥行きのある味わいに驚きます。各食材の食感がしっかり残っていて、それぞれの旨味をルーが受け止めているよう。あまり辛くないので食べやすく、おいしさの余韻まで存分に感じられるカレーです。価格は650円。



四国地方のおすすめカレー

合同会社土佐あぐりーど「四万十ぶしゅかんグリーンカレー」



土佐の地鶏、高知の生姜千切りを使用したグリーンカレー。辛味・酸味・甘味のバランスが最高の新感覚のカレーです。四万十川周辺でのみ採れるという「ぶしゅかん」という酢みかんを使用。生姜の風味が強めですが不思議と癖はなく、ぶしゅかんの爽やかな酸味が楽しめます。ココナッツミルク感が強すぎずさっぱりしているので、グリーンカレーが苦手な人も、これだったら食べられるという人が多いそう。価格は520円。



九州地方のおすすめカレー

アダージョ「大分大葉と梅の和風カレー」



大分県のレストラン「アダージョ」で人気の、大葉と梅をふんだんに使用した和風カレー。サラリとしたルーで、いわゆる小麦粉系カレーとは味も舌触りも全く異なり、梅を楽しむための一品と言えます。大分県では大葉の生産が盛んなことから、このカレーが誕生したそうです。ご当地カレーからこういった豆知識が得られるのも良いですよね。なお、ごはんにかけるのもおいしいものの、うどんにかけて食べた方が甘さを感じられると猪俣さん。価格は800円。



プロのいちおしカレー

「カレーランドのカレーですよ」



最後は、特別枠で猪俣さんおすすめのカレーを1種紹介。こちらはご当地レトルトカレーに魅せられた猪俣さん夫妻が企画したオリジナルカレー。北海道産のクリームチーズと黒毛和牛を使用しています。食感にもこだわり、黒毛和牛はひき肉と角切りが両方入っています。クリームチーズの酸味が程よく、まろやかな味わいです。価格750円。



気になるカレーはありましたか。紹介したレトルトカレーはカレーランドの他、現地のスーパーや道の駅などで販売されているので、ぜひ旅行に行った際は購入してみてはいかがでしょうか。休みの日や一人の日の食事のおともに、手軽でおいしいご当地レトルトカレーを楽しんでくださいね。

今回訪れたお店と教えてくれた方

ご当地レトルトカレー専門店「カレーランド」 / 猪俣早苗さん


猪俣さんご夫妻

2013年10月都内に開店。もともとカレー好きだった夫に、妻の母親が旅行のお土産にとご当地レトルトカレーを買ってきたことがご当地レトルトカレーにはまったきっかけ。現在、店舗には300円~5,000円のご当地レトルトカレーが約180種ラインナップされている。店に置くカレーは全て猪俣さん自身が全て食べて選び、不定期に入れ替えている。

アクセス: 東京都台東区西浅草2-24-7


情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 プロ推薦! ご当地レトルトカレー8選--北海道贅沢ほたてや近江牛までずらり