食中毒が流行する暑い季節が終わり、最近はぐっと寒くなってきて、インフルエンザなどに注意が必要な時期になりつつありますね。実は、食中毒は主に細菌によって引き起こされる病気で、インフルエンザはウイルスによって引き起こされる病気です。細菌とウイルスは似て非なるもの。非常に小さな病原体だと認識している人が大半でしょうけれど、その違いを知っておいても損ではありません。

 そこで今回は医師の小田切ヨシカズさんに“細菌とウイルスの違い”について解説していただきました。

■:細菌とは?

「大きさは数マイクロメートル(1ミリメートルの1000分の1)で、普通の顕微鏡で見ることできます。細菌は1つの細胞からできているいわゆる単細胞生物です。適度な栄養や水分、温度があれば、自分自身で増殖することができます。細菌性の病気には、抗生物質が効きます。食中毒の大半が細菌性(サルモネラ菌や病原性大腸菌、腸炎ビブリオ、ウェルシュ菌など)です。もちろん、食中毒の中にはウイルス性(ノロウイルス)のものや自然毒(毒キノコやフグ毒など)によるものもあります」

■:ウイルスとは?

「数十ナノメートル(1ミリメートルの100万分の1)から数百ナノメートルほどで、普通の顕微鏡でも見ることができず、電子顕微鏡がなければ見ることができません。ウイルスは細胞を持たず、自分で増殖することができません。そのため、他の生物の細胞に入り込んで増殖します。乾燥や低温に強く、抗生物質も効きませんが、予防策としてワクチンが有効です。ウイルス性の病気としては、インフルエンザやエイズなどがあります。エイズウイルスに関しては、ウイルスが形をコロコロ変える性質を持っているため、ワクチンの開発が難しいとされています」

 いかがでしたか?

 このように異なる性質を持つ細菌とウイルスですが、これらの病原体による感染症を防ぐには、免疫力を低下させないことが大切です。規則正しい生活やバランスの取れた食事を心がけ、運動をして体力をつけるようにすれば、おのずと免疫力がつきます。体調を崩しやすいこれからの季節は、体調管理に気を付けてくださいね。

取材
※小田切ヨシカズ・・・湘南育ちのサーファー医師。ワークライフバランス重視の36歳。現在、横浜の内科クリニックに勤務中。ツイッター@odagiriyoshikaz

【記事提供:リアルライブ】
情報提供元: リアルライブ