『英語4技能育成×ケンブリッジ英語検定』プレスセミナーが30日に都内で開催され、ケンブリッジ大学英語検定機構試験開発部門日本統括・⻘山智恵さんが登壇。ケンブリッジ英語検定を受験するメリットや、現状の課題、そして今後の展望などについて語りました。

日本の英語教育における実践能力の不足は、グローバル社会において問題視されてきました。この状況を鑑みた文科省は、世界的に活躍できる人材を育成するため「聞く」「話す」「読む」「書く」の英語4技能育成が重要であることを、昨年1月に「大学入試改革の状況について」にて公表しています。今回のセミナーでは、青山さんが実践的な英語力を測定する「ケンブリッジ英語検定」のペア型スピーキングテストの特⻑および構成、CEFR(4技能の能力を示す国際標準規格)に完全準拠した評価方法などについて解説しました。

ケンブリッジ英語検定を受験することのメリットに関して、青山さんは「先生の視点」と「生徒の視点」から紹介。先生の視点からは「CEFRに完全準拠した国際通用性の高い試験/IELTSに繋がる試験」「学習指導要領との親和性が高い」などが、また生徒の視点からは「国内外の進学に使える試験」「学校の勉強をベースに解くことができる」「コミュニケーション重視のペア型対面式スピーキングテスト」「グローバルに通用する生涯有効の試験(コストパフォーマンスが高い)」などが挙げられるとのことでした。

日本における『ケンブリッジ英語検定』の認知度向上に、どんな手ごたえを感じているか質問すると、青山さんは「一番わかりやすいのが、大学入試でどれだけの大学が使ってくれるようになったかといったところだと思うんですけれども、パーセンテージで、2015~2016年だったかと思いますが、全体を100%とすれば、21%くらいだったんですね。使っていただいている大学さんが」と回想。

そして「2020年の数字が42%でしたので、我々ベースで考えると、ほぼ倍。この4~5年くらいで倍になっています」と大幅な成長を明かし「それは大学入試英語(成績)提供システムで、参加要件を満たしているという風に評価されてからの、学校内での浸透がサポートしてくれているという風に思っています。なので今後は、5割を超えるように」と続けていました。

とはいえ、テストのスピーキング試験官を務めることができる人材は限られているそう。青山さんは、試験官を務めるには「教師としてのバックグラウンド」が必要だと言い「教育者としての目線というものを、非常に大切にしていまして」とも。ノンネイティブの有資格者の人材確保は難しく、ネイティブの有資格者の場合は人件費が高くなってしまいがちとのことです。

「こちらとしては、なるべく廉価でやりたい」と胸の内を明かす青山さんは、河合塾の協力に言及。「塾生受験のために、公開テスト会場として、提供してくださっていますので、一応、40会場くらいあるんですね。3年くらい前から、こういった支援というのが、河合塾さんの塾生受験というのが始まっていますので、それ以降は、かなり受けやすくはなっているんですが、それでも九州ですとか東北ですとか、北陸もですね。まだ、広がっていないところもあります」と現状での課題を報告。

普及していない地域には、オンライン形式の4技能テスト「リンガスキル」に誘導しているそうで、青山さんは「元は一緒です。ケンブリッジが育ててきたアイテムバンクといったものをベースに『ケンブリッジ英語検定』も『リンガスキル』も『IELTS』も作っていますので」と紹介。

どこに住んでいても「国際基準を体感できる・体験できる」のが『リンガスキル』の秀でたところだとしたうえで「機会があれば、生涯有効のケンブリッジ英語検定を。同じ尺度に照らせば、『ここまでできる』というのが、自信を持ってわかると思いますので。無駄なく、機会があれば『ケンブリッジ英語検定』なり『IELTS』なりを受けていただければ『予見できる成績を残せる』という強みもありますので。そういう活用の仕方をしてもらうといいんじゃないかなという風に期待しています」とアピールしていました。

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 【受験におすすめ】ケンブリッジ英語検定・日本統括が語る現状と展望