「春節を迎えた中国では~」というニュースを目にしたことはないだろうか。春節とは旧暦の正月のことなのだが、夜に爆竹を鳴らして盛り上がる様子等はテレビで見かけるが、正直なところ、それだけでは春節がどういう行事なのかはよくわからない。そこで今回は、旧暦になじみのない日本人が春節の文化を知るためにはどうすればいいのかを考えた。

じつは日本でも春節は十分に楽しめる

そもそも春節とは、中国だけの行事ではないのをご存じだろうか。じつは韓国、香港、台湾、北朝鮮、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、モンゴルなどアジア圏の多くの国々で広く浸透しているのだ。日本は明治6年(1873)に旧暦から新暦に切り替わっただけなので、春節を祝う可能性は十分にあったといえるのだ。

ちなみに国内では、日本三大中華街である横浜、神戸、長崎で春節のイベントが行われる。まずは雰囲気だけでもざっくり知りたいという人の場合、旅行気分でイベントを訪れるのが、いちばん手っ取り早いのだ。2018年の春節は2月16日。期間中は煌びやかな出し物が多い。

・『2018春節』(in 横浜)

http://www.chinatown.or.jp/event/celebration/201710_01/

1986年から春節を開催して、今年で32回目。獅子舞や龍舞、皇帝衣装のパレードなど中国の伝統文化を体感できる。

・『2018南京町春節祭』(in 神戸)

https://www.nankinmachi.or.jp/event/shunsetsu/2018/

1987年から春節をアレンジし、「春節祭」として開催。1997年には、神戸市の地域無形民俗文化財に指定された。

・『長崎ランタンフェスティバル』(in 長崎)

https://www.at-nagasaki.jp/festival/lantern/

15日間の期間中、約15,000個の極彩色のランタンや大小さまざまなオブジェが会場一帯を幻想的に彩る。干支のオブジェは大きいもので高さが10メートルのものも。

人民中国 2011-02-05 発売号
Fujisan.co.jpより

中華街で豪華な料理も! 春節を舌で楽しむ     

旧正月で大晦日にあたる日は「除夕」と言い、家族で特別な食事(=「年夜飯(ニエンイエファン))」を食べるのが一般的だ。たとえば、定番は魚料理。中国語で「魚」の発音がゆとりの意味を持つ「余」と同じであることから、収穫が余る(=豊作)ことを祈り、振る舞われるという。大根餅、水餃子、春巻なども祝いの席を彩るメニューだ。

料理名や言葉の響きになぞらえて“ゲン”を担いだ料理が出てきたり、家族で食事を食べて新年の準備をするという点では、日本と大きく変わらない。春節に振る舞われる料理は、中華街の一部のお店でも食べられるそうなので、舌で春節に親しむのもアリだろう。

春節のきっかけは獰猛な獣退治?

ちなみに、春節の有名な由来は、人を喰う獰猛な獣「年」が旧暦12月30日に暴れていて、それを退治するためというものだという。赤い服を着た人々が松明を灯し、爆竹を鳴らして獣を袋叩きにして追い払ったことが風習と続き、現在も、爆竹を鳴らしたり、赤い提灯飾りなどを多く飾っているという。

由来が事実かどうかはわからないが、何事も経緯を知り、雰囲気を味わい、自ら体感すると、距離を感じていたものが一気に身近に感じられるようになるだろう。

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 二度目の正月を謳歌しよう!アジアに広がる「春節」の楽しみ方