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私自身がお金の勉強を始めたきっかけは、大学の理学部を卒業してメーカーに入社し、男尊女卑と年功序列の実態を目の当たりにしたことでした。氷河期世代で就職に苦労したこともあり、どんなに努力しても社会を自分でコントロールすることはできず、仕事をどれほど頑張っても豊かにはなれないであろうと感じたのです。
このままで終わりたくないと思い、現状を打破する方法を求めていろいろな本を読みあさりました。お金に関する本から、「生活のために働いて終わる人生から解放されるためには、事業を営むか、投資をする必要がある」と学びました。しかし、事業を始めようと思っても、当時の私の周りには起業をしている人はおらず、何をすればいいのかわかりません。もう一つの選択肢である投資は、数万円あれば始めることができたので、とりあえず証券会社に口座を開設して始めてみたのです。
そこから勉強と経験を重ね、メーカー退職後に、銀行の投資アドバイザーの募集に応募して採用されました。そこでも男尊女卑と年功序列の実態があることを感じていたところ、外資系生命保険会社から声をかけられ転職しました。そこで、銀行の窓口で自社の商品を販売してもらうための間接営業に携わり、仕事自体は充実していました。しかし、他社商品の方が適していると思うケースでも自社商品を勧めなければならないジレンマを痛感するようになり、中立な立場を求めて独立の道を選びました。
(セミナー風景)
日本には、「お金を払ってお金のことを相談する」という文化がないため、独立当初はお客様が集まりませんでした。そこで、SNSなどで発信を続け、平日朝のインスタライブを欠かさず開催していくうちに信頼していただけるようになり、講座を開講できるまでになりました。 現在は、厳しさが増す社会のなかで、不安を抱えている方がとても多いと感じます。
不安を解消する一番の方法は、どんな時代になっても自分で判断できる自信を培うことではないでしょうか。お金に関しても、「自分にとって最善の方法を自分で選べる」と思えることが安心につながると思います。 安心を得ていただくために、自分で金融商品を選べるスキルを身に付ける講座を開催しています。
「なぜ為替変動が起きるのか」「なぜ物価が上がるのか」といった、お金に関する基本的なことから、「どのニュースに注目したらよいか」をはじめとする情報収集の仕方、選び方、注文の出し方までをカバーする内容です。受講してくださった方から「資産運用でお金が増やせた」という報告を聞くのはもちろんうれしいです。それだけではなく、「お金の知識を身に付けることで世の中の見え方が変わり、自信がついた」と言っていただいたときは、講座をやっていてよかったと心底感じます。
受講生の方々を対象に個別のコンサルティングもしますが、講座と同様、中立性と顧客本位であること、お金という重要なことについて相談するに相応しい信頼される人間であることを大切にしています。
「やりたいことがあるけれど、お金がないから諦める」「収入が絶たれることが不安で現状を変えられない」そんな声をしばしば耳にします。自分に必要なお金は自分で作ることができるなら、やりたいことを諦める必要も、つらい現状にとどまる必要もありません。お金は人生の選択肢を増やすものなのです。人生で大切なのはやりたいことを自分の力で叶えられることだと思います。高収入のパートナーを見つけるために婚活をするよりも、自分に必要なお金は自分で作れる力を身に付ける方が豊かさに近づけるのではないでしょうか。
昔に比べて投資環境は良くなっています。パソコンやスマホと少しのお金があれば、誰でも投資をスタートすることができます。個人のマネーリテラシーが将来のお金の成否を分ける、自己責任の時代になったともいえるでしょう。 お金が理由でやりたいことを諦めない人生のために、誰もが当たり前にお金について学び、投資をスタートすることができる環境を作りたいと思っています。将来の目標は、税金や不動産、家計などその道の専門家と提携し、お金に関することがすべて学べる学校のようなものを作ることです。
マネーリテラシーを上げることが、日本人の豊かさと幸福につながり、ひいては国際的な競争力を上げることにもつながるのではないでしょうか。微力ながらも豊かな社会づくりの一助になれることを願っています。
マネレボ株式会社 代表取締役 大久保美伽(おおくぼみか)