日本体操協会の塚原光男副会長(70)、千恵子強化本部長(71)らのパワハラと強権政治をテレビ番組で徹底批判し、喝采をあびたバルセロナ五輪銀メダリスト・池谷幸雄(45)。だが、その批判の裏にも、塚原夫妻を責められない「ハラスメント」と旧態依然の”なあなあ体質”が存在していたようだ。


 宮川紗江選手(18)のパワハラ告発は泥沼状態に突入し、連日ワイドショーでも体操界のOB・ OGらが新たな告発をするなど、旧態依然の体操界の腐敗を浮き彫りにしている。中でも注目を浴びたのが、涙ながらに「18歳の勇気ある告発を無駄にしてはいけない」と持論を展開した池谷だった。池谷は続けて「選手ファーストで体操のことを考えて行動できる方々が協会員にならないと変わらない」と訴えたのだが、そんな彼の過去に疑問の声があがっている。


「池谷も青森でセクハラ騒動を起こした際に、日本体操協会があえて見て見ぬ振りをして庇い、処分を免れるという案件がありました。この時にも、身内に甘すぎる体操業界の腐敗が批判されています。」(週刊誌記者)


 当時の事件を報じた『週刊新潮』(15年4月16日号/新潮社)によれば、池谷が問題を起こしたのは2014年7月、青森県八戸市で開催された東日本ジュニア体操競技選手権大会だったという。池谷は自身が教える「池谷幸雄体操倶楽部」の16人の選手を引率し、連盟の理事として大会に参加していた。そんな中、池谷は青森の“ミスりんご”のOGにLINEのIDをしつこく教えるように迫り、ホテルの自室に何度も来るように誘ったという。さらに呆れたことに、子供達の競技中に嫌がる女性の尻などをしつこく触っていたようだ。


 だが、女性が青森県体操協会に訴えて事件が発覚するも、日本体操協会は池谷をかばって何の処分も行わなかった。協会から事情聴取に理事を一人派遣したものの、なんら対処を行わず黙殺し、「当事者同士で話し合って」と伝えたのだという。さらに、日本体操協会に加盟する全日本ジュニア体操クラブ連盟も、池谷を1年間理事の仕事から外しただけで役職剥奪等の処分がなかったのだという。結局、高圧的な協会とジュニア連盟との関係に県の体操協会は屈し、女性は泣き寝入りすることになった。


 この身内に甘い”なあなあ体質”こそが、体操界の問題ではないのか。「選手ファースト」を訴える池谷だが、はたしてこの処遇は健全で公正なものだったのか。だが、池谷のその訴えも私怨ではないかと前出記者はいう。


「池谷は2007年に一度、日本体操協会の理事を務めたことがあります。しかし、素行不良ですぐに辞任しています。この時に池谷を追い出したのが塚原夫妻の周辺関係者だったと言われています。池谷が宮川の肩を持ち、塚原を永久追放しようとした背景にはそんな思惑もあるようです」


 塚原がパワハラなら、池谷はセクハラ。体操協会における膿としては五十歩百歩といったところではないだろうか。

情報提供元: Daily News Online
記事名:「 池谷幸雄、塚原夫妻への批判は私怨?セクハラ&パワハラ横行する”体操界の闇”