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このようにスクワットは股関節の曲げ伸ばし動作を繰り返すので、股関節伸展筋群である「大殿筋」と「ハムストリングス」に効かせることができます。また、スクワットでは股関節を伸ばす動作に伴い、膝を伸ばす動作も行われるので「大腿四頭筋」にも効かせることができます。
効果が感じられないスクワットを行っている場合、背中がまっすぐになっていないことが挙げられます。
上の写真のように背中が反りすぎてしまうと、腰へのストレスが強くなる上、重心がつま先寄りになるため膝が前に出やすくなってしまいます。
また、背中が丸まってしまうとやはり腰への負担が大きくなるだけでなく、股関節ではなく膝を使って曲げ伸ばし動作を行うため、大殿筋やハムストリングスに効かなくなってしまいます。
このようなことから、スクワットの効果が感じられない理由として、背中のラインがまっすぐになっていないことが挙げられるのです。
スクワットを効果のあるものに変えるには、背中をまっすぐにして行う必要があるということがわかりました。しかし、「背中をまっすぐにする」といっても、簡単なようでやってみると難しいですよね。
では、どうしたらよいか。実はたった1ヶ所を意識するだけで、背中をまっすぐにしてスクワットを行うことができるようになります!
その1ヶ所とは、「肩甲骨」です。肩甲骨を内側に寄せて胸を張るだけで、背中をまっすぐにすることができるからです。
更に、肩甲骨を内側に寄せて胸を前に突き出すようにすることで、お尻を後ろに突き出しやすくなります。そのため股関節の曲げ伸ばし動作を行いやすくなるため、大殿筋とハムストリングスに効かせることができるようになります。
肩甲骨を内側に寄せて胸を張るだけで背中をまっすぐにすることができ、スクワットの効果を高めることができます!
「肩甲骨を内側に寄せているけれども、腰が痛くなるし大殿筋やハムストリングスに効いた感じがしない…」という場合、肩甲骨が少しずつ外側に開いていき、背中が丸くなってしまっている可能性が考えられます。
このようなケースは、猫背の姿勢が強い人に多くみられます。その場合、ストレッチとエクササイズで猫背の姿勢を改善させておくようにしましょう。
では具体的にどのようなストレッチとエクササイズを行うべきか。
猫背は、肩甲骨が外に開いて上背部が丸まった状態です。そのため肩甲骨を外に開くように作用する筋肉の緊張が強く、逆に肩甲骨を内側に寄せる働きをする筋肉の筋力が低下した状態にあると言えます。
そこで肩甲骨を外に開く働きをする筋肉である胸の筋肉の緊張をストレッチで緩め、肩甲骨を内側に寄せる動作を高めた上で、肩甲骨内側の筋肉を強化するエクササイズを行うようにします。
左右それぞれ、胸の筋肉が心地よく伸ばされていることが感じられる強度で、20~30秒間伸ばし続けるようにします。
両腕を顔の前に閉じて肩甲骨を外に大きく開いたところから(写真左)、両腕を開き肩甲骨を内側に寄せる動作(写真右)を10回繰り返します。
動作はゆっくりと正確に行うようにし、肩甲骨を内側に寄せる動作を少しずつ大きくしていくようにします。
肩甲骨を内側に寄せる動作を繰り返すことで、肩甲骨内側の筋肉に効かせることができます。
15~20回を、1分程度の休憩を入れながら3セット行いましょう。
このエクササイズでよくある間違いとして、上体を起こし過ぎてしまっていることが挙げられます。
胸、すなわちミゾオチから上の部分を起こすべきところを、お腹から起こしてしまっていませんか?そうすると、肩甲骨内側の筋肉ではなく、腰の筋肉へのエクササイズとなってしまいます。
そうすると「腰の反り」が強い人ならば益々腰の反りを強めてしまい、背中を反らせてスクワットを行うことになってしまいます。そのため、胸を床から離すように心がけましょう。
ストレッチとエクササイズを行ったら、肩甲骨を内側に寄せて胸を張ることを意識して、改めてスクワットを行ってみましょう。すると背中をまっすぐにすることができ、腰への負担を感じることなく、大殿筋やハムストリングスに効かせることができるようになります!
「背中をまっすぐにする」という体勢は、スクワットだけに要求されるものではないのです!「腕立て伏せ」や背中の筋肉のエクササイズである「ベントオーバーローイング」など、あらゆるエクササイズにおいても要求されるのです。
そのため「背中をまっすぐにする」ということは、ボディメイク効果を高めるための基本姿勢と言えます。早速実践してみてくださいね!