「お菓子の中に”駄菓子”があるように、美術界にも”駄美術”があっていいのでは」を活動のモットーに掲げるアートユニット「現代美術二等兵」の「ふじわらかつひと」さんが、新たな作品をX(Twitter)で公開しました。

 作品のモチーフになっているのは、「渋谷109」と「大阪マルビル」という東西を代表する円柱状の建物。これらを本物そっくりなミニチュア……ではなく、なんと指輪に仕立て上げてしまいました。その名も「街リング」。

 以前から建物のミニチュア作品を手掛けていたふじわらさん。昨年報道された大阪マルビルの解体、建て替えのニュースを受け、形に残しておきたいと思い制作することにしたのだそう。

 大阪出身のふじわらさんにとって、大阪マルビルは幼少時からテレビで頻繁に目にしていたという思い入れのある施設。特徴的な円柱状の構造を見て、過去に制作した「缶詰リング」と同じように、指輪に出来るかも……と連想。それなら109も出来るかな、と合わせて制作することにしました。

 小さいながらも、本物そっくりな指輪本体は、3Dモデリングで造形後、3Dプリンターで出力。109、大阪マルビル共にきれいな円ではなく、細かい平面の連続で円が構成されているため、ポリゴン数を調整しながら、丁寧に再現されています。

 完成した作品は、拡大して見てもまるで指輪サイズとは思えない出来栄え。実際に着用した感想を「ちょっと長いので実用には向かない」としながらも「建物のミニチュアは今後も作りたいので、指輪に出来そうなものはチャレンジしてみます」と街リングのシリーズ化を示唆するコメント。

 109は新旧のバリエーションが制作されているので、大阪マルビルも新旧タイプで並べると、時代が感じられる思い出のアイテムとして、懐かしさに浸れる気がします。

<記事化協力>
現代美術二等兵ふじわらかつひとさん(@f2touhey

(山口弘剛)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 「109」と「大阪マルビル」 東西の丸いビルを指輪にアレンジ