モデラーの中には、ある特定のモデルに特化して作り続ける方も少なくありません。事情を知らない人からすれば「同じのばかりで飽きないの?」と思うかもしれませんが、作れば作るほど新たな面が見えてくるのがモデラーの性。

 Twitterに「もう置き場がなくなりました……」の言葉とともに投稿されたのは、F/A-18E/FとEA-18Gの模型で埋め尽くされたショーケースの画像。いったい何機あるのでしょうか?

 アメリカ海軍の主力戦闘機であるF/A-18E/Fスーパーホーネットと、電子戦機のEA-18Gグラウラー。ショーケースにびっしり並んだ様子をツイートしたのは、78式組長さんです。

 そもそもの始まりをうかがうと「10年以上前に地元のプラモコンテストでハセガワ賞を受賞し、その副賞として1/48スケールのスーパーホーネット(VFA-102のロービジ仕様)を頂いてからです」とのこと。作ってみたところ出来栄えに納得がいかず、次はもっと良い作品を……と繰り返すうち、増えてしまったんだとか。

 ツイートの写真にあった、大型のショーケースに展示されている分だけで33機。ほかの部屋にも、それ以前に作ったものが衣装ケースなどに入っており、全部合わせると約50機にもなるのだとか。

 ショーケースの大きさは限られているので、必然的に主翼を折りたたんで収納せざるをえない面も。それが逆に、空母の格納庫みたいな雰囲気が出ていますね。

 F/A-18E/FとEA-18Gは、基本的に同じ機体(エアフレーム)の兄弟ともいえるモデル。それまでのF/A-18ホーネットから機体規模を拡大し、兵装搭載量もアップしています。その魅力を78式組長さんは次のように語っています。

 「この機体の魅力はバランスの取れたスタイルですね。正面から見ればスマートだし、斜めから見たら力強いスタイル。そして大型化したLEXが主翼へと繋がるラインは格別です。また、スーパーホーネットは本当のマルチロール機という点が素晴らしい」

 もちろん、個々の作品を見ていくと、それぞれ別の飛行隊に所属する機体ばかり。特に「CAGバード(航空団司令官機)」と呼ばれる、低視認(ロービジ)塗装が標準の飛行隊で例外的に派手なフルカラー(ハイビジ)塗装が施されたものが目立ちます。

 これについて、78式組長さんは「ハイビジカラーの魅力は、モデラーに試練と好奇心を与えるものだと思います。ただ、個人的にはロービジのくたびれた感じが好きです」と語ります。デザインやカラーの面では、VFA-32「Fighting Swordsmen」やVFA-213「Blacklions」が好みなのだそう。

 人気の機種ということもあり、F/A-18E/FとEA-18Gのキットは各社からリリースされていますが、ここに並んでいるのはハセガワとモン(MENG)モデルのキット。今はモンモデルのキットばかり作っているのだそうです。

 作る上では、必ず1つ1つ表現に違いを出すようにしているとのこと。塗装の色も変えて、汚し具合等も違いを出すようにしているのだとか。それぞれは別の個体ですから、どのように使われているのかを見比べるのも楽しそうです。

 モデラーとして「常にキットの在庫は持っています。ただ、次はどうしようかとかはあまり考えずに作りながら決めていく感じです。事前にある程度写真画像や資料を調べます」という78式組長さん。まだまだ機数は増えていくようです。

<記事化協力>
78式組長 Lightning yasuさん(@yastaka80)

(咲村珠樹)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 増えも増えたり50機あまり スーパーホーネットとグラウラーのプラモ飛行隊