私は時々保護猫カフェのお手伝いをしています。モフモフの猫の毛並みに癒されたいお客様や、これから猫を飼いたいから、という理由で訪れるお客様たち。



その中で、時々質問されるのが、



「うちの子は完全室内飼いをするつもりです。それなら避妊・去勢はしなくてもいいですよね?」



という質問です。現在、私の知る限り、保護猫の譲渡の場合は完全に避妊・去勢するのは絶対条件(犬の場合はそうでもありませんが)。保健所など、行政機関も猫を飼う場合は避妊・去勢を推奨していますよね。



しかし猫好きさんの中には、



「完全室内飼いなら必要ないよね?」



「避妊・去勢のためにわざわざ手術させるのはかわいそう」



「猫にとって自然のままの状態でいさせてあげたい」



という意見もアリ。猫を完全室内飼いする場合は避妊・去勢はしなくてもいいのでしょうか?



 

■猫を避妊、去勢するメリット




・避妊のメリット:将来繁殖させたいという希望がないなら、完全室内飼いでも避妊をさせる方が良い、という理由は、何と言っても



「メス猫がかかりやすい病気の予防につながる」



からでしょう。メス猫がかかりやすい乳腺腫瘍や子宮蓄膿症などの病気は、避妊手術をすることで発症を抑えることができます。



・去勢のメリット:オス猫を去勢するメリットは、ズバリ



「猫の問題行動を減らすことができる」



ということが挙げられます。去勢にはオス猫にありがちな尿スプレーや発情期の脱走などを抑制する効果があります。



また、去勢すると攻撃行動も弱まるため、オス猫同士の多頭飼いもしやすくなり、飼い主さんとも暮らしやすい性格に変わるとも考えられています。



 

■万が一の場合も安心






日本はいつ地震が起きるかわからない地震大国。そして災害時はペットは「同行避難」が原則です。



避難所で猫が他の猫とトラブルを起こしたり、止むを得ず他の猫と一緒のケージで過ごす羽目になった場合、避妊・去勢していなければ、あっという間に猫は妊娠して子猫を産んでしまうかも。



猫は1度の妊娠で平均4~5匹の子猫を出産します。子猫を飼えない場合は飼い主さんが貰い手を探さなければなりません。



猫は1年足らずで成猫になりますから、年に2回の発情期のたびに平均4~5匹の子猫を出産した場合、どんどん猫の数が増え、同時に生まれた子猫もまた妊娠して子供を出産します。



猫を避妊・去勢しないと飼い主さんは1年中子猫の貰い手を探す羽目になるかも知れません。



猫を完全室内で飼うから、という理由だけで猫を避妊・去勢させないのはかえってリスクを抱えてしまうかも。



脱走した猫がお腹を大きくして戻ってきた、という話も聞いたことがあります。猫の避妊・去勢。猫にとってはかわいそうかも知れませんが、やはり現代の社会では猫は避妊・去勢した方が安心だと言えそうですね。
情報提供元: 猫壱
記事名:「 うちの子は完全室内飼い。避妊・去勢はしなくてもいいですか?