なぜ男性は家庭のなかで主体的に動けないのでしょうか? 結局女性がうまくコントロールしないと動いてくれません…(女性・37歳)

「家はくつろぐ場所」と考えているからです。(田中)

男性には、仕事をしていることで家族としての役割を果たしているという意識が根強くあります。一方、家事や育児は女性の責任との意識もあります。このため男性は、「家」はくつろぐ場所だと考え、家事や育児など、家庭内での必要なことに動く必要を感じていない人が多いのです。


男女が同じ仕事に就いている場合、男性の方が圧倒的に優遇されてますよね。でも多くの人はそのことを意に介していないように思えるのですが…(女性・年齢不詳)

企業は男性に「定年まで辞めない」と期待しているからです。(田中)

企業は、男性は基本的には定年まで辞めない、という期待を持つことが多いもの。女性は結婚や妊娠、出産をきっかけとした退職をする方がかなりの数います。家事や育児は女性の責任だと大多数が考えているためにこのような問題が生じます。結婚や妊娠、出産を機に「男性が家庭に対して時間を割くのが当たり前」という社会に変わっていかないと同じ問題が続いてしまうでしょう。


男性は動物的にどんな本能をもっているのでしょうか。独身の私ですが今でもパートナーを求めている気がします。(男性・50歳)

「男性らしさ」は時代とともに変わるもの。「本能」という面で考えることは難しいです。(田中)

社会や文化、時代によって男性らしさはめまぐるしく変わるので、“本能”として捉えるのは非常に難しいことです。例えば2015年の国政調査では、男性の生涯未婚率(50歳で一度も結婚したことがない人)は23%でした。ひと昔前までは、結婚していない人は下に見られる風潮でしたが、現在は4人に1人が未婚です。もはや「なぜ結婚したのか」ということが問われる時代になってきています。このように、社会において男性の思考というものは時代に応じて変わっていくもので、本能をとらえることは難しいと思います。


家族のために働いて、趣味もない男性は何を楽しみに生きているのでしょうか?(女性・44歳)

男性が長時間働くと、本人も家族も安心する傾向があるのです。(田中)
多くの男性は学校を卒業したら定年まで働くこと以外の選択肢がありません。ある程度の年齢の男性で一番心配されるのは「無職」ですが、その次に心配されるのが「定時に帰ってくる」だということをご存知でしょうか。働き過ぎが社会問題と言われますが、男性が長時間働いていると、男性も家族も安心する傾向があります。

これまでに過労死問題や女性の社会参加、ブラック企業批判などで、働き方の転換期はありました。それが機能していないのは「自分事化」ができていないからです。男性の現状をより良い方向に変えていくためには、自らが自由な意思で「働くことの意味」を問い直すことが必要なのです。


メディアで「草食系男子」や「新しい男子力」といった表現が見られます。時代が変わった今、どんな「男らしさ」が求められるのでしょうか?(男性・29歳)

「男は正社員として働く」という本質的な部分は変わっていません。(田中)

表面的な部分と本質的な部分を分けて考えるべきです。表面的な部分は流行によって変わります。しかし本質的には「男は正社員として働く」という根本は変わってないのです。「家族を養うのが男の仕事か?」という問いかけをすると、7割以上の方が肯定するという研究結果があり、「男性=働く」という意識は非常に強い社会的ルールだと言えます。この考え方が変われば社会の仕組みも相当変わり、ようやく「男らしさ」も変化していくのではないでしょうか。


「仕事がしっかりできることが、男として評価される」「男だから結婚してこの家を守る(継ぐ)」など、「男だから」という前提が本当に辛いです。(男性・24歳)

そうした「前提」を壊し、新しいルールを作っていかなければなりません。(田中)

正社員として働いてさえいれば一定の給料がもらえて、幸せに生きられた時代は終わりました。しかし、今もそのような感覚で生きている人は多く、社会もその変化を受け入れられていません。今の男性はそうした力に屈することなく、今まで当たり前とされていたルールを問い直さなければなりません。

「当たり前」というレールを外れるのは怖いことですが、自由を行使できるということでもあります。自分たちで「新しい男性の生き方」を作っていける、というポジティブな気持ちでこの変化をとらえていくのはいかがでしょうか。