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【京都】「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」プロデューサー・詩歩さんオススメ、秋の穴場絶景5選




はじめに


秋の大人気観光地、京都。そんな混雑必死の京都で「穴場絶景」を、京都在住の絶景プロデューサー・詩歩さんに教えてもらいます。旅スタイルが変わってきた今こそ、国内の身近にある絶景を探しに旅してみませんか。

Photo:詩歩(「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」プロデューサー)

すでに観光客数は回復?


──東京で活動されていた中で、2019年6月から京都に移住した詩歩さん。現在の京都の旅事情はいかがしょうか。

今年の春は観光客もまばらでしたが、今は回復し、どこも混雑しています。緊急事態宣言が解除された頃から、最初は関西圏の方がまた来始め、9月のシルバーウィークには、東京から訪れた友達が行きたいお店はどこも入れない、というぐらい旅行客が多かったようです。今は「元々外国人観光客が多かったスポットだから空いている」といったことはなく、日本の方たちですごく混んでいる感覚です。きっと「今なら京都も空いているのでは」と思ってみなさん訪れているのかもしれませんね。

そのため、ガラガラ……というところは無いのですが、比較的空いているところをピックアップしてみました。 苔庭の緑とモミジの赤のコントラストが美しい「大原三千院」

苔庭の緑とモミジの赤のコントラストが美しい「大原三千院」


──今回挙げていただいたスポットは、全て京都市内中心部からは少し距離があるところですね。

市内から離れた方が混雑は少ないので。「大原三千院」も洛北にあり、8世紀に最澄が創建した庵が起こりとされ、代々皇族が住職を勤めてきた由緒ある寺院です。紅葉の写真は人が写り込むことが多く、いい写真を撮るのが案外難しいのですが、ここなら境内も広く、苔庭は立ち入り禁止なので綺麗な写真が撮れますよ。
お堂や庭がたくさんある中で見事なのは先に挙げた苔庭! モミジがそこまで密集しているわけではありませんが、鮮やかな苔の緑と色づいたまま散ったモミジの赤。そのカラフルなコントラストが美しいところです。苔庭に佇むかわいいお地蔵さんも人気があります。


◆ 大原三千院
住所:京都市左京区大原来迎院町540
電話番号: 075-744-2531
拝観時間:3月~10月/09:00~17:00
11月/08:30~17:00
12月~2月/09:00~16:30
アクセス:JR京都駅⇒[京都バス約1時間10分]⇒大原⇒徒歩約10分 紅葉の見事な額縁構図に出会える「蓮華寺」

紅葉の見事な額縁構図に出会える「蓮華寺」


──写真を撮る上でオススメの場所は他にありますか?

撮影法で室内の縁どられたものがあるところから庭の借景を切り撮る「額縁構図」にすることはよくあると思うのですが、中でも「蓮華寺」はお気に入りの撮影場所です。「大原三千院」と同じ方向で、バスでないと行けない寺院ですが、紅葉で有名な「瑠璃光院」(4時間待ちも珍しくないほどの人気!)の近くに建っています。
住職さんがマナーに厳しいのですが、その分こだわりを持ってお堂も庭も手入れをされているのが伺え、洗練された空間で見事な紅葉風景に出会えます。この額縁のところも普通に入れるので座る方もいるのですが、足を投げ出して座るのはマナー的によくないとのこと。その点に気を付けて見学したいですね。


◆ 蓮華寺
住所:京都市左京区上高野八幡町1
電話番号: 075-781-3494
拝観時間:09:00~17:00
アクセス:JR京都駅⇒[京都バス約45分]⇒上橋⇒徒歩約1分 一面のイチョウの絨毯を堪能。「岩戸落葉(いわとおちば)神社」

一面のイチョウの絨毯を堪能。「岩戸落葉(いわとおちば)神社」


──観光客にメジャーでない寺社も、絶景ポイントがあるんですね。

この神社も京都市内にありますが、ほとんど観光客には知られていないと思います。住宅街の中にいきなり現れる神社で、こぢんまりとした境内には高さ20mを超える大きなイチョウの木が数本あります。去年の秋、平日に訪れた際には他の参拝者は10人いるかいないか、ぐらいでした。みなさん紅葉シーズンはモミジのある場所に注目しがちなので、まだまだマイナーなスポットのようです。
「落葉」は御祭神の一人として、源氏物語に登場する「落葉の宮」を祀っていることから名付けられています。晩秋になると神社の名の通り、一面真っ黄色に染まったイチョウの絨毯が。ふかふかで歩くのが気持ちよく、小さい子もイチョウの絨毯の上でゴロゴロしている姿も見かけ、心が和みます。


◆ 岩戸落葉神社
住所:京都市北区小野下ノ町170
電話番号: 075-406-2004
アクセス:JR京都駅⇒[西日本JRバス約1時間10分]⇒小野郷⇒徒歩約5分 京都で秋の終わりを告げるのは「光明寺」の紅葉

京都で秋の終わりを告げるのは「光明寺」の紅葉


──お子さんものびのびといられる神社、まさに地元の神社、といった感じですね。京都市以外で穴場スポットはありますか?

こちらは京都市から南に下った長岡京市に佇むお寺ですが、市内から電車で日帰りで行けます。12月頭に紅葉の見頃を迎えるので、京都が一番混雑している11月下旬が避けられます。

「光明寺」は、かの法然上人が日本で最初に念仏を上げた立教開宗の地。広い境内をぐるりと散策し、最後に通るのがこの「もみじ参道」です。参道の両脇からカエデの木が覆いかぶさるように枝を伸ばしているので、この下を通ると紅葉のトンネルのよう! 奥に見える「総門」を越えてからもこのトンネルが続きます。参道に落ち葉が敷き詰められるタイミングがあるので(早朝でないと見られないのですが)散る時が美しいスポットです。住職さんが掃除をしてしまう日としない日があるようでタイミングが難しいのですが……。行く時は開門・閉門間近の人がいなくなるタイミングを狙いましょう。


◆ 西山浄土宗 総本山 光明寺
住所:長岡京市粟生西条ノ内26-1
電話番号:075-955-0002
拝観時間:09:00~16:00
アクセス: JR長岡駅⇒[阪急バス約20分]⇒旭が丘ホーム前 「手水(ちょうず)」でストーリーのある写真を楽しむ「楊谷寺」

「手水(ちょうず)」でストーリーのある写真を楽しむ「楊谷寺」


同じく長岡京市にあり、「光明寺」からタクシーで20分ほどなので、両方行くのもオススメ(実は「楊谷寺」は「光明寺」と同じ宗派で末寺でもあるんですよ)。弘法大師空海ゆかりの寺院で、眼病平癒のお寺として古くから信仰を集めています。境内にある湧き水「独鈷水(おこうずい)」をいただき、いつまでも美しい景色がこの眼で楽しめるようにと、毎回お祈りしています。
もともとアジサイの花手水(「手水」にアジサイの花びらを敷き詰めたもの)が有名な場所ですが、紅葉のグラデーションの手水もかわいいです。境内には「なないろ手水(ちょうず)」と呼ばれる手水がたくさん庭にあり、それぞれ違うデザインになっています。モミジは枯れたらまた新しく敷き詰められるので、行く日によって違う模様が見られるのが面白いです。見上げるモミジも素敵ですが、モノと一緒に撮影するとストーリー性が生まれ、別の楽しみ方ができるのがいいですね。


◆ 楊谷寺
住所:京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷2
電話番号:075-956-0017
拝観時間:09:00~17:00
アクセス: 阪急西山天王山駅からタクシーで約10分

◆柳谷観音紅葉ウィーク2020
上書院特別公開の他、限定御朱印授与、ライトアップ(人数限定。11月21日、 22日、12月4日、5日のみ。16:45~17:45)などが行われる。
開催期間:11月1日~12月6日
開催時間:09:00~16:00

おわりに


京都は本当に隠れスポットを見つけるのが難しい人気ぶりです。絶景ポイントとしては、市内では自然があまり無いのと、お店は混んでしまうので、開けていて、ある程度観光客を受け入れられるキャパがある寺社を今回は厳選してみました。紹介したスポットのうち参拝時間が決まっているところであれば開門・閉門時間直前がオススメ。神社なら日が昇ってすぐぐらいを目指して行けたらいいと思います。京都でもオフピーク旅を楽しんでくださいね。
◆詩歩
「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」プロデューサー。静岡県・浜松市観光大使。静岡県出身。世界中の絶景を紹介するFacebookページ「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」を運営し、SNSのフォロワー数100万人以上。昨今の”絶景”ブームを牽引し、流行語大賞にもノミネートされた。現在はフリーランスで活動し、旅行商品のプロデュースや自治体等の地域振興のアドバイザーなどを行っている。主著に 『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』 (三才ブックス)、『絶景を旅するシンプル英会話50』(KADOKAWA)などがある。

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