夏から秋にかけて日本でも大きな被害をもたらす台風の襲来。関西国際空港が冠水し、空港が機能不全になった、というトラブルもありましたね。日本以上に台風の襲来が多いとされる香港では、住民の安全を守るためにさまざまな規則を定めています。

地元の気象台は台風の接近に応じて、警報シグナルを発令し、注意を促します。

シグナルには以下の5つのグレードがあります。

[香港の台風シグナル] ・シグナル1

台風が香港から800km地点に接近(スタンバイ)

・シグナル3

台風が接近中。マカオや中国各地に行く高速船が欠航、幼稚園が閉園に(強風)

・シグナル8

台風の暴風域が接近。風向きの方向とともにシグナルが発令される。8発令とともにオフィスや商店が休業、公共交通機関はストップし、学校は臨時休校に。発令が予想される場合は早仕舞いするところも多数(暴風)

・シグナル9

台風が香港に直撃(暴風雨)

・シグナル10

シグナル9よりもさらに激しい場合(ハリケーン)

※マカオや中国広東省にも同様のシグナルがある。

ユニークなのは、シグナル8以上が出たら基本的に外出禁止。ですから経営者は従業員の安全を確保した上で帰宅させ、オフィスを閉める、よう定められているという点でしょう。緊急対応のために業務を任意で続けるのは自由ですが、基本的には会社が閉まります。また、レストランも任意に開けている所もありますが、従業員の大半を帰していたりしますので、普通のサービスは見込めないでしょう。

ともあれ「シグナル8以上が出たら、何もかもが自動的にキャンセル(勝手に行くのをやめても返金等が得られる可能性が極めて高い)」というルールが香港にはあるというわけです。

シグナル8以上が出ているケースでは、空港も閉鎖になっているはずなのですが、それでも「勝手に飛行機が飛ばれては困る」と思い込んで「台風時のぼったくりタクシー」に乗ってでも空港に行こうとするひとが結構います。空港のあるランタウ島(大嶼島)と本土を結ぶ島も通れなくなりますから、そういった諸々の二次災害を防ぐために地元のキャセイパシフィック航空をはじめ航空各社は台風接近が決まると、比較的早い段階で欠航を決め、旅行を予定している人への再考を促します。

でも台風の日にはいろいろなことが起こります。例えば、香港に来るまで海を全く見たことがなかった中国内陸部からの観光客が台風で荒れる海を見て「すごいすごい」と岸壁に近寄りたがり、追っ払うための警官を危険に晒すということも過去にはありました。もっとも、強風下の香港では、名物の道路上にかかった看板や竹組みの足場が壊れて飛んで来たりしますから、外出しないことがベストです。

では、街の人々は台風が来ると静かにしているかというとそんなことはありません。台風に関する気象台の予報は割と当たるので、「明日は確実にシグナル8」とわかると人々はどこかに集まって麻雀(つまり平日に堂々と徹マン)を始めます。あるいは、「せっかくみんなが休みなら親戚同士集まろう!台風の日におじいちゃんおばあちゃんだけ残すのも不安だしー」といった声もどこからともなく聞こえて来たりします。台風だろうがなんだろうが、その場の状況をしっかり楽しむ香港の人々……我々が思うより何倍もしたたかです。

(写真はイメージ)

情報提供元:Traicy
記事名:「警報が出るとみんなで麻雀? 香港に台風が来たら外出禁止【さかいもとみの旅力養成講座】