2017年秋、ロンドンへ行くことが早期に決まっていた筆者は航空券を探し始めた。このうち比較的安い6万円台で表示されたのがワルシャワ経由のLOTポーランド航空、シンガポール経由のシンガポール航空、ドーハ経由のカタール航空であった。11月にも搭乗し、快適さを知っていた筆者は迷わずLOTポーランド航空を選択した。搭乗時間が最も短く、かつセール中であったためこの選択肢の中でも最安の往復62,000円で購入できた。
LOTポーランド航空は東欧ポーランドのフラッグキャリアでヨーロッパ諸国の他にアジアでは東京/成田、ソウル/仁川、北京、シンガポール、アスタナに就航しており、東京/成田線は週5便を運航している。日本語を話すことのできる外国人キャビンアテンダント（CA）もいる。ワルシャワまでの飛行時間は約11時間35分であり、ワルシャワ・フレデリック・ショパン国際空港がコンパクトなためヨーロッパ各都市への乗継が容易なのが魅力的な航空会社だ。さらにスターアライアンスに加盟しているため、全日本空輸（ANA）のマイルを貯めることもできる。
今回搭乗する便は東京/成田を午前10時55分に出発し、ワルシャワに午後2時25分に到着するLO80便である。機材はボーイング787-8型機で、ANAやJALと同じく機内の湿度は高めに調節されており、従来機よりも快適に過ごすことができる。
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搭乗手続きカウンターは建物左端のI[/caption]
LOTポーランド航空はスターアライアンス加盟の航空会社が集う第1ターミナル南ウイングで搭乗手続きを行う。成田空港を午前に出発する便の場合、筆者は1分でも長く眠りたいがためにスカイライナーに甘えてしまいがちである。そのため空港駅には出発の約2時間前の午前8時50分ごろ到着した。チェックインカウンターはI。オンラインチェックインが可能であるため手荷物の預け入れのみで搭乗手続きは終了した。またその際に座席の指定もできる。手荷物はエコノミークラスの場合、23キロまでの重量制限がある。機内持ち込み手荷物には8キロまでの重量制限があり、タグがつけられる。しかし今回は機内持ち込み手荷物の重量チェックはなかったので重そうな場合のみ行っているのかもしれない。
ボーディングパスは通常の硬い紙質のしっかりしたものであった。
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出発便が多い時間帯のため手荷物検査は混雑していた[/caption]
手荷物検査を終え、出国審査は自動化ゲートを利用して出国した。出発便が多い時間帯なので、時間には余裕を持っておきたい。
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地上業務はスイスポートが担当する[/caption]
搭乗ゲートは南ウイングの端の42番ゲートであった。
今回搭乗するボーイング787-8型機には、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスの設定がある。当日機内でもプレミアムエコノミークラスへのアップグレードを募っていた。機内アナウンスはポーランド語、英語、日本語で行われるが日本人クルーは搭乗していない。
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プレミアムエコノミークラスの座席[/caption]
機内に入るとプレミアムエコノミークラスが見えてきた。座りたい気持ちを抑え、自分の座席へと向かう。
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バルクヘッドの座席[/caption]
エコノミークラスの座席配列は「3-3-3」。今回はチェックインの際に中間列で通路側の20Fを指定した。足元が広い分、レストルーム付近のため少し人通りが多く良い点と悪い点両方を兼ね備える。広さは前回座った窓側の通常席に比べ格段に広い。身長180cmの筆者が座ってもまっすぐ足を伸ばすことができ、非常に快適な睡眠ができた。
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座席[/caption]
機内エンターテインメント用のモニターやテーブルはアームレスト内かその下に収納されている。座席の大きさはANAのボーイング787型機のエコノミークラスとさほど変わらないように思える。
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安全のしおりなど[/caption]
座席の前には安全のしおりやポーランド語と英語表記の機内誌「KALEIDOSCOPE」、免税品販売の冊子があった。機内誌や機内エンターテイメントの冒頭ではイスラエルのテルアビブを特集していた。
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コンセントとUSB端子[/caption]
非常口座席のため、コンセントとUSB端子は座席下の間にあった。
座席の前にはモニターがあり、飛行中はフライトマップを表示していた。表記はポーランド語と英語であった。
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4本の邦画[/caption]
機内エンターテイメントは他社と同じで映画や音楽、ゲームがあった。邦画も4本のみであるが観賞が可能である。また「キングスマン」シリーズや「オリエント急行殺人事件」など日本でも上映実績のある一部の映画は日本語字幕に対応していた。基本的な言語はポーランド語、英語、ドイツ語、ロシア語となる。字幕は日本語、韓国語、中国語が映画によってある。
離陸後安定姿勢に入りまもなくすると1回目の機内食（昼食）のサーブが始まった。
チキンとフィッシュから選択でき、前回フィッシュを食べた筆者はチキンを選択した。メインは鶏の唐揚げの甘酢あんと白米が一緒になった和食であった。その他、フレッシュサラダ、パン、野菜のマリネ、フレッシュフルーツがあった。前回のフィッシュ同様非常に美味しく頂けた。ドリンクは各種ソフトドリンクやアルコールが選択でき、ビールにはポーランドビールもある。
食後、ハンドクリームをつけるため座席前方のレストルームへ向かった。
いたって普通だが、洗面所にはココナッツの香りのハンドクリームがあった。
食後、食器が回収されると機内は徐々に暗くなり始めた。
機内最後部にはミニバーが設けられており、プレッツェル、インスタントラーメン、各種ドリンクが置いてあった。便によってはポーランドのチョコレートバーも置いてあり、非常に美味しいのだが今回はなかった。
昼行便のため機内には映画を観賞する人や眠る人が混在している。搭乗率は80〜90%くらいだろうか。1列空席という座席は見つからなかった。また前回に比べて日本人搭乗客が多かった。
機体はロシア上空を通り、着陸の2時間前のウクライナに差し掛かったところで2度目の機内食がサーブされた。
2度目の機内食はビーフライスとパスタからの選択だった。前回パスタを選択していたため今回はビーフライスをチョイスした。メインは牛丼で非常に美味しかった。また日本線の特徴でもある蕎麦がここでサーブされた。2度の機内食どちらも美味しく、満足できる分量であった。
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二重のカップ[/caption]
食後にコーヒーを飲んでいるうちに少しづつ下降し始めた。熱さ対策のためにコーヒーのカップを2重で提供してくれる細かな心遣いは日本のエアラインにも劣らないと感じた。
そして定刻より少し早い現地時間午後2時にワルシャワ・フレデリック・ショパン空港に到着した。
筆者はこの後最終目的地のロンドン/ヒースローへ向かうため手荷物検査を行った後、乗継便を待った。
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シェンゲン協定域外の出国エリアにあるラウンジ[/caption]
搭乗開始までの45分間にプライオリティパスで「Bolero Lounge」を利用した。コンパクトながら非常に綺麗であった。フードの種類は少ないものの写真のラザニアは美味だった。シャワーも完備している。
余談ではあるがワルシャワ〜ロンドン/ヒースロー線のLO279便は今年から運用を開始したボーイング737MAX-8型機だった。
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737MAXと大きく宣伝されたヘッドカバー[/caption]
今回で2度目のLOTポーランド航空の利用となったが、やはり快適であった。東欧の旧共産圏の国の航空会社というと無機質で冷たい印象を持つ方も多いと思うがそのようなことは一切感じないフライトで、どのクルーも非常にホスピタリティ精神が溢れていて快適である。中東経由よりも短時間でヨーロッパ諸国へ行くことが可能であり、セール中はヨーロッパの中でも大手航空会社のエールフランス航空やルフトハンザ・ドイツ航空よりも安く行くことができる。さらにスターアライアンスに加盟しているためANAのマイルも貯めることができる。筆者としてはオススメの航空会社として皆さんに推薦したいと思えるフライトであった。
またLOTポーランド航空では事前の有料アップグレードを行なっている。今回アップグレードオファーの招待メールは届かなかったが、オファーが届くとプレミアムエコノミークラスへの有料アップグレードを最安約2万円から自分で設定して申請し、成功するとアップグレードされるといった仕組みを提供している。筆者は以前利用した際の帰国便で最安値で申請したが失敗に終わった。その時々で成功率には開きがあると思われる。
今回も快適なフライトだったので、次回はぜひプレミアムエコノミークラスに乗ってみたいと思った。
（搭乗日：2018年2月20日）
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