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内燃機関超基礎講座 | 触媒・排ガス浄化装置:つじつまを合わせるための最後の砦


高精度に燃焼をコントロールしている現代のエンジン。しかしそれでも規制物質は生まれてしまう。外に吐き出す前に少しも漏らさずに捕集せよ。その意気で設けられるのが後処理装置である。

ガソリンエンジンの排ガス浄化デバイスとしては、三元触媒が排ガスの三大有害物質であるCO、HC、NOxを同時に処理できる唯一の方策として確立されている。だがこの魔法の物体も、理論空燃比燃焼による排気でなければならず、また始動直後の排気が低温状態においては機能を発揮しないという弱点を抱えている。以前は始動直後の排ガス数値規制項目がなかったからよかったものの、近年ではコールドスタート時でも規制をクリアすることが求められるようになり、触媒にも工夫が必要になってきている。




さらに深刻なのがNOxの発生量がガソリンより数段多く、PMをまき散らすディーゼルエンジンのケースだ。ディーゼルは基本的に希薄燃焼なので、ストイキ燃焼前提の三元触媒は使えない。NOxを抑えればPMが出るしPMを抑えればNOxが...という二律背反を背負うディーゼルの排ガス浄化は、ガソリンより規制強化の度合いが急激なだけに喫緊の課題となっている。

ガソリンエンジンの例。排気マニフォールドをシリンダーヘッドに内包することで熱損失を低減、排ガス温度を可能な限り落とさずに直後の三元触媒に流入させる。始動直後の触媒活性化を早めるための方策である。

4気筒における排気干渉を抑え、性能を追求するには1/4番気筒と2/3番気筒の排気管を独立させたい。しかしそうすると配管のボリュームは大きくなり、触媒までの距離も長くなってしまう。

ディーゼルエンジンの例。エンジン近傍にプライマリー(第一の)触媒を置き、排気温度の高いうちに酸化を行なう。その先でセカンダリー(第二の)触媒に足りない部分を補ってもらうという二段構えの後処理方法が増えている。PM除去のためのDPFは、排気が壁を通るときに捕集するウォールフロー型、金属の微細なネットの表面に付着させるフロースルー型などがある。金属製は耐熱性に優れ、熔損へのマージンが高いという特徴がある。

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