藤島知子さんは、予算300万円までならスズキ・ジムニー、予算600万円までならメルセデス・ベンツGLB、そして予選無制限ならランドローバー・ディフェンダー 110をおすすめSUVとしてセレクト。特にスズキ・ジムニーは、群雄割拠のSUVの中でもひときわ潔いクルマづくりが魅力だ。
TEXT●藤島知子（FUJISHIMA Tomoko）
一般的には、「SUV」の呼び名はもはやクルマの形を示すようになって来たが、そのキャラクターは多彩だ。大きく分ければ、道なき道を行くクロカン系四駆のモデルもあれば、アスファルトで乗用車的な快適性や走る愉しさを与えるものも、小回りが効くコンパクトカーから、存在感満点のフルサイズのモデルも存在する。
予算300万円までなら「スズキ・ジムニー」
300万円以下で選んだのは「スズキ・ジムニー」。価格的にも軽自動車やコンパクトな車種が多い価格帯といえるが、その中でもひときわ潔いクルマ作りが行われたのが現行型のジムニーだ。
四角いボディの形は車両感覚を掴みやすく、武骨なイメージを与えるものだし、何より、「ジムニーでなければ行けない道がある」と世界のファンに言わしめてきたモデルだけに、本格的な悪路を走破できるラダーフレーム構造、リジッド式サスペンションを採用。内装は小綺麗なアイテムを奢るのではなく、防汚加工が施された荷室は、好奇心の赴くままに、大胆に使い倒すことができるあたりもいい。
予算600万円までなら「メルセデス・ベンツGLB」
600万円以下のクラスで選んだのは、メルセデス・ベンツの新種のコンパクトSUV「GLB」だ。
GLAの2代目がフルモデルチェンジしたのと同時に登場したのが、3列シートで7人乗りのGLB。ファミリーでも使われることを想定しているキャラとあって、乗り心地はマイルド。それでいて、往年のメルセデスを思わせるゆったりとした身のこなしでありながら、抜群の操縦安定性を披露し、クルマと対話しながら走る悦びに目覚めさせてくれる。
予算が無制限なら「ランドローバー・ディフェンダー 110」
予算無制限の一台には、長いモデルライフを経て、フルモデルチェンジした「ディフェンダー（110）」を選んだ。
言わずと知れたランドローバーのオフロード性を示すモデルだが、骨格部はラダーフレーム構造から、モノコック化されたものの、実際にハンドルを握るとその走りに一切の妥協はない。背が高い大柄なボディに2tを超える巨体は、フレーム時代の3倍ものねじれ剛性を実現したことで、抜群の乗り心地とオンザレールの走りを高次元で両立してみせる。
もちろん、ランドローバーの一員として、悪路走破性に一切の妥協はなく、水深900mmまで浸かって走れる渡河性能も確保。タフなオフローダーをモダンに描ききったスタイルは頼もしく、レジャーを存分に楽しむギア的なアイテムも豊富。スケールが大きい大人の冒険心をくすぐって止まない。
『予算別おすすめSUV・3選』は毎日更新です！
ますます人気が盛り上がっているカテゴリー、SUV。自動車メーカーも開発に力を入れており、ラインアップが充実しているのはうれしいのだが、どれを選べばいいのか迷ってしまいがち。
そんな迷えるSUVオーナー予備軍のために、「予算300万円まで」「予算600万円まで」「予算無制限」といった具合に予算別のベストSUVを紹介。毎日、自動車評論家・業界関係者に3台選んでいただくので、明日の更新もお楽しみに。
※今回の企画では、最も安いグレードの価格が300万円以下のSUVは「予算300万円まで」、同じく最廉価グレードが600万円以下なら「予算600万円まで」に分類しています。
