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内燃機関超基礎講座 | ノッキングとプレイグニッションの違い ともにエンジンに大ダメージ


ノッキングがエンジンに対して大ダメージを与えるのは古くから知られるとおり。それに加えて近年の過給エンジンでは「プレイグニッション」なる現象が起き、これまたエンジンの破壊につながるという。両者の発生のメカニズムを考察する。

ノッキング——エンジン破壊をもたらす難敵

(ILLUST:熊谷敏直)

 ノッキングという言葉じたいはコンコンと叩くことを意味するが、ここではエンジンのシリンダー内で打撃音や振動が生じることを指す。




 ガソリンエンジンはシリンダー内で混合気に点火し、燃焼させることで運動エネルギーを得ているが、どうしても均等には燃え広がらず、ムラが生じてしまう。そして、その際に正常な燃焼が完了する前に一部の未燃混合気の圧力と温度が上がり、限界点を超えると自己着火して爆発的に燃焼してしまう。そこで発生した衝撃波はシリンダー内側の壁に当たって反射し、キンキンともカンカンとも表現される異音を伴いながらシリンダーやピストン、コンロッドにダメージを及ぼす。




 ノッキングを防ぐには、圧縮比を下げる、点火時期を遅らせる、効率的に冷却する、ガソリンのオクタン価を引き上げるといった方策が挙げられる。

プレイグニッション——暴走すれば大惨事に

(ILLUST:熊谷敏直)

 燃焼室内のスパークプラグや排気バルブなどが高温になり、そこが着火源となってプラグ点火の前に着火してしまい、火炎伝播が始まる現象。点火時期を早めたのと同じことになり、ノッキングの引き金となる。そのノッキングによって燃焼室がさらに高温になり連続してプレイグニッションが起こり、強烈なノッキングに至ることもある。そんな悪循環を暴走プレイグニッションという。

低速プレイグニッション——実態はナゾに包まれたまま

(ILLUST:熊谷敏直)

 近年の過給ダウンサイジングエンジンにおいて低回転高負荷時に発生するもので、シリンダー内に飛び込んだオイル飛沫の自着火や燃焼室から剥がれたデポジットが着火源となってプラグ点火前に着火してしまう現象のこと。着火源となるものが燃え切ってしまえば収まるため、暴走プレイグニッションとはならない。水温が低いほうが起きやすいなどの特異な現象があり、世界中で原因究明中であるが、原因が諸説あって特定されていない。

ノックセンサー——微細な異常をすぐさま検知

 シリンダーブロックに装着され、エンジンのノック振動を監視する装置。ノッキングが発生するとこの装置が検知し、速やかに点火時期をリタードする。


 直列4気筒の場合はひとつで対応できるが、V型や水平対向などにはふたつ装着されることが多い。市販車に一般的に採用されるようになったのは1980年頃からで、高額なパーツだったために一部の過給機付きエンジンから採用され始めた。

ディーゼルノック——ガソリンほど深刻ではない

 ディーゼルエンジンにおいて、アイドリング時などにカランカランという音や振動が発生する現象。シリンダー内の温度が低かったり、燃料そのものの着火性が悪い場合に起こり、噴霧燃料の着火が遅れるとその間に形成された混合気が一気に自着火燃焼して温度と圧力が急激に上昇する。


 現象としてはガソリンのノッキングと同じだが、発生する過程が異なっている。また、引き起こされる被害も大きく異なり、負荷の低いところで発生するため、エンジンにはそれほどダメージが残らない。

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