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今後18カ月で12モデルを投入する日産。12モデルとは? アリア、キックス登場、フェアレディZがモデルチェンジ、ではGT-Rは?


日産自動車は「2019年度決算/事業構造改革計画」(NISSAN NEXT)を発表した。そのなかで、業績回復ためのさまざまな方策について言及された。ここでは、ニューモデルについて考えてみよう。

 業績悪化に苦しむ日産自動車。その要因は、端的に言って「魅力的なニューモデルを正しいタイミングで正しい市場に投入できなかった」から。そもそもニューモデルがなかなか出てこなかったのが最大の原因だ。


 今回の事業構造計画発表「NISSAN NEXT」の会見で、内田誠社長兼CEOは、「失敗を認め、正しい軌道に修正し、構造改革を一切の妥協なく断行する」と述べた。インドネシア工場を閉鎖し、スペイン・バルセロナ工場閉鎖に向けた協議と準備をスタートするなど、生産能力も720万台から540万台体制へとスリムアップする。また、2023年度までに車種数を20%削減し、69車種から55車種にするとした。


 また、日産のコアマーケットは「日本・中国・北米」とし、アライアンスを組む、ルノー(欧州・ロシア・北アフリカ・南米)、三菱(東南アジア・オセアニア)と担当分けを鮮明にした。

 もっとも注目すべきは、「今後18カ月の間に12の新型車を投入する」と発表したことだ。




◎まずは、6月中旬に北米で「ローグ」をモデルチェンジする。


◎続いて日本でキックスをデビューさせる。


◎7月にはEVのクロスオーバーであるアリアをデビューさせる。アリアは、日本・欧州・北米・中国で発売するグローバルモデルとなる。


 これで、ローグ、キックス、アリアの3モデルだ。あと9モデルはなにか?

 発表会の冒頭で流れた動画では、AtoZとして、12台のシルエットが流れた。そして、エンディングでは、車名がフラッシュのごとく数秒間流された。


ARIA(アリア)


ARMADA(アルマーダ:北米向け、フルサイズSUV)


FRONTIER(フロンティア:北米向け、ミッドサイズピックアップトラック)


KICKS(キックス)


NAVARA(ナヴァーラ:新興国向け主体、タイ生産のミッドサイズピックアップトラック)


NOTE(ノート)


PATHFINDER(パスファインダー:北米向け、フロンティアベースのミッドサイズSUV)


QASHQAI(キャシュカイ:主に欧州向け、コンパクトSUV)


ROGUE(ローグ:北米向け、ミッドサイズSUV)


TERRA(テラ:新興国向け、ナバラベースのミッドサイズSUV)


X-TRAIL(エクストレイル:北米ローグ兄弟車)


Z


 の12モデルである。


 ところがこの動画の冒頭部ではAから

A=ARIA
A=ARMADA


F=FRONTIER
K=KICKS


M=?
N=NAVARA


N=NOTE
P=PATHFINDER


Q=QASHQAI(?)
R=ROGUE


T=TERRA
Z=Z(フェアレディZ)


 となっている。X-TRAILの代わりに入っているのは「M」だ。日産でMといえば、「MURANO(ムラーノ)」ということになる。あるいは、MARCH(マーチ)だ。どちらも現行モデルがデビューして久しい。シルエットを見る限り、サイズはコンパクトだ(下のノートより小さい)。まったく何の情報もないが、M=MARCHかもしれない。その場合は、アライアンスを組むルノーのベストセラーコンパクト、クリオ(日本名ルーテシア)の日産版となるわけだが、比べてみるとシルエットはだいぶ違う。果たして……。

7月デビューのARIA(アリア)クロスオーバーEVだ。

軽のEV、IMk

 内田社長は


「2023年度末までには新たに電気自動車2車種とe-POWER搭載車両4車種を追加しラインアップを拡充します。その結果、当社の販売の電動化率は60%に達する見込みです」


 とコメントしている。電気自動車2車種は、「アリア」と軽EVの「IMk」だろう。上の12台にIMkのシルエットがなかったということは、2021年中にIMkはデビューしないということを意味しているのだろうか。


EV:ARIAとIMk


E-POWER:キックス、ノート、セレナ、そして新車で登場するエクストレイルにe-POWERが載るのだろう。

 北米では


「今年は新型ローグを皮切りに、いよいよ新車攻勢が始まります。新型パスファインダー、新型QX60、新型フロンティアをはじめ、SUVとピックアップトラックについても、商品力を強化していきます」という。また「当社は今後18か月の間に少なくとも12の新型車を投入する予定です。そのなかには、プレミアムブランドのインフィニティモデルも含まれています」


 ということだから、Qは、QASHQAI(キャシュカイ)ではなく、インフィニティ「QX60後継モデル」ということだろう。プレゼンテーションのスライドには「QX55」と書かれていた。

 整理するとこうなる( )内は現行モデルのデビュー年だ。


A=ARIA(完全新規)


A=ARMADA(2010年:ARMADAとしては2016年だが、ベースとなったPATROLは2010年)


F=FRONTIER=NAVARA(2005年)この2台は兄弟車の関係


K=KICKS(2016年 北米デビューは2018年)


M=MURANO(2014年)あるいはMARCH(2010年)


N=NOTE(2012年)


P=PATHFINDER(2012年)


Q=インフィニティQX55(QX60は2012年)QX60の後継がQX55?


R=ROGUE=QASHQAI=X-TRAIL(2013年)


T=TERRA(現行モデルは2018年)


Z=Z(2008年)

日産キックス(KICKS)

 どのモデルも古い! 「18カ月で12モデル」という説明の12モデルがすべて新車というわけではないだろう。キックスは、すでに海外でデビューしたもののビッグマイナーチェンジ(we-POWERを搭載)が日本国内デビューをしたわけだし、TERRAは、タイで生産されているミッドサイズSUVで現行モデルは2018年登場だから比較的新しいモデルだ。ベースとなるプラットフォームは現行アルマーダと同じだから、刷新される可能性も否定はできないが……。国内向けSUVラインアップが薄い日産(キックスとエクストレイルしかない)だから、TERRAを国内に投入するという可能性もゼロではないだろうが……。

日産の国内モデルは? GT-Rは?

 日産の問題は、多くのモデルが登場からかなり長い時間が経っていることだ。要するに古いのだ。


 現行の主なモデルを登場順に並べてみよう。


GT-R(2007年)


☆日産フェアレディZ(2008年)


フーガ(2009年)


マーチ(2010年)欧州では2017年にMicraの5代目としてデビューしている。


エルグランド(2010年)3代目


シーマ(2012年5代目)


☆エクストレイル(2013年)


シルフィ(2013年 B17型)中国では2019年に4代目(B18型)がすでに出ている。


▲日産ティアナ(2013年)2019年末で生産終了。


スカイライン(2014年)


セレナ(2016年)


☆リーフ(2017年2代目)


☆デイズ(2019年)


☆ルークス(2020年)




 ☆印をつけたモデルは、今回の発表で18カ月以内にモデルチェンジが行なわれるものと、「2021年時点で「車齢4年以内」のモデルだ。今回の発表で、車齢の若返りに言及があった。ここでいう「車齢」の定義がわからないが、モデルチェンジを待っているクルマが多数あることがわかる。フーガ、シーマ、スカイライン(もしかしたら2019年にモデルチェンジしている、という認識なのかもしれないが)は、好調とはいえない「インフィニティ」ブランドの将来に関係しているから、今後のモデルチェンジはなかなか見通せない。FR系を商品ラインアップに持たないアライアンス先(ルノーと三菱)とは切り離して考える必要があるということは、アライアンスによるメリットもないということ。

果たして次期R36GT-Rは?

日産のDNAのなかに「GT-R」もある。果たして……

 では、GT-Rは?


 今回の発表では言及がなかった。デビューが2007年で2021年中までのモデルチェンジがないということは、このままフェードアウトという可能性が高い。いまの日産に「Z」と「GT-R」を短期間のうちにモデルチェンジさせる力は残念ながらないだろう。どちらがビジネスとして重要か、といえば、やはり「Z」だ。


 今回の「NISSAN NEXT」は2023年まで4カ年の中期計画だ。2023年まで現行R35GT-Rが継続する可能性は残念ながら低いが、この4カ年計画が大成功すれば、その先にR36GT-Rが登場する可能性はゼロではない。が、そのためには現在、かなりの段階までR36GT-Rの開発が進んでいなければならない。




 日産がかつての輝きを取り戻すには、数多くのハードルが待ち受けている。まずは18カ月の間に投入されるニューモデルに注目だ。



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