ホンダ新型フィットが好調だ。初期受注は3万1000台を超えたと発表されている。ボディタイプ、パワートレーン、駆動方式、そしてグレード、選び甲斐がある新型フィット、買うならどれか? 試乗を通して考えてみた。

まずはCROSSTARか、それ以外か?

どのグレードを選んでも、この気持ち良い視界は手に入る

 すでにご存知のとおり、新型フィットには2種類のボディタイプがある。ノーマル(BASIC/HOME/LUXE)とSUVテイストを加えたクロスターである。クロスターは、専用の前後バンパーやグリル、クラッディング(ホイールアーチに装着されているブラックの部分)がついて、全長が95mm、全幅が30mm拡大されている。タイヤも外径が一回り大きい185/60R16サイズとなり、最低地上高もFF車で25mm高い160mmとなっている。

 どちらを選ぶか? どちらを選んでも、極細Aピラーによる、気持ちのよい視界が手に入る。この視界は、新型フィットの最大の魅力だと最初に言っておきたい。

FIT NESS 全長×全幅×全高:3995×1695×1515mm ホイールベース:2530mm 

CROSSTAR 全長×全幅×全高:4090×1725×1545mm ホイールベース:2530mm

HOME

全長×全幅×全高:3995×1695×1515mm ホイールベース:2530mm 

CROSSTAR

全長×全幅×全高:4090×1725×1545mm ホイールベース:2530mm

e:HEV CROSSTAR

e:HEV CROSSTAR

 ルーフレールもついたクロスターは、やはり華やかでカッコいい。アウトドア趣味もなくラフロードを走ることもない人でも、なんとなく「活動的」に見せてくれるし、力強い印象もある。荷物もたくさん積めそうだ(もちろん、トランク容量は変わらないが)。

 では、どちらを選ぶか(繰り返すがあくまでも個人的なチョイスとして、である)。パッケージングこそがコンパクトカー開発のキモだと考えると、同じユーティリティ、居住性ならボディサイズは小さい方がいい。全長4090mm、全幅1725mmだって充分にコンパクトだが、ノーマルボディには敵わない。

 力強いルックスを演出するのに一役買っている全高の高さは、20mmのスペーサーを噛ませることで成立している。ノーマルボディで最適化されたシャシーに20mmとはいえ、スペーサーを噛ませて同じシャシー性能を発揮させるのは至難の技だ。フィット・クロスターに限らず、スペーサーを使うクロスオーバーは、シャシー性能ではノーマルボディに一歩譲るというのが個人的な見解だ。もちろん、視界の良さ、乗降性の改善といったメリットもあるので、「ちょっと背高」が悪いわけではない。

 フィットに関してだと、同じパワートレーン(e:HEV)同士の比較で、段差の乗り越え、石畳路でのNVといった面で、クロスターはノーマルボディにちょっと負けていた。



 ということで、ボディはノーマルを選ぶ。(ちなみに、同じ最小回転半径はノーマル(HOME)が4.9m、クロスターが5.0m)

FIT HOME

パワートレーンは、e:HEVかコンベの1.3ℓか?

1.3ℓ エンジン形式:直列4気筒DOHC 排気量:1317cc ボア×ストローク:73.0×78.7mm 圧縮比:13.5 最高出力:72kW(98ps)/6000rpm 最大トルク:118Nm(12.0kgm)/5000rpm WLTC総合モード燃費:20.2km/ℓ

 ボディはノーマルに決めたから、次はパワートレーンだ。

1.3ℓ直4DOHCエンジンのパワースペックは98ps/127Nm。1090kgの車重(HOME FF)に対して余裕綽綽とは言えないけれど、必要充分ではある。ただし、最高出力は6000rpm、最大トルクは5000rpmで発生する。つまり、もっと低い回転域ではパワーもトルクも細い。もちろんモーターアシストはないから出足は遅い。トランスミッションはCVT。フル加速したら、やはり車速より先にエンジン回転数が上がっていくフィールは残っている(最近のCVTは相当改善されているし、新型フィットのCVTもまったく悪くないが)。

エンジン形式:直列4気筒DOHC 排気量:1496cc ボア×ストローク:73.0×89.4mm 圧縮比:13.5 エンジン最高出力:72kW(98ps)/5600-6400rpm エンジン最大トルク:127Nm(13.0kgm)/4500-5000rpm モーター最高出力:80kW(109ps)/3500-8000rpm モーター最大トルク:253Nm(25.8kgm)/0-3000rpm WLTC総合モード燃費:27.4km/ℓ

 対するe:HEVは、1.5ℓ直4DOHCに109ps/253Nmのモーターを使うi-MMD(今回からe:HEVと呼称する)がつく。アコードやインサイトが使うi-MMDをフィットのコンパクトなエンジンルームに入るサイズにした技術陣の努力に見合う結果を運転してすぐに感じることができる。とにかく静かで上質。モーター駆動(高速走行時はエンジン直結)の気持ちよさがいい。モーター駆動といっても、ノートe-POWERのような「EVチック」な感じがないのも、個人的には好みだ。アクセルだけで車速をコントロールできるワンペダル制御にはなっていないが、「Bモード(回生ブレーキが強い)」にしておくと、停止はできないが、かなりアクセルペダルだけでスピードコントロールができる。



 とはいえ、新型ホンダ・フィットではそのハイブリッド(e:HEV)の価格は

eHEV BASIC FF(199万7600円)

BASIC FF(155万7600円)

 で、価格差は44万円。これはCROSSTARも同じだ。メイングレードとなるHOMEではハイブリッド代は34万9800円である。

 かなりの価格差がある。燃費は、

e:HEV HOME(FF): WLTCモード 28.8km/ℓ

HOME(FF): WLTCモード 20.2km/ℓ

 価格差でハイブリッド代をカバーするのは、事実上不可能だし、そもそもどちらも非常に燃費がいい。通常の生活(800km/月程度)だったら、月に1度の給油(燃料タンクはどちらも40ℓ)で充分だろう。



 ここは、ご予算次第ということだが、これも個人的なチョイスではe:HEVを選ぶ、e:HEVの上質さには、価格差なりの価値があると思う。



 ちなみに

1.3ℓ:前軸軸重700kg

e:HEV 前軸軸重 770kg

 だから、e:HEVは70kg重いことになる。



次は、BASICかHOMEかNESSかLUXEか?

FIT HOME

 次は、ノーマルボディのなかのグレード選びだ。今回のフィットのグレード構成は「上下関係」ではないという。中心にHOMEがあり、スポーティな「NESS」、ラグジュアリーな「LUXE」、ベーシックな「BASIC」となるわけだが、価格は気にせず、ここはHOMEを選びたい。理由は、シート地だ。新型フィットのシートは、非常に良い。新構造を採ったフロントシートもクッション厚を増したリヤシートも、ライバルに対して大きなアドバンテージがある。座り心地はクラストップ級であるのは間違いない。

 シート地は

HOME:コンビシート(プライムスムース×ナチュラルテキスタイル)

NESS とCROSSTAR:撥水ファブリック

BASIC:ファブリック

LUXE:本革

 となっている。常々、本革よりもファブリックの方がいい、だと思っている。もちろん、高級車では違うこともある(ただし、本当の高級車、800万円超級くらいから)。

 フィットのシートでもっともいいのは、HOMEのコンビシートだと思う。

シャイニンググレー・メタリック&ブラックの2トーン

NESSのシートはCROSSTARと同じく撥水ファブリック

HOMEのシート

 ということで、個人的なチョイスでは、

e:HEV HOME FF 車両価格206万8000円

 ということになった。4WDは約20万円高となるのだが、東京暮らしで冬場にウィンタースポーツへ出かけることもほぼないので、ここはFFを選択する。

プレミアムサンライトホワイト・パールのボディカラーがいい

 あとはカラーリング。これは・・・・・

プレミアムサンライトホワイト・パールがいいかな。それとも、エアーライトブルー・メタリックかな。あるいは、シャイニンググレー・メタリック&ブラックの2トーンかな。

エアーライトブルー・メタリック

情報提供元:MotorFan
記事名:「 ホンダ新型フィット 選ぶべきはe:HEV?CROSSTAR(クロスター)? HOME? NESS? パーソナルチョイスの思考回路