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リアルスポーツカーだが、実用性も一線級


走りがバージョンアップされ、さらなる戦闘力を高めた「R.S.トロフィー」。しかし、ここで声を大にして強調しておきたいのが、驚異的な走行性能とあわせて実用性や快適性も高い水準を保っているということ。


室内は居住性に優れ、後席は広い。そんな二面性を持つスポーツカーの使い勝手をみていこう。




TEXT : 工藤貴宏 (KUDO Takahiro)


ASSISTANT : 海野ユキ (UMINO Yuki)


PHOTO : 花村英典 (HANAMURA Hidenori)




※本稿は2020年1月発売の「ルノー・メガーヌR.S.トロフィーのすべて」に掲載されたものを転載したものです。

取材車のプロフィール:メガーヌ ルノー・スポール トロフィーEDC ボディカラー:ジョン シリウスM

〈アルカンタラをコーデ〉センターマーキングが象徴的なR.S.のステアリングホイール。トロフィーは上下をアルカンタラ張りとし、競技車両テイストを盛り上げる。
〈待望のMTも設定〉現行モデルの「メガーヌR.S.」にはこれまで設定のなかったMTだが、ついにトロフィーには用意された。MTを選ぶとパーキングブレーキがレバー式 なる。


〈レカロシートを採用〉「トロフィー」のシートは、標準仕様よりもスパルタンなデザインのRECARO製。軽量かつ強靭なホールド性が魅力だ。表皮はアルカンタラ。

〈COCKPIT〉よりスポーティ色を強めたトロフィー専用コーディネート

運転席まわりの意匠は基本的に「メガーヌGT」と同じだが、助手席前のカーボン調ガーニッシュとあわせレッドを挿し色とした「R.S.」専用のコーディネートにトロフィー専用のステアリングホイールをセット。とびきりのスポーツカーオーラが漂う。

インパネはオーソドックスなT字型レイアウト。7インチのタッチパネルディスプレイをインストールしたフラットなセンターパネルが特徴的だ。

非接触キーを標準搭載するので、スターターはプッシュボタン式。場所はメーターパネルの左下だから、左指で操作することになる。
剛性感も高い大型のパドルシフトがステアリングコラムから生える。ストロークが長めに設計されていて、操る歓びを感じさせる操作感がうれしい。


左側のステアリングスイッチはクルーズコントロール/可変速度リミッター操作用。「O」はクルコン解除、「R」は元の速度への復帰スイッチだ。
右側のステアリングスイッチはメーター内のインフォメーション切り替えとハンズフリーの受話/終話、そして音声操作(日本語対応)などが可能。


足元もレーシーな雰囲気。ペダルやフットレストはアルミで覆われていて、アクセルとフットレストは打ち抜き、ブレーキはラバーの滑り止めが施されている。
ハンドルを握ったまま指を伸ばすだけでオーディオをコントロールできる、ルノー独自のオーディオサテラ イトスイッチも便利だ。


頭上にはシートベルトリマインダーやルームランプを組み込む。



メーターは7インチのフルカラーTFT液晶を用い、走行モードによりグラフィックが変わるのが特徴だ。もっとも独自色が強いのは「Raceモード」時の表示(右)。タコメーター(最上部のバー)には数字が記載されず、左右から中央へ向かって伸びるバーグラフで感覚的にエンジン回転を把握するレーシングカーイメージだ。液晶の右には燃料、左は水温のアナログメーターを配置。「Sportモード」(左)はタコメーターをメインとし、中央デジタル速度計を組み込んだデザイン。



「Comfortモード」(左)は外周が速度計となり、タコメーターは表示されない。右上は燃費計だ。「Neutralモード」(右)は基本レイアウトを「Sportモード」と同じとしつつ、色使いがシンプル。色調も変更できる。

センターパネルの最下段には3つのスイッチが並び、もっとも大きいのは「R.S.ドライブ」の切り替えスイッチ。ほかはアイドリングストップ解除とパーキングアシストの起動ボタンだ。シャシー・スポールのモデルとは異なり、シートヒーターは設定がない。

パーキングブレーキは電動式で、シフトレバー後方にスイッチがある。その後方 にあるのはクルーズコントロール/速度リミッターのメインスイッチ。前方は走行モードを切り替えるスイッチだ。

EDCと呼ぶトランスミッションの操作方法は、一般的なAT車と同様。シフトポジションはシンプルで、前進は「D」のみ。そこから左へ倒すと、自動変速がおこなわれないマニュアルモードとなる。その際はパドルを使って自分の手でシフトアップ/ダウンをおこなう。

〈INFOTAINMENT&AC〉カーナビはスマホ接続で利用する

センターパネルは最上部に7インチのタッチパネルディスプレイをインストールし、その下に画面の機能呼び出しとオーディオのオン/オフ&ボリュームスイッチを配置。さらに下には空調コントローラーを組み込んでいる。スイッチを目的別にシンプルに並べたデザインは操作性良好。空調は0.5℃刻みの左右独立温度設定式で、大型の調整ダイヤルは運転しながらでも操作しやすい。

ドアトリムやセンターコンソール脇にはLEDの間接照明を組み込み、アンビエントライトで夜のドライブを演出。色はブルーだけでなくイエロー、レッド、パープル、グリーンと走行モードにより変化するほか任意に切り替えもできる。もっともR.S.らしいのはやはりレッドだろう。



走行モードは、センターコンソールにある「R.S. DRIVE」のスイッチを押すことで「Sport」と「Neutral」が切り替わる。そこから先は「R.S. DRIVE」のスイッチ、もしくはパーキングブレーキスイッチ脇にあるボタンやパネルのメニューから画面表示を「マルチセンス」に切り替えて操作。「Comfort」「Neutral」「Race」「Sport」の4パターンに加え、自分で組み立てられる「Perso」も用意する。

インフォテイメントシステムに車載カーナビは組み込まれないが、スマホを接続してスマホアプリのナビを利用できる。もちろん操作は車両側から可能。

ドライビングアシストやオンボードコンピューターなど、多彩な機能が統合されている。「Multi-Sense」とは走行モードや車内の環境をカスタマイズする機能。

走行距離や平均速度、平均燃費などドライブ情報を表示。燃費表示は「平均燃料消費」として100㎞走行あたりの消費燃料を示す欧州式だ。

自動ブレーキなど先進安全機能も組み込まれ、それらの設定も「R-Link2」と呼ぶこのシステムでおこなう。写真は車線逸脱警告や車間距離警告の設定だ。

オーディオはラジオのほかBluetoothオーディオやUSBオーディオに対応するが、昨今のトレンドに従いCDプレーヤーは非搭載だ。

時計を大きく表示することもできる。また夜の運転中でわずらわしい時などは、画面を完全に消すこともワンタッチで可能。

走行モードは5タイプから選択できる。センターコンソールのスイッチでも一部は切り替えできるが、すべてを切り替えるにはタッチパネルを使う。

リヤカメラも標準装備。ハンドル操作に連動して左右に動く進路予測線が入るほか、フロント/サイド/リヤとクルマ全周囲をフォローするパーキングセンサーも表示。

センターコンソール最後部には、後席へエアコンの風を送る吹き出し口が用意されている。ここに吹き出し口があることで、後席の快適性は大幅向上。ダイヤルで風量を調整可能だ。
カーナビとスマホの接続はUSBケーブル(&Bluetooth)を通じて行うが、そのUSBスロットはセンターコンソール最前部に用意。もちろん充電にも利用できる。AUX入力端子も装備。


〈SEAT&COMFORTABLE〉強靭なドライバー席と快適なリヤシート

メガーヌR.S.は、本格スポーツカーであると同時に実用的なハッチバックでもある。特筆すべきポイントは前席と後席でまったく方向性が異なること。身体を強靭に包むバケットシートを組み合わせる前席に対し、後席はゆったりくつろげる空間なのだ。

低めの着座位置であると同時に、強靭なバケットシートに包まれる感覚を実感。頭上にはヘルメットを被っても問題ないクリアランスが確保されている。

ついに現行メガーヌR.S.にもレカロシートが組み合わされることになった。背もたれはモノコック構造で見るからにレーシーかつ強靭なホールド性を備えるが、座面は標準シートをベースにしていてサイドサポートは控えめだ。いずれにせよ、サーキットの全開アタックにも対応するのは言うまでもない。表皮はアルカンタラ。

センターコンソールボックスのリッドは前後に65㎜スライドし、ア ームレストとして使える。ここもアルカンタラ張り。
シートは左右席の人が座る部分を抉ったバケット状で、座ると表面はやわらかいが沈み込みは少ない。中央席シートベルトの巻取り部は背もたれに内蔵されている。


FF量販車世界最速を争う速さが自慢のクルマだが、リヤシートはそれを感じさせない実用性だ。Cセグメントハッチバックだけあって十分な居住性を備え、足元スペースも不足はない。

シート調整はすべて手動式。シャシー・スポールのR.S.とは異なり、リクライニング調整はダイヤル式だ。
フロントドアのサイドシルには「RENAULT SPORT」と刻んだアルミプレートを貼付。こういった演出が気分をアゲてくれる。


後席に埋め込まれたISO-FIXチャイルドシート取り付け金具の開口部は、カバー付きで口が広いから使いやすい。
センターアームレストにはドリンクホルダーが埋め込まれている。ロングドライブ時の後席を快適にする。


フロントドアの開口角度は大きく、大きな座面のサイドサポートもある程度つぶれるので乗降時には気にならない。ただし着座位置が低いので乗降時の姿勢変化は大きめ。
後席開口部は足元が気持ち狭い。前後席ともサイドステップの外側への張り出しは大きいので、ズボンや長いスカートの裾を汚さないように注意しよう。


〈STORAGE〉実用的な収納の数々が車内の整頓に役立つ

メガーヌは今どきのCセグメントハッチバックだけに収納スペースも充実。前席だけでなく後席にも実用的な収納スペースを備え、ロングドライブでの快適性も高い。センターコンソールの収納はシャッター式リッド付だ。

サンバイザー裏のチケットホルダーはクリップ式。パーキングチケットなどをサッと挟むのに適している。

グローブボックスはリッドの大きさの割に収納部の左右幅が狭いが、その理由は右ハンドル化に伴うヒューズボックスの都合上。とはいえ奥行きが広く、車検証&取り扱い説明書一式に加えボックスティッシュも収まるから実用性は上々。内部には2つのUSBアウトレットも備わる。

インパネ右端には、外から見えにくい小物入れを用意。クレジットカードサイズのアイテムが置ける。
センターコンソールの前方にあるトレーはスマホサイズ。USB端子が近くにあるから充電にも好都合だ。


前席のドリンクホルダーは前後にスライドするステー&可変アジャスターにより、細缶もしっかり固定できる。
クルマにはCDプレーヤーがないが、センターコンソールボックスはCDケースも収納可能なサイズ。


1ℓペットボトルも置けるフロントドアポケット。マチが広く、ボックスティッシュすらも収まる広さが自慢。
リヤドアポケットも大きめで、ペットボトルホルダーに加えて小物も収納できるスペースを用意。


〈LAGGAGE COMPARTMENT〉広い荷室もスポーツモデルとは思えぬ実用性

荷室の広さや実用性はベース車両のメガーヌと同様。後席を倒すことなく、大型スーツケースをふたつ飲み込む容量を備えている。さすがファミリーカーとしても十分に通用するCセグメントハッチバックだ。

荷室左右のトリムは欧州車にありがちなフラットな壁にするのではなく、容量を広げるために日本車のように最大限に抉っているのが特徴的だ。後席使用時の床の奥行きは760㎜。左右幅(ホイールハウス間)は1105㎜あり、床からトノボ ードまでの高さも450㎜と十分だ。

後席格納時の床の奥行きは、運転席を身長167㎝の筆者にあわせた状態で1600㎜。倒した際の床面には60㎜ほどの段差が残る。格納は左右6:4分割式。後席背もたれの上にあるレバーでロックを解除し、そのまま背もたれを前へ倒すだけで格納できる。

開いたテールゲートの車両後方への張り出しはないから、車両後部にスペースのない駐車場でも荷物の積み下ろしはしやすい。

荷室の目隠しとなるトノボードも標準装備。テールゲートを開けるのに連動して上へ跳ね上がる。
後席格納時にシートベ ルトが邪魔にならいように引っかけておくスリットも備わる。細かい部分も気が利いているのだ。


床面にフックがあるほか、壁にもコンビニ袋などを吊るせるフックを用意。荷室を照らす照明も埋め込まれている。
床下に音を響かせるボックスを搭載。その影響で床下収納空間は「GT」よりもコンパクトだ。


OTHER ITEM

〈ローンチコントロール〉加速競争やタイム計測の際に、最速の発進加速を得るために、エンジン回転数を自動でコントロールする機能を搭載。

〈キャップレス給油口〉給油口にはキャップがなく、リッドを開けるだけで給油できる構造。わずらわしさとキャップ閉め忘れがないのがメリット。

〈アプローチライト〉キーを持ってクルマに近づくだけで、クルマが反応してライトを点灯。足元を照らすとともにドライバーを迎え入れてくれる灯りだ。

〈バニティミラー〉サンバイザー裏のバニティミラーは助手席にも運転席にも用意。リッドを開くと連動して頭上のランプが点灯する。

〈ルームランプはLED〉リヤのルームランプは左右席の読書灯(スポットランプ)を左右に、光を拡散する照明を中央にレイアウト。



〈ハンズフリーカードキー〉キーは携帯するだけでアンロックやエンジン始動がおこなえる非接触式。クルマから離れると自動でロックする設定も可能だ。

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