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A45ほどのパフォーマンスではない……けれど十分に刺激的!|メルセデスAMG A35 4MATIC Edition1 試乗記


現行メルセデス・ベンツAクラスのラインナップに2019年8月に加わった「メルセデスAMG A35 4MATIC」は、「A45」ほどの超ハイパワーは不要だけれども、公道で気持ちのいいパフォーマンスを享受したい人に打ってつけの辛口ハッチバックに仕上がっていた。なお、A35 4MATICのデリバリーは同年10月から開始されている。




REPORT●塚田勝弘(TSUKADA Katsuhiro)


PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)

辛口なのに上質? AMGならではの見事な調教っぷり

 本記事で紹介するのはハッチバックのA35 4MATICだが、2019年秋に開催された「東京モーターショー2019」ではセダンにも同グレードが追加発表されている。なお、Aクラスと同様に、「MFA-2」プラットフォームを使うほかのCLAなどのコンパクトカーにも「35」が設定されている。「45」までのハイパフォーマンスは不要だけれど、公道で楽しめるパワーや走りを手に入れたい、というニーズに応える位置づけだという。




 今回試乗したのは、発表記念特別仕様車の「A35 4MATIC Edition 1」で、600台の限定モデルだ。2019年12月24日時点ではまだホームページに掲載されているため、在庫はあるだろう。「A45」よりもマイルドとはいえ、決して甘口ではなく、「M260」型の2.0L直列4気筒ツインスクロールターボがもたらす加速は強烈そのものだ。最高出力306ps/5800〜6100rpm、最大トルク400Nm/3000〜4000rpmというアウトプットにより、1570kgというボディを軽々と加速させていく。公道で気持ちのいいドライビングに焦点を当てた、というコンセプトを掲げるが、ドライビングモードを「スポーツ」以上にすると、狭いワインディングロードでは完全に持て余すほど。十分に速くて物足りなさなど感じるヒマもない。

 組み合わされる電子制御式7速DCTは、「コンフォート」モードにすればスムーズな変速マナーを見せ、「スポーツ」以上でダイレクト感のあるシフトダウン、アップで魅了してくれる。発進時など極低速域でも扱いにくさはほとんどなく、低速域での取り回しでもスマートに扱えるはずだ。




 なお、走行モードは「コンフォート」、「スポーツ」、「スポーツプラス」、「スリッパリー」、「インディビジュアル」の5つ。イグニッションのオン/オフで自動的に切り替わる(戻る)デフォルトのモードは、「コンフォート」だが、快適な乗り心地と低燃費の走りに徹する同モードでも足は硬く、ハードな乗り味になっている。「スポーツ」以上にすると、減速時にブリッピングしながら、素早い立ち上がりが可能。「スポーツプラス」にすると、パワステの重さがさらに増し増し状態になり、冬でもうっすらと汗をかくほどのスポーツドライビングが楽しめる。それでも先代の「A45」のような暴れ馬ではなく、「スポーツ」モードまでであれば、公道で初めて乗っても手なずけやすい調教がされている印象だ。

 サスペンションはAMGサスペンションで、リヤサスペンションはマルチリンク化されている。ハードな乗り心地なのは間違いないものの、操縦安定性の高さを確保しながら、高いボディ剛性感により路面状態が良ければスポーツモデルとしては上質さも感じさせる仕上がり。またロードノイズの遮断も743万円(Edition 1)にふさわしいレベルといえそう。フロントブレーキは、AMGロゴ入りブレーキキャリパーが装着されていて、ピーキーさはなくコントロールしやすい。

 車名からも分かるように駆動方式は、トルク可変配分4WDで多板クラッチを使う「AMG 4MATIC」。前後駆動配分は「100:0」から「50:50」の範囲で可変する。メルセデスのESPは、横滑りはもちろん、アンダーステアやオーバーステアを車輪の回転速度、横方向加速度、ステアリング角、ブレーキ圧、ヨーレートの5つのセンサーが感知する仕掛けになっていて、ESPがオンでは、4WDシステムは「コンフォート」に固定されている。先述したように、「コンフォート」がデフォルトになる。「ESP SPORT Handling」もしくは、「ESP OFF」にすると、「スポーツ」モードに切り替わる。もちろん、ドライビングモードでも選択可能だ。

大人4名がロングドライブを楽しめるパッケージング

 試乗車の「A35 4MATIC Edition 1」は、内・外装デザイン、装備共にかなり派手な仕上げになっている。エクステリアは、デニムブルーのボディカラーとサイドのマットテックゴールドのアクセントカラーの組み合わせが目を惹く。見た目だけでもただ者ではないという空気を発しているから、特別限定車らしい存在感の高さに魅了される人も多いだろう。足元は、ハードな乗り味をもたらす18インチAMG 5ツインスポークアルミホイールで、ホイールの一部にもマットテックゴールドが配されるなど、細部まで入念な仕立てになっている。リヤビューは、ルーフスポイラーに加えて、大型リヤディフューザー、デュアルエグゾーストパイプが迫力を与えている。




 インテリアも特別感に満ちている。専用装備でイエローステッチが入るマグマグレー/ブラックの2トーンレザー「DINAMICA」AMGパフォーマンスシートは、ホールド性の高さはもちろんのこと、電動ランバーサポート、座面前後長の調整が可能などにより、ある程度快適性も担保されている。とはいえ、ノーマルのAクラスのような乗降性ではないため、スポーツ仕様に乗る気構えは必要になりそう。

 リヤシートは背もたれが少し立ち気味で、背筋を伸ばしたような姿勢になる。さらに、座面の前後長は長いものの、お尻の位置が低く、座面の角度も水平に近い。少し膝が立ち気味になる着座姿勢だ。それでも座面下につま先が入るし、身長171cmの筆者で頭上にはこぶしひとつ半ほどの余裕がある。ハード目な乗り心地から小さな子どもがいるファミリー向きとはいえないが、大人4人がロングドライブを楽しめるパッケージはノーマル仕様同様。




 ここで紹介した「A35 4MATIC Edition 1」は、最近各社が設定しているローンチエディションの中でも派手な内・外装が与えられていて、少し躊躇する人もいるだろうけれど、カタログモデルであれば許容範囲という方も多いはずだ。「A45」ほどでなくても手に汗握るホットハッチに仕上げられている。

メルセデスAMG A35 4MATIC エディション1


全長×全幅×全高:4440×1800×1410mm


ホイールベース:2730mm


車両重量:1570kg


エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ


排気量:1991cc


ボア×ストローク:83.0×92.0mm


圧縮比:10.0


最高出力:225kw〈306ps〉/5800-6100rpm


最大トルク:400Nm/3000-4000rpm


燃料タンク容量:51L


トランスミッション:7速AT


駆動方式:F・AWD


サスペンション形式:Ⓕマクファーソンストラット Ⓡマルチリンク


ブレーキ:ⒻⓇベンチレーテッドディスク


乗車定員:5名


タイヤサイズ:235/35R19


WLTCモード燃費:12.2km/L


市街地モード燃費:9.0km/L


郊外モード燃費:12.5km/L


高速道路モード燃費:14.0km/L


車両価格:743万円
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