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〈試乗記:メルセデス・ベンツCLA〉デザイン最優先だと決めつけていたら、とんだ思い違いだった


現行Aクラス、Bクラスと同様に、新世代FF向けの「MFA2」プラットフォームを使って仕立てられたメルセデス・ベンツCLAに試乗した。CLAクーペとCLAシューティングブレークと同様ににデザインコンシャスなモデルではあるが、日本でも扱いやすいサイズと高い実用性により、代を重ねることに大型化するCクラスの受け皿としての役割も担っている。走りはいい意味で軽やかで、非常に印象的な仕上がりだった。




REPORT●塚田勝弘(TSUKADA Katsuhiro)


PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)

新型プラットフォームの実力が存分に活かされている

 今回のメルセデス・ベンツの新型モデル試乗会は、GクラスやGLE、GLCという具合にSUVが充実していて、クラスは違えども、重厚感ある走りを堪能できた。さらに、A35 4MATIC(Edition1)、GT 53 4MATIC+といったハイパフォーマンスモデルも用意されていた。




 本稿で紹介するのは、2019年8月に発表され、10月から納車が始まったばかりのCLAクーペ(CLAシューティングブレークは12月頃から)である。




 車両重量は1610kgで、私が試乗したモデルの中ではAクラスに次いで軽かった。224ps/350Nmのスペックも兄貴分たちと比べると控えめ(実際は十分にパワフル)だが、非常に心に残る仕上がりだったのだ。

 ステアリングを握ったのは、「CLA 250 4MATIC」で、全長4695×全幅1830×全高1430mmというサイズ。マンションのパレット式駐車場に多い横幅1850mm制限にも対応する。




 先に登場したAクラスは、グレードによりリヤサスペンションはマルチリンク、トーションビームを使い分けているが、基本的にはトーションビームだ。一方の、CLAは全車マルチリンクとしているだけでなく、先代からトレッドを拡大。フロントは欧州値で63mm、リヤは55mmもワイドになっている。




 さらに、スタビライザーの径を拡大することでロール剛性も引き上げられている。こうした足まわりのアップデートよりもAクラスよりもハンドリングには安定感があり、大小多様なコーナーが続く試乗ステージでも手に汗握ることなく、非常に素直な回頭性が得られるのは、「MFA2」プラットフォームの高い実力も十分に伝わってきたのだ。



 加えて、試乗車は4WDの「4MATIC」で、前後トルク配分はFF状態の「100:0」から「50:50」まで可変する。さらに、「Dynamic Select」の設定により「80:20」、「70:30」にもなるのだが、路面に濡れていたり、泥が溜まっていたりしている場所を比較的ハイスピードで通過しても安定感も高く、雪道でなくても雨の日でも「4MATIC」の存在は頼もしく感じるだろう。




 非降雪地帯で街中での仕様がメインであればFF仕様でも十分に新型CLAの良さが味わえるはず。一方で、高速巡航やワインディングなどを使ったロングドライブの機会が多く、レジャーも含めてアクティブに使いたいというのであれば4MATICを選択する手もありそうだ。

 CLA 250 4MATICが積む2.0L直列4気筒ガソリンターボは、アルミ合金ブロックに鋳鉄シリンダーライナーを備え、メルセデス自慢の「CONICSHAPE」と呼ばれるシリンダーウォールの加工が施されるなど、主力ガソリンエンジン。




 組み合わされるトランスミッションは、2.0Lのディーゼルターボの8G-DCT (8速デュアルクラッチトランスミッション)とは異なり、7G-DCTだが、走り出しの極低速域から高速域まで変速マナーはジェントルで、振動も良く抑えられている。それでいながら、変速している感覚が希薄で物足りないという感覚もなく、ダイレクト感のあるシフトチェンジの様子が伝わってきて、スポーティな走りに間違いなく貢献している。




 普通に走らせている分には、動力性能は「ちょうど良い」というフィードバックが伝わってくるが、少しアクセルを踏み込むと1610kgのボディを軽々と加速させる。ターボラグは確かに感じられるものの、224ps/5500rpm、350Nm/1800-4000rpmというエンジンスペックからも分かるように、実用域のトルク感が詰まっている感じがするから非常に頼もしい。多様なシーンに遭遇する長距離移動でもドライバーにモアパワーの欲求を抱かせるシーンはほとんどないはずだ。

スタイリッシュなだけじゃない! ユーティリティ性もとても高い

 さて、CLAという4ドアクーペに対して、過剰に高い居住性や積載性を期待する人は少ないはずだが、身長171cmの筆者が運転席に収まり、ドライビングポジションを決めると、ヘッドクリアランスはこぶし2つ分の余裕がある。その後ろのリヤシートには、膝前にこぶし1つ半、頭上は手のひら2枚分という空間が残る。




 後席はシート自体は大きいものの、ルーフが近くに感じるのと、床から座面までの高さが低めに設計されていて、包まれ感が高くなっている。それでも、開放感はもちろん期待できないが、大人4人が無理なく移動できるキャビンは確保されている。より低い位置に押し込められている感が強かった先代よりも頭上空間、肩まわりともに広くなっているのは朗報だろう。




 さらに、後席はメルセデス・ベンツお馴染みの「40:20:40」の分割可倒式で、トランクの拡大にも対応する。トランクスルー時でも、荷室高に限りがあるため、嵩のある大きな荷物には向かないが、長尺物の出し入れには十分に対応しそう。通常時でも460Lという荷室容量は4ドアクーペの割にかなり広く、開口部も先代よりもワイドになっていて、積載性も確実に高まっている。より荷物を積みたいのであれば、505-1370Lという荷室容量を誇るシューティングブレークという選択肢もあるのがうれしいところ。



 冒頭で述べたように、歴代のCクラスに乗ってきた人の中には、駐車場事情などによりほかのメルセデスを探しているケースもあるかもしれない。CLAクーペは、4ドアクーペというスタイリッシュなフォルムが目を惹くが、ボディサイズもキャビンもトランクも十分実用的といえる仕上がりで、こうした受け皿になる実力を備えている。

メルセデス・ベンツ CLA 4MATIC


全長×全幅×全高:4690×1830×1430mm


ホイールベース:2730mm


車両重量:1560kg


エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ


排気量:1991cc


ボア×ストローク:83.0×92.0mm


圧縮比:10.5


最高出力:165kw〈224ps〉/5500rpm


最大トルク:350Nm/1800-4000rpm


燃料タンク容量:51L


トランスミッション:7速AT


駆動方式:F・AWD


乗車定員:5名


タイヤサイズ:225/45R18


WLTCモード燃費:12.8km/L


市街地モード燃費:9.1km/L


郊外モード燃費:12.8km/L


高速道路モード燃費:15.5km/L


車両価格:534万円
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