現世代の車両の電子アーキテクチャは重要な変革期を迎えている。現在車両に多数搭載されている個別の制御ユニットは、少数の高性能コンピューターに置き換えられ、将来的にはこれらが車両の機能ドメインにコンピューティング能力を提供するようになる。テクノロジーカンパニーのコンチネンタルが開発したこのサーバーは、現在フォルクスワーゲンで車載アプリケーションサーバー(ICAS1)として生産が開始されることになっている。欧州最大の自動車メーカーであるフォルクスワーゲンは、自社が開発したモジュラー・エレクトリック・ドライブ・マトリックス(MEB)をベースにした次世代電気自動車ID.にICAS1技術を使用している。

コンチネンタルの車載サーバーをVWの電気自動車ID.に接続する。

 革新的なICAS1のコンセプトは多くのメリットを生み出す。たとえば、新機能や安全に関する最新情報を無線接続で車両にインストールする機能など、多岐にわたる車両接続機能が提供される。このサーバーは、コンチネンタルの長年にわたるゲートウェイ制御ユニットの開発経験を基礎としており、現在その機能は極めて包括的なICAS1にも組み込まれている。サーバーの概念的枠組みは、コンチネンタルがエレクトロビット(Elektrobit)と共同で開発した高性能コンピュータープラットフォームである。



「私たちのサーバーコンセプトが現在フォルクスワーゲンで量産段階に入っていることは、大きな成果だ。これは、複雑な電子アーキテクチャ開発における新たな時代の幕開けを意味するだけでなく、私たちがICAS1によってデジタル転換へのマイルストーンを達成できたことに大きな意義がある」と、コンチネンタルの取締役でインテリア部門の責任者を務めるヘルムート・マッチ氏は述べる。「新しいサーバーアーキテクチャのおかげで、車両は今後さらに簡単かつ迅速に最新の状態に維持できる。そのため私たちは自動車をIoE(Internet of Everything)に欠かせない分野として、車内の高機能化と快適性の向上に貢献している」

革新的なコンセプトのICAS1は高度な接続する。

完全な電気自動車、完全なコネクテッドカーを実現する高度なコンピューティング能力

 フォルクスワーゲンの電動化攻勢のためのサーバーアーキテクチャへの転換は合理的な判断である。電気自動車はとりわけ、サーバーアーキテクチャが促進するデジタル化によって多くの恩恵を受けるからだ。これには、航続距離を最適化するルート計画や充電スタンドの位置探索といった機能も含まれる。同時にサーバーアーキテクチャは、モバイルサービスやデータなどデジタル世界へのシームレスな接続をもたらす。



「ICAS1は、従来のゲートウェイ機能に加え、車体制御ドメインの機能も総合的にカバーする。また、無線アップデートの調整やバッテリーの充電管理の制御もおこなう」



 こう説明するのは、コンチネンタルのボディ&セキュリティおよびインフォテインメント&コネクティビティの両事業部長を務めるヨハン・ヒーブル氏である。ID.のモデルや機能にもよるが、将来的には2、3台のサーバーが車両全体にコンピューティング能力を提供するようになる。コンチネンタルは開発当初から、電気自動車の長寿命化に対応するようICAS1を設計してきた。

ハードウェアとソフトウェアの分離により、サードパーティが供給するソフトウェア同様にフォルクスワーゲンのアプリケーションも統合、アップデートが可能になる。

 従来の車両システムと比べてはるかに強力なコンピューティング能力に加え、ICAS1はさらに、Adaptive AUTOSARを基にエレクトロビットが開発した基本ソフトウェアを介してハードウェアとソフトウェアの一貫した分離を実現している。これにより、フォルクスワーゲンのアプリケーションとサードパーティーのソフトウェアの統合やアップデートがいずれも可能になる。さらにこのミドルウェアは、Gigabit Automotive Ethernet経由の接続もサポートしてアプリケーションに必要なデータスループットを提供する。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 コンチネンタル:車載サーバーをVWの電気自動車「ID.」に接続