1958年(昭和33年)8月に登場以来、国内はもちろん、世界中の人々に愛され続けてきたホンダ スーパーカブ。時代によってエンジンや外観、足周りなどを進化させてきたスーパーカブは、国や時代が違えば七変化! 各国の“お国柄”や時代を感じさせる、インドやタイのスーパーカブをご紹介します♪

REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

PHOTO●4ミニ.net https://4-mini.net

撮影協力●ホンダコレクションホール

発売国:インド 車名:ストリート 1997年(平成9年)モデル

角張ったデザインが特徴のインド仕様。

インド人女性の民族衣装「サリー」の巻き込みを防ぐ“サリーガード”を装着。

 インドでは、1984年(昭和59年)に現地の「ヒーロー社」と、二輪車合弁事業を開始。カブ系エンジン搭載の「CD100」を発売.

1997年(平成9年)、アセアン諸国(東南アジア)で人気のあった「C100EX」をベースにした、写真の「ストリート」を市場に投入。インドの都市部をメインに、高い人気を獲得した。



 ストリートのリアタイヤ横(チェーンケース側)には、インド製バイクの特徴でもある“サリーガード”を装着して、丈の長いサリーの巻き込みを防止している。

当時、国内モデルには車体を支持するフォークとホイールの間にアームを介した「ボトムリンク式フロントサスペンション」が採用されていたが、パワフルな排気量100ccのアセアン仕様には、高速域、悪路、2人乗り等でも安定した走りを可能にする「正立型フロントフォーク」をいち早く導入。

過酷な条件下で使われることの多い東南アジアのモデルは、極太スイングアームを採用するなどリアの足周りも頑丈なつくり。

リアショックはメッキスプリング採用のオシャレなタイプ。

●ストリート

エンジン:空冷4ストローク単気筒OHC97cc

最高出力:6.8ps/8000rpm

変速機形式:自動遠心式クラッチ4段リターン

重量:100.4kg

発売国:タイ ドリームC100EX 1988年(昭和63年)モデル

一般的にアセアン(東南アジア)のカブは、角張ったデザインが特徴。

高速域や悪路でも安定した走りを可能にする、正立型フロントフォークを採用したフロント周り。

 タイでは1966年(昭和41年)に「C50/C65」、1967年(昭和42年)に「C90」の生産を開始。1986年(昭和61年)に、独自設計のスーパーカブ「ドリームC100」の名称で生産・発売された。



 ドリームC100は、低燃費でパワフルな100ccエンジンを搭載。走破性に優れたテレスコピック型フロントフォークを採用。外観もスポーティになり、2年間で10万台の大ヒットとなった。



 写真は1988年(昭和63年)モデルの「ドリームC100EX」。このモデルは日本でも1988年(昭和63年)~1989年(平成元年)、また1994年(平成6年)に輸入発売された(下記参照)。

当時、国内モデルの最高排気量は85cc(スーパーカブ90)だったが、アセアン仕様はよりパワフルな97ccを採用。

タンデムバーとタンデムベルトを装備したダブルシート。

テールランプとウインカーを一体型としたスポーティーなフォルムのテール周り。

静粛性に優れた大容量サイレンサー装備のマフラー。

●ドリームC100EX

エンジン:空冷4ストローク単気筒OHC97cc

最高出力:8ps/8000rpm

最大トルク:0.83kgm/6000rpm

変速機形式:自動遠心式クラッチ4段リターン(停止時ロータリー)

重量:89kg

発売国:タイ WAVE(ウエーブ) 1997年(平成9年)モデル

既存のスーパーカブのイメージを覆したスポーティーなデザイン。

 アセアン(東南アジア)各国の人気モデル「ドリームC100」のデザインを刷新した「WAVE(ウエーブ)」。既存のスーパーカブのイメージを覆したスポーティーなデザインが特徴で、アセアン各国におけるスーパーカブの基本にもなった。



 WAVEの開発は、日本及びタイの現地研究所で実施。世界各国における、新たなスーパーカブの波を喚起させることに成功した。初代モデルは100ccだったが、1999年(平成11年)に110ccモデル、また125ccモデルを加えてパワーアップ。カブ史上最大排気量となり、大きな荷物を運ぶ都市部だけでなく、坂道の多い山岳部での使い勝手も向上させ、カブの人気に拍車をかけた。



 WAVEシリーズは、国内では“タイカブ”と呼ばれ、人気を獲得。当時のホンダ製のカブ系横型エンジン(キャブレター採用エンジン)は、極めて汎用性が高く、モンキーやゴリラなどに、パワフルなWAVE用エンジンを載せ替える(キャブレター採用系のWAVE用エンジンは、モンキー用やゴリラ用のフレームにボルトオンで装着できた)チューニングも定番となった。

汎用性の高いキャブレター採用の“タイカブ”のエンジンは、基本的にモンキーやゴリラのフレームにボルトオンで載せ替え可能(一部を除く)。

頑丈な角パイプを採用したスイングアームに、シンプルなメガホン型マフラーを組み合わせる。

スポーティな外観ながら、実用性を重視してフロントバスケットを装備。

●WAVE(ウエーブ)

エンジン:空冷4ストローク単気筒OHC97cc

最高出力:8.5ps/7500rpm

最大トルク:0.88kgm/6000rpm

変速機形式:自動遠心式クラッチ4段リターン(停止時ロータリー)

重量:90.5kg

【番外編】発売国:日本 スーパーカブ100 1994年(平成6年)モデル

写真は1994年(平成6年)に輸入発売された「スーパーカブ100」。当時の価格は20万9000円。

 ホンダは1988年(昭和63年)~1989年(平成元年)、また1994年(平成6年)に、「タイ・ホンダマニュファクチュアリング社」が製造販売していた「ドリームC100(通称タイカブ)」を、カブシリーズの国内最上級モデルとして輸入発売。国内での名称は「スーパーカブ100」。



 「ドリームC100」は、東南アジア市場向けに開発されたモデル。特にタイ国内では、1986年(昭和61年)発売以来、1994年(平成6年)の時点で、約60万台を越える累計販売実績を記録するなど、タイでの基幹機種として位置付けられていた。



 「スーパーカブ100」として国内発売されたモデルは、



・エンジン始動は、便利なセルフ式スターター(キック式併設)

・メインスイッチと一体式のハンドルロック

・スピードメーターに内蔵式の、確認しやすい燃料計

・高級感溢れるアルミ製ピリオンステップホルダー

・補水が不要なMF(メンテナンスフリー)バッテリー

・いたずらされにくい、キー付きタンクキャップ



 など、国内最上級モデルに相応しい装備を採用している。



 当時の価格は20万9000円。なお、当時のスーパーカブ50(スタンダード)は14万9000円、スーパーカブ90(デラックス)は17万3000円、スーパーカブ90(カスタム)は19万4000円だった。

●スーパーカブ100

全長×全幅×全高:1.855mm×665mm×1.045mm

軸距:1.205mm

最低地上高 :130mm

シート高 :745mm

車両重量/乾燥重量:94kg/90kg

乗車定員:2名

燃料消費率(km/L)60km/h定地走行テスト値:58.1km/L

最小回転半径:1.9m

エンジン:空冷4サイクルOHC単気筒

総排気量:97cc

内径×行程:50.0mm×49.5mm

圧縮比:8.8

最高出力 (PS/rpm):7.5/8,000

最大トルク (kgm/rpm):0.81/6,000

キャブレター型式:PB88

始動方式:セルフ式(キック式併設)

点火装置形式:CDI式 マグネット点火

潤滑方式:圧送飛沫併用式

潤滑油容量 (L):0.9

燃料タンク容量 (L):3.4

クラッチ形式:湿式多板コイル・スプリング

変速機形式:常時噛合式4段リターン(停車時のみロータリー式)

変速比:

 1速 2.833

 2速 1.705

 3速 1.181

 4速 0.958

減速比(1次/2次):4.058/2.466

キャスター(度)/トレール(mm):26°30′/70

タイヤサイズ:

 前 2.25-17 33L

 後 2.50-17 43L

ブレーキ形式:

 前 機械式リーディング・トレーリング

 後 機械式リーディング・トレーリング

懸架方式:

 前 テレスコピック式

 後 スイング・アーム式

フレーム形式 バックボーン

情報提供元:MotorFan
記事名:「 世界で活躍するスーパーカブ集 ♯2