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デザインコンシャスとか走りがいいだけじゃない【ランドローバー・レンジローバー・イヴォーク試乗記】


2代目となったレンジローバー・イヴォークの2.0ℓ直4ディーゼルエンジンモデルが日本に上陸した。デザインばかりが取りざたされるイヴォークだが、その核心は他にあるのではないかと試乗してたしかめた。




REPORT◉吉岡卓朗(YOSHIOKATakuro)


PHOTO◉小林邦寿(KOBAYASHI Kunihisa)




※本記事は『GENROQ』2019年11月号の記事を再編集・再構成したものです。

 強烈な初代のイメージがあるためレンジローバー・イヴォークを語るとどうしても「デザインコンシャス」あるいは「コンパクトSUVのキビキビ感」に帰結しがちだ。しかし今回そういった先入観なしに新型イヴォークに初めて乗ってみて、意外なイヴォークの役割に思いが至ったのでそれを書きたい。

10インチ高精細デュアルタッチスクリーン、タッチプロデュオ(6万円)が印象的な室内。上の画面でナビを、下の画面でドライブモードをコントロールすることが可能。

 2代目イヴォークは最上級の2.0ℓ直4ガソリンターボがPHV付きの最上位グレードP300、やや出力の劣るP250、エントリーグレードのP200、そして2.0ℓ直4ディーゼルターボを搭載するD180の4グレードが存在する。組み合わされるトランスミッションはトルコン9速ATで、駆動方式はAWDとなる。今回はD180に試乗した。といってもスケジュールの都合で試乗は都内のみ。ディーゼルの本領発揮となる高速巡航は果たせなかった。




 先代にも搭載された2.0ℓ直4ターボディーゼルだが、組み合わされるトランスミッションが9速ということもあって、流れのいい首都高などでの巡航性能は高く、430Nmからなるディーゼルらしい豊かなトルクを満喫できる。だが定常走行からスッと加速したい時が物足りない。ディーゼルエンジンそのものの低速域のアクセルレスポンスが期待ほどではなく、多段化された9速ATにもかかわらず一拍遅れて加速する印象だった。市街地で緩加速するようなシーンはもちろん問題ない。

シートは無償オプションながら高級感のあるユーカリメランジテキスタイル&ウルトラファブリックPUシートが装備されていた。無料ならこれを選びたい。


 この試乗で面食らったのがルームミラーに代わる「クリアサイトインテリアリアビューミラー」で、いわゆるスマートミラーである。これまでにも何度かスマートミラー搭載車に試乗してきたが、解像度の問題、表示遅れなどでどれもしっくりこなかった。しかし、このイヴォークは違和感が少なかった。ただしカメラの取り付け位置がルーフのシャークアンテナ基部という高い位置のため、車両直後の確認ができない。そのうえミラーに表示される後続車がまるで煽られているかと思うほど大きく、チラッと見てはドキッとすることが多かった。カメラをリヤウインドウ内側下端に配置して画角を調整すれば、死角と違和感を減らせるだろう。

2.0ℓ直4ディーゼルは先代と同様に最高出力180㎰、最大トルク430Nmを発揮する。組み合わされるトランスミッションが9速ATなのも同じだ。

 このほか、駐車時に周囲の状況を映すアラウンドビュー映像のログから車両前方死角の仮想映像を生成してセンターディスプレイに表示し、不整地における石や穴を回避するのに役立つ「クリアサイトグラウンドビュー」や、最大渡河水深の600㎜に近づくと警告音で知らせる「ウェイドセンシング」、先行車や対向車や歩行者を幻惑することなくハイビームで前方を照らす「マトリックスLEDライト」など最先端の装備が充実していた。イヴォークは装備を選べば最新技術に触れられる、お得なエントリーレンジローバーなのである。

試乗車には20インチのスタイル5079”5スプリットスポークホイールが装着されていた。試乗グレードのSEの場合8万5000円のオプションとなる。

SPECIFICATIONS


ランドローバー・レンジローバー・イヴォークSE D180


■ボディサイズ:全長4380×全幅1905×全高1650㎜ ホイールベース:2680㎜ 


■車両重量:1890㎏ 


■エンジン:直列4気筒DOHCターボディーゼル 総排気量:1999㏄ 最高出力:132kW(180㎰)/4000rpm 最大トルク:430Nm(43.8㎏m)/1750~2500rpm 


■トランスミッション:9速AT 


■駆動方式:AWD 


■サスペンション形式:Ⓕマクファーソンストラット Ⓡマルチリンク 


■タイヤサイズ:Ⓕ&Ⓡ235/50R20 ■環境性能(EU複合) 燃料消費率(NEDC):12.8㎞/ℓ 


■車両本体価格:667万円(消費税8%)
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