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同志社大学:エネルギー密度が2倍になる二次電池技術


同志社大学大学院理工学研究科の盛満正嗣教授が、二次電池の金属負極を長寿命化する革新的技術を開発した。

 エネルギー密度を著しく高めるために、負極材に金属材を使いたい。これが目標である。ではなぜ金属材が使えないかというと、充電時に金属析出という現象が生じ、これが内部短絡や容量低下を必ず引き起こしてしまうからであった。具体的な症状を見ていこう。




 充電しているとき、正極材から電解質中に溶け出したイオンは、負極側に付着すると正極材から配線を通して電子を受け取る状態になる。すると、付着したイオンは金属の原子として析出する。金属析出自体は充電する限り、負極材に金属を用いるからには必ず起こる現象である。


 ところが、その析出の仕方が問題を招く。「デンドライト成長」と呼ばれる、樹枝状の析出が起こってしまうのだ。デンドライト成長が進むと析出金属は正極材に達してしまい、すると内部短絡を起こしてしまい二次電池としては役に立たなくなってしまうのだ。


 また、電解液中では析出金属の表面でしか反応できないため、容量が低下するという状態にも陥ってしまう。

解決策は「イオン移動の規制」

 そこで盛満教授が考えたのが「反応空間を規制できる負極」であった。金属析出の状態がデンドライト成長を引き起こしてしまうのは、イオンの分布が不均一だからではないか。つまり、集まりやすいところにイオンが集合してしまうからどんどん高さが増してしまうのではないかと推察した。そこで、電解液中のイオン分布を均一に維持することがデンドライト成長を抑制できると仮説を立てたのだ。




 そこでとった手段が、負極材における反応空間の規制であった。正極/負極がセンチメートル単位の広い板状であるのに対し、その間はミリ単位の隙間しかない。その「ミリ単位」でデンドライト成長してしまうのを防ぐために、広い面積の中でイオンが集中分散しない工夫を凝らした。「集電帯の上に金属をめっきしたり、もしくは金属の粉末を押し固めるというような、今、世の中で使われている技術と特別変わりはありません。ただ、そこに板状の、表面の部分に載っている電解液中のイオンが、単純に言いますと横方向に動かないようにしているということです」と盛満教授は説明する。話を総合するとイオンが移動できる空間を何らかの手段で制限しているようだ。

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