starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

トヨタ・カローラの使い勝手を徹底チェック!


新型カローラに触れて驚くのは、日本の環境を徹底的に考えた日本仕様のつくり込みだ。狭い駐車場を考えたドア開閉時の空間確保などはその象徴だが、スマホナビ対応のオーディオなど”新しさ”も見どころ。




REPORT●工藤貴宏(KUDO Takahiro)


ASSISTANT●森脇亜紗紀(MORIWAKI Asaki)(身長160㎝)/藤木由貴(FUJIKI Yuki)(身長160㎝) 


PHOTO●中野幸次(NAKANO Koji)/井上 誠(INOUE Makoto)




※本稿は2019年10月発売の「新型カローラのすべて」に掲載されたものを転載したものです。

COROLLA Touring HYBRID S

取材車のプロフィール


ボディカラー:スカーレットメタリック(オプション)  インテリアカラー:ブラック オプション:ステアリングヒーター/シートヒーター/ディスプレイオーディオ/エアクリーンモニター/「ナノイー」/アクセサリーコンセント/おくだけ充電/T-Connectナビキット/カメラ別体型ドライブレコーダー/他


※一部のカットは別グレードの車両を撮影しています。

コネクテッドカーで「つながる」

全車に「DCM」と呼ぶ専用の通信ユニットを標準搭載しスマホと連携。スマホを通じての遠隔操作で、離れた場所からドアロックができ、LINE経由で目的地設定まで可能。推定航続可能距離もスマホでチェックできる。

車載ナビを前提としない新環境

従来とガラリと考え方を変えたのが、カーナビ環境。タッチパネルディスプレイを標準採用し、スマホを接続すれば車載ナビを装着しなくてもカーナビが使えるように考えられているのだ。Google Mapも使える。

〈運転席まわり〉電動パーキングブレーキをすべてのグレードに採用

ダッシュボードは上部を水平基調でスッキリさせつつ、下部をカットして足元の広々感を演出。ナビや空調操作パネルに手が届きやすいのが好印象だ。オプションの9インチ画面を選ぶと大きさに驚くが、存在感も大きいから、選択は好み次第で。

「W×B」系は中央を7インチカラー液晶としたメーターを採用(他グレードは中央にアナログ速度計を組み合わせた別デザイン)。ハイブリッド車でもレイアウトはガソリン車と同じで、左にタコメーター、右に燃料計と水温計を置く。

表示を変更できるのが液晶メーターの特徴。写真(SPORTモード時)は速度計を赤くした状態だ。さらに速度計から目盛りを無くしたデジタル表示としてサイズを小さくし、車両情報の表示面積を広げる「デジタルモード」にも切り替え可能。



ロービームや車幅灯も選べるライトスイッチだが、基本は常時「AUTO」。必要に応じたヘッドライトの自動点灯に加え、昼間にはデイライトも点灯する。

ガソリン車はもちろん、ハイブリッド車でもプリウスのような電子式ではなくガソリン車と同じ一般的なセレクトレバーを採用。



ステアリングスイッチは右上がクルーズコントロール、左上がメーター内ディスプレイの表示切り替えをメインとし、下部は左右に渡ってオーディオ基本操作のボタンが組み込まれる。

全車ともパーキングブレーキはスイッチで操作する電動式。一時停車中に制動を保持するホールド機能も搭載。

インパネ右端には光軸調整ダイヤル、オートマチックハイビーム、ステアリングヒーターのスイッチなどが備わる。

走行モードは仕様により「SPORT」や「ECO」を設定。ハイブリッドはエンジンを止めて走る「EVモード」も用意する。

「W×B」にオプションのヘッドアップディスプレイ。フロントウインドウ下部に速度やナビなどの情報を表示する。高輝度表示で見やすい。

「寒冷地仕様」にはワイパーとフロントウインドウの凍結をヒーターで溶かす機能を採用。仕様によりハンドルを温めるヒーターも装備する。

1.8ℓガソリン車の走行モード切り替えは「NORMAL」と「SPORT」の2段。シフトセレクターの前方にあるスイッチを押して切り替える。

燃費表示:メーターによる瞬間燃費と数字の平均燃費、そして給油なしでの航続可能距離の予測値を確認できる。
エネルギーの流れ:ハイブリッド車はエンジンとタイヤ、バッテリー間のエネルギーの流れとバッテリー残量を表示。


安全機能設定:車線保持機能や自動ブレーキの作動切り替えもメーター内のディスプレイを使って行なう。
車両機能設定:メーターの表示設定や道路上の標識を読んでメーターに表示する機能など、細かな車両設定も可能。


エコドライブ表示:アクセル開度を示し、ガソリン車は“燃費のいい範囲”、ハイブリッド車は出力/回生の状況を伝える。


〈ナビ・AV・空調〉スマホ連動のナビを前提とした新感覚オーディオ

タッチパネルの液晶画面にオーディオを組み合わせた「ディスプレイオーディオ」を全車に搭載。車載のカーナビもオプションで追加できるが、それには頼らずスマホを接続しての「スマホナビ」による道案内を前提としたのが従来とは異なるカローラシリーズの考え方だ。車載ナビに頼らないという発想の転換が新しい。

スマホとナビを接続する「スマートデバイスリンク」という仕掛けを採用。トヨタ用にアレンジされているが、独自ではなくオープンソースのプラットフォーム規格である。

インパネ中央の下にUSBコネクターを備える。スマホ接続を考えた場所なのは言うまでもない。

「DCM」という通信ユニットがクルマに標準搭載されているので、スマホを接続しなくても地図更新など通信機能を活用できる。

画面サイズが大きいので、タッチするアイコンも大きくて使いやすい。「T-Connect」とは、スマホを使ってクルマとつながるアプリだ。

スマホナビとしてトヨタが利用を想定しているのが「LINEカーナビ」。音声入力だけでほとんどの操作をこなせるのがポイント。

オーディオはラジオやBluetoothのほか、スマホ接続時はスマホナビ利用時でもRadikoが聴ける。CDプレーヤーは装備しない。

Apple CarPlayやAndroid Autoとの接続は標準状態では対応せず、オプションサービス加入で可能となる。Google Mapも利用可。

後方の視界を確認できる「バックガイドモニター」を、「X」系を除き標準装備。画面上にはハンドル操作に連動する進路予測線も表示。

「ワイドバックビュー」画面に切り替え可能。右の写真(バックビュー)と比べると、より広い範囲が映し出されるので安全確認に役立つ。

写真の補助線は「進路予測モード」 で、右上の写真と違って「X」状になっている。これは後方へ最も小回りしたときの目安だ。

補助線を表示しない設定も可能。この方がスッキリでいいという人もいるかもしれない。補助線は好みに応じて切り替えればいい。

エアコンユニットに搭載した新機能が一部仕様に「ナノイー」とセットでオプションの「エアクリーンモニター」。空気の汚れを検知し、スイッチを押すと汚れに応じた風量の空気清浄機能が作動する。カローラスポーツ主要グレードのエアコンは左右独立温度調整式だが、カローラや同ツーリングでは左右共通の温度調整式だ。ハイブリッド車は電動エアコンを搭載。

AC100Vも利用可能

センターコンソールボックス内にもUSBアウトレットを装備。急速充電が行なえる2.1Aタイプだ。右にあるのはDC12Vのアクセサリーソケット。

ハイブリッド車と「S」以上のグレードには後席用としてセンターコンソール後部にもUSBアウトレットを用意。ハイブリッドはオプションでAC100Vも装着可能。

〈居住性&乗降性〉低めのドライビングポジションで運転スタイルにスポーティな感覚を



〈前席〉ドライビングポジションは低めの着座位置によってスポーティな感覚。とはいえインパネ上面が低く設計されているから前方視界はしっかり確保されているので狭い道でも運転しやすい。シートはTNGAの「スポーティタイプ」と呼ばれる形状で、身体にフィットする感覚が好印象だ。

シート高:535㎜ ステップ高:340㎜

車体は大きくなったものの、ドア内張り形状の工夫などで「先代と同じ駐車スペースなら先代と同等の乗降空間を実現」というのが開発のこだわりだ。



〈後席〉膝まわりスペースはライバルに対して自慢できるほどの広さではないが、座面の高さが適切で着座姿勢は良好。左右席の身体部分をえぐることで、旋回中や座り続けた状態でも左右へズレないように設計。包み込まれるようなフィット感が好印象。後席センターアームレストは全車に備わる。

シート高:560㎜ ステップ高:350㎜

ミニバンや大型セダンに比べると、Bピラーと座面間の距離(足の通り道)が狭いのが気になるが、このクラスとしては標準的な乗降性。ツーリングの頭上はカローラセダンより広い。

メーカーオプションで設定されるシートヒーター。温度は2段階調整式で、肩付近までカバーするなど加熱範囲は広め。

ドア開口幅や開口角度などはツーリングと共通。しかし、Cピラーが傾斜しているぶんだけ頭上が狭く、乗降性にとっては不利な要素だ。
膝まわり空間や着座姿勢はツーリングと同様だが、サイドウインドウが小さい分だけ開放感でツーリングに劣る。ヘッドレストは独自形状だ。


乗降性は「カローラセダン以上、ツーリング未満」。違いは頭上だけだが、セダンに比べるとCピラーが倒れていない分だけ開口部上部が広く確保されている。
スポーツの後席は、膝まわりの空間だけでなくシートや着座姿勢、そして頭上クリアランスまでツーリングと同じ感覚。唯一の違いといえるのは、窓の面積だ。


スポーツだけに用意されるのが「スポーツシート」。全車ではなく「Z」系だけの採用だが、ひときわ立体的な構造で身体を保持する能力が高く、サーキット走行にも対応。


〈室内の収納スペース〉後席ドアアームレストのドリンクホルダーが便利

①グローブボックスはリッドの裏側が物入れになった一般的なタイプ。保湿系の大型ボックスティッシュ+標準ボックスティッシュが収まる。

②センターコンソール最前部のトレーは標準状態だと大きくえぐった形状。オプションの非接触充電器装着車は浅めのトレー状になる。

③前席のドリンクホルダーはセンターコンソー ルに設けられる。前後の穴が貫通しているのは飲み物だけでなくスマホなどを置きやすいように。

④センターコンソールボックスはCDケースが置ける深めの形状だ。撮影車両に装着されているユニットは、ドライブレコーダーの本体部。

⑤容量は大きくはないものの、後席の人が小物を置く場所として重宝するのがセンターコンソール後方の収納スペース。ガムなどを置ける。

⑥ボトルホルダー+小物入れのフロントドアポケット。ペットボトルは500㎖入りだとゆったりと置け、出し入れしやすい。

⑦リヤドアのアームレストは、前方に飲み物を置けるのが便利。サッと手を伸ばすだけで、気軽に飲み物を手に取ったり置いたりできる。

⑧A4サイズの冊子を入れても余裕たっぷりのシートバックポケット。必要とあればB4の地図を入れることもできる。

⑨後席ドリンクホルダーはセンターアームレストにも組み込まれる。カローラやツーリングに用意されるドリンクホルダーの数は計8個。

⑩後席頭上にはジャケットなどを吊るせるフックも装備。ただし、側面エアバッグ展開時に危険なのでハンガーは使用厳禁。

エアクリーンモニター:カビ、ハウスダスト、タバコの煙、PM2.5をはじめとするスモッグなどを検知し、空気清浄する。

SOSコール:緊急時は運転席頭上のボタンを押してオペレーターにつながるほか、事故の際は自動で発報。

バニティミラー:サンバイザー裏の鏡は全車とも、運転席と助手席に採用。カバーをスライドさせて使う。

周辺環境録画カメラ:販売店オプションのドラレコには周辺環境録画カメラも設定。室内を中心に広範囲を記録できる。



スマートキー:キーは指二本程度のサイズの非接触式。所持しているだけでドアロックやエンジン始動ができる。

〈ラゲッジルーム〉ガソリン車でもハイブリッドでも、荷室の広さに違いはなし!

跳ね上げたテールゲートのクローズグリップの位置は地上1830㎜と一般的。背の低い人でなければ無理なく手が届く範囲だ。ただ、SUVではこの車体サイズでも装着例が増えている電動テールゲートの設定はない。床面の高さは地上605㎜。

通常時:高さ655㎜ 奥行き920㎜

ラゲッジ容量は、写真の状態(後席使用/デッキボード位置は上段)で325ℓ。ガソリン車でもハイブリッド車でも同じ容量を確保。デッキボード上段時はセダンよりも床が高く、デッキボードを下げると390ℓまで拡大。

2列目格納時:最小幅950㎜ 奥行き1830㎜

デッキボードを備える理由は、後席を前倒しした際のフロアの段差をなくすため。倒したシート部分は後方を下に若干傾斜するが、段差はないので実用性は高い。2名乗車状態での最大容量は800ℓ(デッキボード位置は下)だ。

後席は6対4分割が可能。斜めから見ると、デッキボードのおかげで後席を倒した際に床へ段差が生じないこと、そして倒した後席が若干傾斜している状況がわかりやすい。

巻き取り式トノカバーは販売店オプション。床からの高さはデッキボードを上部にした状態で375㎜と低めだが、ボードを低い位置にセットすれば約10㎝プラスされて世間相場並みとなる。

後席は荷室側面の壁にあるレバーにより、遠隔操作で倒すことが可能。荷室側から簡単にシートを倒せるのは使い勝手上かなり便利。
ハイブリッド車にオプション設定されるAC100V電源は、1500Wと一般的な車載電源の約10倍という大容量。電子レンジも使える。


荷室床のフックは、後方(開口部付近)にふたつ、前方(後席背もたれ後ろ付近)にふたつの計4個。写真は前側で、後方と同様に金属製だ。
床面付近には4つのフックが備わり、荷物の固定などに重宝する。力が掛かる部分だけに、樹脂ではなく金属製なことで破損の心配を軽減。


床の左右は一段と低くなっていて、ポケットとして利用可能。デッキボードを低くした際は、デッキボードと左右を仕切る板も取り外せる。
4WD車はデッキボードの上下調整 ができず上段固定式で、その下が収 納空間となる。スペアタイヤ装着車も同様で、収納部形状が異なる。


〈ラゲッジルーム〉コンパクトボディとは思えない荷室空間が自慢のセダン

トランクリッドは一般的なグースネック式のアームを組み合わせる。上級セダ ンと違ってリッドを閉じた際のアームは内張に収納されない(隠れない)が、これは「容量を重視したから」とのこと。開口部下端の高さは地上675㎜。

奥行き:980㎜

リッドを開けた瞬間に唸る大空間。容量はガソリンもハイブリッドも変わらず429ℓ。ただし4WD 車とパンク修理キット装着車は床が約70 ㎜高くなるので、380ℓに留まる。

最小幅:960㎜ 奥行き:1850㎜

左右6対4で分割式のトランクスルーを採用し、1.8mを超える長尺物も積載できる。ただし床には135㎜の段差が残り、後席を倒すには室内側からロックを解除する必要あり。

4WDのパンク修理キット装着車(FFモデルより荷室床が高い)には、収納スペ ースが用意される。容量は合計4ℓだ。
トランク内左右の形状を見るとトリムを可能な限り、わずかでも外側へ出して荷室容量を広げようという熱意が伝わってくる。


最小幅:980㎜ 奥行き:800㎜

カローラセダンやツーリングと同様にガソリンとハイブリッドによる荷室容量の違いはない。ただしオプション設定の「アジャスタブルデッキボード」使用時は荷室容量が小さくなる。自慢は、ホイールハウス後方の荷室左右間の広さ(1390㎜)だ。

高さ:770㎜ 奥行き;1720㎜

後席格納は左右6対4分割で行なえる。後席を倒した際は床に約125㎜の段差が生じるが、後席がほぼ水平まで倒れるのは美点。オプションの「アジャスタブルデッキボード」を選べば、後席を倒した際の床の段差を解消できる。

アジャスタブルデッキボード装着車の、後席格納時の床面はフラット化を実現。多くのユーザーにとっては、デッキボードを装着した方が便利に荷室を活用できる。
デッキボードを上部にセットしても、左右部分は低くなっている。ここに洗車道具などを入れておくのも上手な活用方法だ。


デッキボードはフックを使って吊り下げ、手で持たなくても跳ね上げた状態にしておける。使ってみると結構便利。ちょっとした気配りだ。
アジャスタブルデッキボードの下は、高さ10㎝ほどの床下収納として活用できる。ボードは左右だけを開けて荷物を出し入れできるのが便利だ。


背の高い荷物などを積む際は、デッキボードの位置を低くできる。旅行用のスーツケースを積む際などに役立つアレンジといえる。
床下にはパンク修理キットや車載工具が収まるほか、三角表示板などを収納するスペースが用意されている。スペアタイヤ装着車は、ここがタイヤ置き場に。


    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.