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「大阪から愛知まで2562円!」という2002年の過去記事を発見。現況のバイク輸送事情を探る!


2002年発売の『4MINIチャンプ3』の記事中では、モンキーBAJA(バハ)をダンボールやエアパッキンで梱包し、大阪市から愛知県まで宅急便で送付。料金は“2562円”と記載されているが……。「今でも“宅急便(宅配便)の料金で、バイクを輸送できるの?」「そもそもバイクを宅急便(宅配便)で送れるの?」等々、様々な疑問が発生。そこで2019年現在の、バイク輸送に関するアレコレを探ってみた。


REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

モンキーBAJA(バハ)を、「大阪から愛知まで」宅急便(宅配便)で輸送したって本当?

 モンキーBAJA(バハ)に大容量のビッグタンクを取り付け、足周りも強化する。これは、2002年発売の『4MINIチャンプ3』の中の1企画だ。




 当時の誌面を眺めていると、小さな囲み記事が目に入った。

4MINIチャンプ3(2002年発売)の中で発見した、小さな囲み記事。

 モンキーBAJA(バハ)を、長距離にも耐えうるツーリング仕様にカスタムするため、大阪市から愛知県にあるバイクカスタムショップに送付する。という内容だ。




 この記事は、決して“やらせ”ではない。エアパッキン、ガムテープ、ダンボール、古新聞、タイダウン等を使い、人員(3名~4名)を動員し、相応の時間を費やして梱包。大阪市から愛知県まで、宅急便(誌面に表記)を利用して、実際に送付している。




■囲み記事のタイトル


箱詰め4MINI




■囲み記事の文字情報




小さい=宅急便で送れるのも4MINIならでは。


ちなみに編集部(大阪市)から愛知県まで2562円也!




箱はダンボールをつなぎ合わせたもの。一応、丈夫。




宅急便は「人一人が持てるもの」限定。実重量の70kg前後より大きくて80kgで計算されたが、それでもこの値段。

作業風景をチェック

 梱包作業の模様を記録した、当時の写真をご紹介しよう。写真を見る限り、梱包作業は一人では無理だった模様。そのため、人員をかけた、かなり大がかりな作業だったのがうかがい知れる。



ガムテープを使い、ダンボールをつなぎ合わせ、メインとなる外枠を製作。
ガムテープ等を使い、ハンドル部を固定。サイズ縮小化のため、ハンドル部は取り外し。


バイク全体をエアパッキンで包み込み、ガムテープでグルグル巻きに。
3人がかりで、バイクをダンボールに収納中。


ダンボールに収納されたモンキーBAJA(バハ)。
丸めた古新聞を大量に使い、クッション材として利用。


ガムテープで各部を補強後、運びやすいよう、2本のベルト式タイダウンで固定。
梱包完了。一人での持ち運びもOKとなった。


 輸送中の漏れを防ぐため、当然、ガソリンやエンジンオイルは抜いていると思われる。また、モンキーBAJA(バハ)は、輸送規制の対象物になりやすい「バッテリー」は搭載されていない、バッテリーレス仕様だ。




 とはいえ、上記の囲み記事を読んで、筆者は「おや?」と思った。

「80kgもの大きな荷物(バイク)を、宅急便(宅配便)として送れるものなのか?」

 80kgもの大きな荷物で、しかも中身はバイク。これを宅急便(宅配便)として、送れるものなのか? また、バンパーなどのクルマ用パーツなどは、大きくて壊れやすく、コストも高くなるため、運送自体を断る業者も多い。




 なお、記事中では、「宅急便」で送ったとしている。ちなみに、宅急便(たっきゅうびん)とは、「クロネコヤマト」でおなじみの、ヤマト運輸が提供する宅配便サービスの商標だ。そのため、他社は「宅急便」というワードは使えず、「宅配便」という言葉を用いる。




 「クロネコヤマトの宅急便なら、80kgもの荷物(バイク)を運んでくれるの?」と思い、まずはヤマト運輸、また、各運送サービスの宅配便に関する規定を調べてみた。

●宅急便(宅配便)として送付可能な荷物のサイズと重量




1:クロネコヤマトの「宅急便」:3辺の合計が160cm以内。1個の重量が25kg以内。


2:クロネコヤマトの「ヤマト便(宅急便を超える大きな荷物)」:3辺の合計が200cm以内。1個の重量が30kg以内。


3:佐川急便の「飛脚ラージサイズ宅配便」:3辺の合計が260cm以内。1個の重量が50kg以内。


4:日本郵政の「ゆうパック」:3辺の合計が170cm以内。1個の重量が30kg以内。


5:日本通運の「スーパーペリカン便」:3辺の合計が140cm以内。1個の重量が20kg以内。


6:西濃運輸の「カンガルー宅配便」:3辺の合計が130cm以内。1個の重量が20kg以内。


7:福山通運の「フクツー宅配便」:3辺の合計が160cm以内。1個の重量が30kg以内。




※責任限度額はどこの運送会社も消費税込みで30万円。破損等の保証は実損額。
モンキーのオフロード版、モンキーBAJA(バハ)。詳しくは写真をクリック!

 2002年(平成14年)の記事を見る限り、「人一人が持てるもの」として送付可能だった、クロネコヤマトの“宅急便”はもちろん、他社の宅配便も、元号が令和に変わった2019年現在、“規定上”は送付不可であることが分かった。




 モンキーBAJA(バハ)のサイズは、




 全長1330mm/全幅:735mm/全高:875mm。重さは55kg。




 梱包作業中の写真を見ると、ハンドル一式を取り外している。このように、幅と高さを詰めれば、




 3:佐川急便(飛脚ラージサイズ宅配便):3辺の合計が260cm以内。




 ならば、260cm以内に収まる可能性がある。




 ただし、「1個の重量が50kg以内」という規定があるため、重さ55kgのモンキーBAJA(バハ)はNG。記事中では「80kgで計算されたが~」とあるが、これはダンボールや付属物も合算された重量だと予測される。




 いずれにしても、2002年(平成14年)に「宅急便でモンキーBAJA(バハ)を送った」としているが、2019年現在、クロネコヤマトの宅急便を始め、他社の宅配便も、モンキーBAJA(バハ)の送付はNGであることが分かった。

◆備考


1:クロネコヤマトの「宅急便」:3辺の合計が160cm以内。1個の重量が25kg以内。




モンキーBAJA(バハ)を分解し、3つの箱詰めにして、上記のクロネコヤマト「宅急便」を使い、『大阪市~愛知県』まで送った時の料金は、




160サイズ1930円×3箱=合計5790円(2019年9月現在。持ち込み料金)となる。

佐川急便に質問「宅配でバイクを送りたいんですが……」

写真は佐川急便HPより。

 とはいえ、囲み記事を読む限り、2002年(平成14年)には、「人一人が持てるもの」であれば、確かに“宅急便”として送付可能だった。これは紛れもない事実だ。




 余談だが、今でもはっきりと覚えている出来事がある。筆者がモト・チャンプ編集部員だった1998年(平成10年)頃、編集部に『木箱に入った50ccの外国製バイク』が送られてきた。




 この外国製バイクは、大阪のバイク輸入業者が扱っていたミッション付きの大柄なヨーロッパ製スポーツモデルで、「ぜひとも試乗に!」という流れで、大阪から東京まで送られてきたものだった。




 当時驚いたのは、『木箱に入った50ccの外国製バイク』が、通常の荷物を運ぶ、普通のトラックで運ばれてきたことだ。




 運んできた業者は「佐川急便」。まるでプロレスラーのような、屈強な体格のドライバーが、バイクの入った木箱を縦にしてエレベーターに乗せ(縦にしなければ、狭いエレベーターに乗らなかったため、恐らくエレベーター前で、横から縦に載せ替えた模様)、100kgは超えると思われる大きな木箱を、編集部のある9階まで一人で運んできた時は、彼のパワーとタフさに度肝を抜かれた。




 3人がかりで再びエレベーターに乗せ、1階の駐車場まで運び、「釘抜き」を使ってせっせと木箱を解体したのを覚えている。

重量物は“宅配便”としてのサービスではなく、作業員2人で運ぶ大型輸送サービスに

写真はイメージです。

 話はさらに逸れるが、佐川急便といえば、筆者が学生の頃(1990年前半)、東京の多摩地区にある佐川急便の集配所へ、夜中の荷分けのアルバイトに行ったことがある。大音量で軍歌が鳴り響く集配所では、ドライバーが集配してきた荷物を、ドライバーと一緒に降ろすのだが、「降ろすのが遅い!」と、何度もドライバーから怒鳴られた。




 また、ドライバーと荷下ろしした後、他のアルバイトの男性とペアを組み、ベルトコンベアに乗って流れてくる荷物を仕分けるのだが、荷物の中には、道路に設置の白い「ガードレール」、また「エンジンらしき工業製品」、加えて「ワケの分からない巨大な金属の塊」等々、重量物が次々に運ばれてきた。




 想像してもらえば分かると思うが、「ガードレール」「エンジンらしき工業製品」「ワケの分からない巨大な金属の塊」などの重量物は、たった2人きりで仕分けることなどできはしない。




 それでも筆者及びペアになった50歳くらいのオッサンは、当初、真面目に作業をこなしていた。しかし相棒のオッサンは、この作業が余程辛かったのか、それとも途中でアホらしくなったのか、夜中3時の休憩時間を見計らい、まだ電車やバスの動いていない真夜中にもかかわらずに脱走した(代わりに若い男がやって来た)。




 「ストリートファイト(街中の喧嘩)では、佐川急便のドライバーは中途半端な格闘家よりも強い」「佐川急便は何でも運ぶ」という、当時の定説を思い出しながら、佐川急便の問い合わせ窓口に電話で、「宅配でバイクを送りたいんですが……(佐川さんなら大丈夫でしょWW)」と聞いてみたところ、




 「自転車以外の二輪車(バイク)や、大型家具など、一人での集配車両への積み下ろしが不可能な荷物については、基本的に宅配便としてはお預かりできません」とのこと。




 「あれれ、昔、木箱に入ったバイクが、佐川急便さんのトラックに積まれて、運ばれてきたことがありますよ(時代も変わったのかな??)」と切り返したところ、




 「セールスドライバーの判断により、受け付ける場合もありますが……。そもそも、木箱に入ったバイクって、一人では運べませんよね?」




 はい。オレだってそう思う。だが、9階まで一人で運んで来たマッチョもいた……。う~む、ドライバーによりけりか。




 佐川急便によれば、木箱に入ったバイク等の重量物は、“宅配便”としてのサービスではなく、作業員2人で運ぶ大型輸送サービスとなるとのこと。もしもバイクの輸送を希望する場合は、「輸送は可能か?」「梱包はどうするか?」等の打ち合わせや、別途見積もりが必要であるという。

 ちなみに、佐川急便の「大型家具・家電設置輸送サービス」では、3辺の合計が160cm以上600cm以内、重量80kg以内の家具や家電を受け付け中。80kgを超える場合は、別途要相談となる。料金例は下記の通りだ。

“クロネコヤマト”のヤマト運輸に質問「宅配でバイクを送りたいんですが……」

写真はヤマト運輸HPより。

 今度はヤマト運輸の問い合わせ窓口に電話で、「宅急便でバイクを送りたいんですが……」と聞いてみたところ、




 「バイクは宅急便ではなく、“バイク専用輸送”をご案内しております」と、至って事務的にご返答いただいた。




 「昔、ダンボールでバイクを梱包し、80kgの荷物として運んでもらったことがあるのですが……」と、しつこく粘ってみたところ、




 「例えば、重いお荷物を持つのが困難なお年寄りの多い過疎地。また、災害時等の緊急時等には、臨時に規定外の大きな荷物を受け付る場合もあります。しかし、基本的にバイクの輸送に関しては、“バイク専用輸送”をご案内しております」とのこと。




 ヤマト運輸が展開する“バイク専用輸送は、全国各地にクルマやバイク(ビッグバイクも可能)を輸送してくれるサービスだ。




 本サービスは、国内の専門会社との提携サービスとなっており、輸送は提携業者が行う。




【料金例】


車種:バイク(100cc以下)


経路:大阪府から愛知県まで


料金:32,940円(税込)


(本体価格) 30,500円




 輸送途中、万が一事故などが発生し、車体に損害を与えた場合、輸送担当会社規定の車両補償の範囲内で賠償される。




 なお、輸送は専用のキャリアカーを使用。つまり、面倒な梱包等は一切不要。安心して任せられるのが大きなポイントだ。

「引っ越し便」を使う手もあるが……

ヤマト運輸の「単身者向け引越しサービス」のボックス(ヤマト運輸HPより)。

 巷では、バイクの送付には「引っ越し便を使えばいい」という意見もある。例えば、ヤマト運輸の「単身者向け引越しサービス」。家財量に合わせてボックス数を選び、申し込みするシステムだ。




 ボックスのサイズは、幅104cm×奥行き104cm×高さ170cm。ダンボール等でしっかりと梱包し、縦向きにすれば、モンキーBAJA(バハ)ならば2台は積載できそうだ。




 「“単身者向け引越しサービス”で、バイクは送れますか? ダンボール等でしっかりと梱包します。重さは80kgくらいです」と、電話でヤマト運輸の問い合わせ窓口に聞いてみたところ、




 「“単身者向け引越しサービス”は、家具や家電などの生活用品が対象となりますので……。お客様がバイクを『家財道具です』と偽り、仮に輸送中に破損したとしても、バイクは補償対象外になります。バイクの輸送は、補償も付いて安心できる、“バイク専用輸送”をご案内しております」とのこと。




 バイクの場合、ガソリンやエンジンオイルは抜いていても、ディスクブレーキのオイルが漏れるかもしれない。また、衝撃で梱包が破れ、バイクが倒れた場合、チェーンオイルでボックス内が汚れる可能性もある。その場合、運送会社から損害賠償を求められるはず。




 ボックスの破損や汚れを考慮し、引っ越し便でのバイク輸送は控えるのが、社会人としてのマナーかな? と筆者は思う。

まとめ

 今回は、佐川急便とヤマト運輸の2社に問い合わせてみたが、結論としては両社とも、バイクの送付は基本的に宅配便や宅急便として受け付けていない。2002年(平成14年)は「人一人が持てるもの」まで送付可能だった宅急便は、2019年(令和元年)現在、25kgまで(ラージサイズのヤマト便は30kgまで)に制限されている。




 もしも引っ越し等でバイクを輸送するならば。車両の破損や補償を考慮し、ヤマト運輸の「バイク専用輸送」を始めとした、安心して利用できるバイク専用の輸送システムを利用した方がベターだろう。




 2019年現在、インターネットのオークション等、バイクを通販する場合、ヤマト運輸の「バイク専用輸送」等のバイク専用の輸送システムを使うのが常識となっている。バイクの送付=バイク専用の輸送システムの利用。これが定番なのだ。




 バイク専用の輸送システムは、確かに宅配便に比べて割高。しかし、補償もきちんとしていて、面倒な梱包の必要もなし。人員も、梱包材料も、時間も、大幅に節約できる、便利なサービスであることを覚えておこう。

■ヤマト運輸の「バイク専用輸送」
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