ステアバイワイヤーとはよく耳にする言葉だが、ではどのようなものか。構造と効能を理解してみる。

*本稿はDAS登場時の取材により、現在のものとは異なる可能性がある

 新型スカイラインが全車DAS(ダイレクトアダプティブステアリング)装着となった。いわゆるステアバイワイヤであり、2014年11月に「200GT-t」グレードへのメーカーオプション装着を世界初としたのを皮切りに、世界唯一のまま現在に至っている。

ステアバイワイヤとは何か

 ステアバイワイヤ=機械的な接合がない操舵装置、というのはご存じのとおり。ではどこがつながっていないのだろうか。操舵装置でよく聞く単語とともに、システム全体を整理してみた。

(ILLUSTRATION:熊谷俊直)

 操舵装置を、入力部と伝達部と変換部の3つのパートに分けて考えてみる。



 入力部は、いまのところ乗用車ではステアリングホイール一択である。

 伝達部は、ステアリングホイールの回転運動を下流に伝える部位。ご覧のようなバリエーションがある。

 変換部は、回転運動を直線運動に変換する部位。乗用車では現在のところ、ラック&ピニオンと(もはやごく少数になってしまったが)ボール&ナットの2種が挙げられる。



 伝達部についてもう少し詳しく述べると(直線的にシャフトを通すことができないクルマが大半のため)カルダンジョイントを伴ったシャフトというのがもっとも基本的な構造である。これに対してクルマのダイナミクスを向上させたいエンジニアはシーンによってステアリングのギヤレシオを可変できるシステムを考案、いくつかの装置が実現している。それらが青字で示した構造だ。「シャフト+遊星歯車」はBMW、「シャフト+波動歯車」はトヨタ、「シャフト+レバー比変更」はホンダのシステム。このほか、可変というには少々言葉が過ぎる感もあるが、ラックギヤのピッチを中立側/エンド側で不等ピッチにすることで可変ギヤレシオとしている操舵装置も実現している。



 閑話休題。これらの整理から考えると、日産のDASとは伝達部の構造をシャフト+クラッチとしている操舵装置である。クラッチから想像できるように作動時には解放状態とすることで上流と下流を物理的に切り離している構造である。

話ついでにパワーステアリングシステムについて。どこをアシストするか、でEPSに各種がある。さらにラックアシストには同軸式と平行軸式が、ピニオンアシストにはシングル型とダブル型がある。なお、油圧PSはラックバーをアシストする方式だった。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 日産スカイラインのDAS:ステアバイワイヤーとは何か