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「スズキ・セピア(1989)」発売当時のカタログはバイクより井森美幸を推してた【青春型録 第7回】


痛快なほどにイモリ推し! バイクの写真よりもずっと大きな、井森美幸の開脚ポーズがメインカットの今回のカタログ。時として思い切りのいいスズキらしいビジュアルにオジサンふたりが大興奮だ!(月刊モトチャンプ 2019年6月号より)




語り◉津田洋介(TSUDA Yosuke)/TDF、まとめ◉宮崎正行(MIYAZAKI Masayuki)

井森、井森、井森、井森 たまーにセピア

津田 この日を待ってたぞ!




──どの日ですか津田さん?




津田 担当Mの選球眼の甘さに毎回チリチリとしていたんだけどさ、今回はナイス! あの井森美幸のスズキ・セピアだからな。




──えーと、担当Mって思いっきりオレのことじゃないですか。でも、たしかにカタログで大フィーチャーされている井森の露出具合いはハンパないですよね。露出って、そういう意味じゃないですよ♥




津田 井森の採用は若者に売りたかったからだよ。それにつけても浜松の鈴木修氏にバンザイ!




──今日はいつになく鼻息荒いですねえ。そのオタクっぽい気迫がちょっとだけ鬱陶し……。




津田 え? なに?




──いや、スズキ株式会社の英断に感銘を受けたんですね。




津田 当時はスズキ自動車工業株式会社だから。




──コタツが熱いのですこし温度を下げてもらっていいですか?




津田 じゃあ入るなよ、オレのコタツに。




──大人げないなあ……しかし話がいっこうに進まない(笑)。




津田 そうだな。落ち着いて説明しよう。1968年生まれの井森美幸はいま50歳と6か月、群馬県は下仁田町出身だ。堀越からホリプロへ、血液型はたしかA型だったかな。




──ボケてるのか、本気なのか……。




津田 冗談だってば。新型セピアが発売されたのは89年だから平成2年(もう30年も前のことなんだね)、その2年前に発売されたアドレスの基本コンポーネンツを流用した派生モデルなのだ。値段高めでいまいち売れない → 装いあらため値段も安くして再発売、というスズキの王道コースだね、たぶん。車名は違うけどさ。




──直線基調のデザインをはじめ、似ているところが多いなあと思ったのはそのせいだったんですね。




津田 アドレスよりもプライスが1万円下げられつつも、装備はかなり充実していた。フルフェイスヘルメットが入る大きなトランクはそのままに、スペース内には照明を設置。ガソリン給油口とエンジンオイル注入口を並べてリヤカウルの中に収めているから、シートを開けなくてもどちらも補給がカンタンにできる。




──それは便利ですね。6.8㎰のエンジンと軽量63㎏の車体の相性も良さそう。




津田 リヤキャリアだって標準装備だし、前後タイヤはチューブレス。前ウインカーはクリアレンズで、後ろウインカーはグラデーションタイプ。さらにスイッチがプッシュキャンセル式なのはこの時代、スズキだけ!




──充実装備の話はもういいかな。それにしても井森、カワイイですね。ホリプロタレントスカウトキャラバンで12万人を押しのけグランプリを獲得後、一転してバラドルのパイオニアって呼ばれていました。山瀬まみ、松本明子、森口博子の頃です。




津田 明るいキャラが功を奏して、バラエティー番組の常連になっていったもんね。着ぐるみで楽しそうに出演していたのをよく憶えているよ。「井森美幸16歳、まだ誰のものでもありません!」も懐かしいなあ(笑)。




──カタログでモデルになったのも、ちょうどその頃じゃないでしょうか。二十歳すぎくらい。カラフルなスタイリングにも、ポップなキャラが表れているような気がします。




津田 うんうん。──それにしても、かつてない振り切った構成のカタログですね。




津田 まず表紙から思いっきり飛ばしている。踊る文字はSUZUKIとSEPIAだけ。キャッチコピーという名のご託はいっさいナシ! 主役であるはずの新型セピアは井森の股間直下に追いやられ、まるでアイドル写真集の「アクティブなわたしの一面も見て!」的イメージカットで「たまたま見切れてしまった」程度の扱い……という潔い割り切りが、鈴木修氏の英断。




──修さんは直接関わっていないと思いますよ(笑)。




津田 なんだかオレには、セピアが赤面して見えるよ。




──セピアを買えばもれなく井森のパンツが見られます! ってカンジでしょうか?




津田 いや、どちらかというと、「オレもセピアになりてえ!」だな。男子高校生の魂の叫び。……いやいや、そういうことじゃなくてさ。




──ノリツッコミですか。エンジンが暖まってきましたね。




津田 このまま行くと表紙だけで話が終わりそう。でもそのくらいディープインパクトなビジュアルなのだ。




──ごく個人的なことを言わせてもらえば、50歳の今こそ同じカッコで再登場を熱望します!




津田 君もマニアだねえ。でもちょっと見てみたいかも。




──嗚呼、なんだか熱いものがこみ上げてきました……。うーん、掲載カタログは現行ラインナップの中でどれがいいですかね?




津田 そりゃアドレスでしょ。栄枯盛衰ありつつもずっと美人、じゃなくてちゃんと現役選手なのがいい。ずっとマーケットがあって、きちんとそのニーズに応えている。




──なんの話でしたっけ?




津田 だから井森だよ。




──そうそう。じつはボクも津田さんほどではないですが、10代の頃はバイクのカタログをコレクションしていたんですよ。とくにアイドルや女優を起用したものは、高い写真集よりも使い勝手がよかったですね。




津田 まさかMくん、桃色な目的でバイクのカタログを活用したことはないだろうな?




──……。




津田 え!?あるの!?

A4判型3ページを費やしてブチ抜かれた井森美幸の全身(とセピア)。けっしてナイスバディではない日本人体型が妙なリアリティを呼び覚ます小首をかしげた井森美幸(とセピア)。エイティーズなファッションとゲジ眉がかわいい井森美幸(とセピア)。

徹底したアートディレクションはしっかりとカタログ裏面までをも支配。車体よりもモデルの顔のほうが大きいビジュアルは驚くほど画期的だ。過去にもここまで思い切った(細部が見にくい)構成はなかったはず。

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