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レクサスESのメカニズムを徹底解説!


ハイブランドのLEXUS最新モデルである限り、常に最先端の技術を投入し、最良のパフォーマンスを有することが求められる。ESにもまた、世界初の技術を含めた新技術が搭載された。




REPORT●安藤 眞(ANDO Makoto)


写真解説●安藤 眞(ANDO Makoto)/編集部

高剛性・軽量ボディ

運動性能を高めるための軽量化策として、ホットスタンプやハイテン材を含む高張力鋼板材を適材適所で採用する。同様にアルミ製のボンネットとフロントフェンダーも採用し、約10㎏の軽量化を実現している。

LSWと構造用接着剤を効果的に採用

レクサスとしては定番の投入技術となったLSWと構造用接着剤も、もちろん投入される。その効果が発揮され、操縦安定性、乗り心地、振動騒音低減効果の高い部位に採用している。

操安だけでなく静粛性にも寄与する空力効果

風洞実験から導かれた整流効果のある形状をフロントバンパー開口部に採用するなど、ボディ各部に空気抵抗を低減する形状を採用。下面についてもフルアンダーカバーやスパッツなどで、流れる風を整流している。

ハンドリングと乗り心地を向上する



「version L」と「F SPORT」には、パフォーマンスダンパーを装備。装着場所は、フロントのサスペンションサブフレーム前側と、リヤのロワバックパネル後側。これによってボディの変形を抑えると同時に微振動を吸収し、操舵応答性と乗り心地の両方を向上させている。

要所にブレースを配置し優れた振動特性を確保

前後サスまわり及びフロアトンネル部には、ボルト締結の閉断面ブレースを配置。着力点剛性や全体剛性を向上させ、操安性と乗り心地を高いレベルで両立している。GA-Kプラットフォームに共通する仕様だ。

Vブレースの追加でボディ剛性を向上

キャビンとトランクの間は、リヤサス着力点を支える重要な部分。ここにV型の補強を入れることで、捩り入力時のボディ変形を抑制し、操安性と乗り心地を向上させている。これはES独自の設定だ。

三層構造で吸遮音性を高めるダッシュインナーサイレンサー



ダッシュサイレンサー(右の赤い部分)のほか、後席背もたれの裏に配置されたシートバックサイレンサーにも、三層構造を採用。こちらは中間にフィルムを挟んで通気を止め、遮音効果を持たせている。

足元から静かにするホイール

「version L」には、ノイズリダクションホイールを採用。アルミホイールのリムをスピニング成形する際に、アウターリムに中空部を形成。そのタイヤ側に通気穴を開けることで、レゾネーター(共鳴式消音器)として作用させ、気柱共鳴音を消音する。

ボディ下面にも徹底した吸音対策

フェンダーライナーやアンダーカバーに吸音素材を採用し、ボディ下面からの騒音も吸収して静粛性の高い室内空間の構築に貢献する。

サスペンションタワーサイレンサー

エンジンルーム内には、ストラットのタワー部にもサイレンサーを配置。ホイールハウス側に透過する音の遮断や、エンジンルーム内で反響する音の吸音を行なっている。

アクティブノイズコントロール(ANC)

車内のこもり音を専用マイクで特定し、逆位相の音をスピーカーから発することで会話のしやすい室内環境をつくりあげる。上位グレードのオーディオは高品位な音質のマークレビンソンだ。

世界初のデジタルアウターミラー



新型ESを象徴する技術のひとつが、世界初採用のデジタルアウターミラーだ。デジタルならではの使い勝手の良さのほか、空力性能や、死角が減ることでの安全性の向上にも寄与する。

光学ミラーよりも汚れにくい形状

単純な鏡とレンズとの面積比もさることながら、水平・垂直断面の形状や角度により、泥の付着などによる汚れにくさにも一般的な光学ミラーよりも優位であることが検証されている。

右左折・後退時などに表示エリアを拡大

画角は一般的な光学ミラーより広く設定されており、左は通常時でも非球面ミラー相当に広い。ウインカーと連動して広角に切り替わるため、車線合流時に広い範囲が見えてタイミングが合わせやすくなるほか、3車線道路走行中に、双方から真ん中に車線変更しようとする場合、他車の動きを早く察知できる。広角時には、後輪の接地点が見えるようになっており、左折時の縁石確認や、後退駐車時の白線確認が容易に行なえる。

雨天や窓が汚れても視認性に影響なし!

遮光率に関する優位性評価に加え、泥が飛んでくる方向の確率を3σの正規分布と仮定して加味したところ、泥はねによる視界不良の確率は、光学ミラーの38%に対し、デジタルミラーは0.5%と圧倒的に優位であることがわかった。デジタルミラーはカメラがひさしで覆われているのに加え、窓の汚れにまったく影響されない効果が大きい。

開発者独自の発想による試験法

カメラが汚れた際のドライバーのストレスの官能評価をする指標としては、漫画で使うスクリーントーンを利用。遮光率の異なるものを張り替えて比較したところ、光学ミラーは遮光率30%で視認性が限界に達したのに対し、デジタルミラーは90%まで許容できることがわかった。スクリーントーンを使うのは、漫画を描くことを趣味 とする大塚主幹独自のアイデア。

第四世代の中容量ハイブリッドシステム

レクサス車共通のコンセプトである“すっきりと奥深い走り”を実現するために磨き上げられたハイブリッドシステムは、より小型軽量とされダイナミックな走りを提供する。

燃費性能と動力性能を両立する



最大熱効率41%を誇る高効率な直列4気筒2.5ℓエンジンに、小型軽量化を実現したバッテリー、ハイブリッドシステム制御を高次元で融合させ、リニアな加速感と優れた燃費性能を両立している。

A25A-FXS spec.

排気量(㏄):2487


種類・気筒:直列4気筒DOHC


ボア×ストローク(㎜):87.5×103.4


エンジン最高出力(kW[㎰]/rpm):131[178]/5700


エンジン最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):221[22.5]/3600-5200


モーター最高出力(kW[㎰]):88[120]


モーター最大トルク(Nm[㎏m]):202[20.6]

レーザークラッドバルブシート

“レーザークラッドバルブシート”も、レース用エンジンからフィードバックされた技術。A25A-FXS型はボア径が87.5㎜と小さいため、バルブ面積が小さくなり、吸気効率の点で不利になる。そこで、円筒の圧入式バルブシートを廃止し、シート材を直接溶着させる本技術を採用。圧入スペースのために曲げられていたポートの直線化を図った。

上質な乗り心地と静粛性を提供

エンジンマウントは左右のマウントをエンジンの慣性主軸に近付け、サブフレームに配置された前後2点のマウントで揺動を抑える4点支持方式。4点すべてが液体封入式という贅沢な仕様だ。

サイドウォールの傾斜で高出力対応

コンロッドのバイパー加工に伴って、ピストンのサイドウォールも傾斜させている。これによって燃焼圧をピストン中心で効率良く支えられるようになり、さらなる軽量化が可能になった。

ピストンとリングを低フリクション化

ピストンスカート部に樹脂コートが施されるほか、ピストンリングはNo.1コンプレッションの外周面にDLCコートを採用して耐摩耗性を向上。オイルリングは外周形状を上下非対称とすることで、油掻き性能を向上させ、低張力・低フリクション化へつなげている。

高強度なフルバランスクランク

CAE技術の進歩によって、クランクシャフトはフルスパンによる解析が可能になった。これを利用して、ジャーナルごとの面圧分布に応じた最適なバランス設計を行なっている。

軽量高剛性なコンロッド

コンロッドは小端側をテーパー形状に加工(毒蛇の頭に似るため“バイパー加工”と呼ぶ)することで、往復運動部分の軽量化を実施。レーシングエンジン並みのピストン速度に対応するためのものだ。

レース用エンジン並みのオイルジェット冷却

ピストンを薄肉化すれば熱容量が小さくなるため、オイルジェット冷却が必要となる。軽量化で鋳抜き部が多くなったため、全体が均一に冷却できるよう、1シリンダー当たり3本のノズルを使用している。

偏心バレルオイルリングもレーシング技術

従来のオイルリングは、エキスパンダーを中心に上下対称形だったが、これを非対称として方向性を持たせ、潤滑性と油掻き性能を向上(サイドレール先端形状に注目)。油膜厚を低減してオイル消費の削減を図った。

スウィングバルブショックアブソーバー

前後のダンパーにはスウィングバルブを世界初採用。これは伸縮両方向の、極微低速域から減衰力を発生させることで、微小な動きに対してもしっかりと減衰力を確保できるため、応答性が良くフラットな乗り心地を提供してくれる。

フロント:ストラット/リヤ:トレーリングウイッシュボーン・サスペンション



フロントサスはジオメトリーの最適化を図り、優れた操舵応答性や旋回性を実現。リヤはダブルウイッシュボーン式サスの採用でアーム配置を最適化。操安性と乗り心地を高めた。

NAVI-AI AVS

ナビゲーションのデータと連携することで運転操作や路面状況に応じて減衰力を自動制御。さまざまなシチュエーションで最適な減衰力を発生させることで、安定したハンドリングと快適な乗り心地をみせる。

650段の減衰力を自動で切り替えるAVS

AVSの心臓部。シリンダーが3重になっており、伸び/圧いずれの行程でも、オイルは中間通路を通って減衰力制御バルブへ流れ込む。切り替え機構が筒内にないため、ストロークを犠牲にしないのもメリットのひとつといえる。

クルマや道路と通信するITS Connect



クルマのセンサーでは捉えきれない見通し外の情報や信号等の情報を、道路とクルマあるいはクルマ同士が直接通信して安全運転の支援をする。右折時注意喚起(上左)やクルーズコントロール時の車間や加減速の制御(上右)、出会い頭注意喚起を行なう。

パーキングサポートブレーキ

後方の歩行者にも対応するパーキングサポートブレーキは、12.3インチモニターやブザーなどでの警告によって、後退時の事故の回避を支援。衝突する可能性が高いと判断した場合は、自動的にブレーキを掛ける。

アクティブコーナリングアシスト(ACA)

アクセルを踏んだ状態での高G旋回中などに発生しやすい、アンダーステア傾向を抑制し優れた旋回性能を確保する。また、アクセルを踏み込み、積極的に走りを楽しもうとするドライバーの意図を汲む、挙動の制御を行なう。

最新の先進安全装備Lexus Safety System+



世界トップレベルの先進安全技術を追求するLexus Safety System+は、レーントレーシングアシストも搭載。単眼カメラとミリ波レーダーの構成はそのままに各機能を進化させ、事故の防止や負担軽減を実現する。

二次被害を防ぐ安全機能も搭載

安全性向上機能としては、セカンダリーコリジョンブレーキ(SCB)も導入。エアバッグが展開するレベルの衝突を検知すると、自動的に油圧ブレーキを作動させ、10㎞/h以下になるまで減速。衝突のはずみで反対車線にはじき出されて多重衝突したり、歩道に乗り上げて歩行者をはねたりするのを抑止する。

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