いよいよ正式発表されたトヨタ・スープラ。そのトップグレードRZは、340ps/500Nmを発生する3.0ℓ直列6気筒ターボを搭載する。充分ハイパワーだが、スポーツカーだけに「モア・パワー」の声も出るかもしれない。その時、どうなるか?
ご存知の通り、新型スープラは、BMW Z4と多くを共有する兄弟車(双子車?)である。エンジンは、BMWのB58型直列6気筒DOHCターボを搭載する。
B58型
排気量:2998cc
ボア×ストローク:82.0mm×94.6mm
圧縮比:11.0
最高出力:340ps(250kW)/5000rpm
最大トルク:500Nm/1600-4500rpm
燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI)最大噴射圧350bar
過給:ツインスクロール×1
というエンジンだ。
BMWの最新テクノロジーが詰まったモジュラーエンジンのトップに君臨する直6エンジンである。
マツダが、開発を宣言した直列6気筒だが、現在、直6を持っているのは、BMWとメルセデス・ベンツのみだ。
スープラRZとBMW Z4 eDriveM40iが積むエンジンは「B58型」と書いたが、正式には
B58B30C型とBMWのカタログにはある(トヨタのカタログは「B58」と書いてある)。
B58B30の次の文字は、スペック違いを表している。
通常は、
S = Super
T = Top
O = upper Output
M = medium Output
U = lower Output
K = lowest Output
O = new development
なのだが、スープラ/Z4のB58B30型にはCが付いている。いまのところ、Cが何の略語なのかわからないが、スペック的には、B58B30Mと同等だ。つまり、medium(中間)スペックなのだ。
さて、このB58B30型エンジンの現在の最強バージョンは……
となっている。最後の2文字が「T0」となっていて、T=Topを意味している。まさにトップ級のパフォーマンスを持つエンジンだ。仕様によっては、「ウォーターインジェクション(水噴射)システム」を搭載するものもある。これは、文字通り、吸気マニフォールド内に水を噴射することで。シリンダー内の温度を下げて冷却損失を減らす、そしてノッキング限界を進角化できるメリットがあるシステムだ。
とはいえ、S55型は、B型の前の「N型」エンジンの系統で、シリーズからいえばひとつ前のもの。出力/トルクともB58B30Oより大きいが、S55B30T0型を搭載する可能性は低そうだ。
夢見がてらいえば、
B58B30Oは、O=upper Output
なのだから、
B58B30T (T=Top)
あるいは
B58B30S (S=Super)
という型式のエンジンが登場し、それがスープラのホットモデルに積まれる……というのを想像する方が、楽しそうだ。
「B58B30S」型エンジンで最高出力450ps、最大トルク600Nmとなれば、まさにHottest Supraとなるはずだ。