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現行308のイチ押し! プジョー308の新1.5ℓクリーンディーゼル Cセグメント随一のトータルバランスが光る


2018年12月にプジョー308に追加された1.5 ℓクリーンディーゼルの「BlueHDi」は、グループPSAにおけるディーゼル戦略の中核を担うエンジンだ。年々厳しくなる燃費規制、エミッション対策はもちろん、最高出力の向上も果たしている。実力派揃いのCセグメントで輝けるのか、1.6 ℓから1.5 ℓにダウンサイジングした「BlueHDi」搭載のプジョー308の力量を探った。




TEXT &PHOTO◎塚田勝弘(TSUKASA Katsuhiro)

 プジョー308(ハッチバック/ステーションワゴンのSW)の改良前に搭載されていた「DV6」は、1560ccの直列4気筒ディーゼルターボで、6ATとの組み合わせにより、120PS/3500rpm、300Nm/1750rpmというアウトプットを得ていた。




 2019年12月のマイナーチェンジで切り替わった「DV5」は、排気量を1498ccにダウンサイジングし、「DV6」よりも24mm低くなり、幅も20mm狭くなり小型化が図られている。

DV5 最高出力は130PS/3750rpm、最大トルクは300Nm/1750rpmとなっている

「DV5」は、「DV6」よりも10PS向上し、最高出力は130PS/3750rpm、最大トルクは変わらず300Nm/1750rpmとなっている。トランスミッションは6ATから「EAT8」と呼ばれる8ATに多段化され、小型・軽量化とともに、シフトバイワイヤ化されている。




 なお、JC08モード燃費は、「308 Allure BlueHDi(アリュール)」同士の比較で、改良前の21.0km/ ℓから24.3km/ ℓに向上していて、15.7%アップとなっている。

 試乗したのは、ステーションワゴンの「SW 308 Allure BlueHDi」。ワゴンのボディサイズは、全長4600×全幅1805×全高1475mmで、ハッチバックの全長は4275mm。




 じつは、同じ週にプジョー5008、プジョー3008に立て続けに乗っていて(試乗車はいずれも2.0 ℓ 直列4気筒ディーゼルターボ車)、図らずも2.0 ℓディーゼルターボと、プジョー308の1.5 ℓディーゼルターボと乗り比べることになった。




 3008と5008に積まれている2.0ℓディーゼルは、177PS/3750rpm、400Nm/2000rpmというエンジンスペックで、トランスミッションはこちらも8AT。なお3008は、1640kg(オプションのパノラミックガラスルーフ装着車)という車両重量で、5008は1720kg(パノラミックガラスルーフ装着車)。




 一方の308 SWは、1400kg(パノラミックガラスルーフ装着車)で、3008と比べると240kg軽く、5008とは300kg以上軽くなっている。




 この軽さが加速やフットワークに効いているのはもちろんのこと、308に積まれる「DV6」は、ディーゼルエンジンらしく低回転域から線が太く、首都高速への合流のような少しアクセルを踏み込む際も、力強いダッシュで加速してくれる。2.0 ℓを積むプジョー3008/5008と比べると、1.5 ℓであるプジョー308は、数値では47PS/100Nm譲るのだが、先述した重量差もあってか加速フィールや高速域のパンチ力も感覚的には308 SWの方が上回っているように感じた。




 では、パワーウエイトレシオとトルクウェイトレシオはどうか。プジョー3008は9.266kg/PS、5008が9.718kg/PS。一方の308 SWは10.769kg/PS。トルクウェイトレシオは、プジョー3008が4.10kg/Nm、5008が4.30kg/Nm、308 SWが4.667kg/Nm。




 こちらも見ても1.5 ℓと、小排気量である308 SWの方が劣っているわけだが、実際はより速く感じるから不思議だ。感覚的には308 SWの方がフロントノーズは軽く、ボディサイズもひと回り小さいこともあって、より動きに無駄がない。より意のままに扱える感覚が濃厚だから、より速く感じても不思議でないはずだ。ハッチバックならさらにその印象は増すだろう。




 また、308 SWに積まれている「DV5」エンジンの音・振動面は、ディーゼルらしく少し粗さも感じるものの、際だって気になるわけではない。むしろいつでも意のままの加速を引き出せるという、ディーゼル特有の分厚いトルク感が頼もしく感じる。




 さて、プジョー308の新「BlueHDi」は、ハッチバックの「Allure BlueHDi」が304万9000円、「GT Line BlueHDi」が329万9000円で、ステーションワゴンの「SW Allure BlueHDi」が329万9000円、「SW GT Line BlueHDi」が354万7000円という値付けになっている。

 対する1.2 ℓ「PureTec」エンジンを積むガソリンは、「Allure」が283万9000円、「GT Line」が308万9000円。「SW Allure」が308万7000円。




 1.2 ℓガソリンとの差額は約21万円で、JC08モード燃費は、1.5ℓディーゼルが18.2km/ ℓ〜24.3km/ ℓと幅が大きい。ハッチバックの「Allure BlueHDi」が24.3km/ ℓと最も燃費がいい。一方の1.2ℓガソリンは17.0km/ ℓで、ハッチバックの「Allure」同士だと、7.0km/ ℓもディーゼルの方が燃費はよく、ワゴンの「SW Allure」を比べても、4.6km/ ℓディーゼルが上回っている。




 燃費で元が取れるか、取れないかはまさに走行距離によるが、プレミアムガソリン仕様を指定する1.2 ℓのガソリンと、軽油の1.5 ℓディーゼルのカタログ燃費、燃料代などのランニングコストは無視できないだろう。

 さらに、約21万円という車両価格の差は、他メーカーなどと比べると比較的小さいのも好材料だ。低回転域からの力強さや高速巡航を楽にこなすディーゼルエンジンの特性、航続可能距離である足の長さ(タンク容量はともに52ℓ)も考えても、現行308のイチ押しは1.5 ℓディーゼルエンジン仕様であり、300万円台前半で買える車両本体価格も美点だ。現在のCセグメントを見渡してみても308 BlueHDiのコストパフォーマンスがかなり高いのは間違いない。


2.0ℓディーゼルの308SW試乗記はこちら

シートが素晴らしい、エンジンもいい。燃費もいい。長距離走ってプジョー308ディーゼルの魅力を再認識

プジョー308SW アリュール BlueHDi


全長×全幅×全高:4600×1805×1475mm


ホイールベース:2730mm


サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rトーションビーム


エンジン


形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ 1.5ℓBlueHDi


ボア×ストローク:75.0×84.8mm


圧縮比:16.4


最高出力:130ps(96kW)/3750rpm


最大トルク:300Nm/1750rpm


燃料タンク:52ℓ


車両本体価格:329万7000円

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