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日産デイズに用意されるSOSコールが三菱eKクロス/ワゴンに設定されない理由


高級車の装備と思われていた緊急時のコール機能を、軽自動車に用意したことで注目されている新型デイズ。しかし新型ekクロス/ワゴンにはなぜか設定されていない。どうしてなのかを調べてみた。

 日産の新型デイズにメーカーオプションとして用意されたのが、SOSコールという名称のヘルプネット。乗員が急病や事故発生などで危険を感じたときには、ルームミラー後方に設置されたSOSコールスイッチを押すことで専門オペレーターと音声通話ができ、警察や消防への連携をサポートしてくれる。またエアバッグが展開するとスイッチを押さなくても自動的に通報される。



迫力のフェイスデザインで注目を集めている三菱ekクロス。

 さて、ご存知の通りに日産の新型デイズと三菱のekクロス/新型ekワゴンは、基本メカニズムが同じである兄弟車。当然、SOSコールもこの両モデルに用意されているもの、と思っていたが、なんと、三菱のモデルには設定がないのだ。新しいメカニズムだけに、今回のフルモデルチェンジで両モデル同時に装着すべく開発されたもの、と考えるのが普通だろう。どうしてこの装備差が生まれたのかを調べてみると、「なるほど」という理由が判明した。



日産デイズのSOSコール作動時の流れ。

 実は、このような緊急自動通報システムは「D-Call Net」という仕組みを利用している。これは、認定NPO法人 救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)と、自動車メーカー、サービスプロバイダーからなる組織が推進しているもので、2011年からデータの集積、分析を行なってきた。これより前、2000年からサービスを開始していた「ヘルプネット」のシステムを、コネクテッド技術などの進化に合わせて発展させ、採用拡大を目指してきたものだ。



ホンダCR-Zに用意されていたヘルプネット。
こちらはホンダ・レジェンドのコール用スイッチ。


 これまで自動車メーカーではトヨタ、ホンダの2社が参画していたのだが、2019年3月28 日に新たに日産、スバル、マツダが加入したことが発表された。そして同日に発表された新型デイスに採用されたわけである。つまり、兄弟車といえども「D-Call Net」に参画していない三菱のモデルでは、まったく同じシステムは搭載できないことになる。




 また、3月に加入したマツダ、スバルの今後、発売されるモデルには「D-Call Net」によるヘルプネットが設定されていくことが予想される。そして三菱が「D-Call Net」に参画すれば、デイズと同じ装備が将来的にekクロス/ワゴンにも用意されるかもしれない。



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