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平成最初のクルマと平成最後のクルマは何だ!? トヨタ・スバル・ダイハツ編


平成も残すところあと10日足らず。そこで各メーカーの平成最初のクルマと平成最後のクルマを振り返ってみようという、世に溢れている平成振り返りモノ便乗企画。ここで取り上げるクルマは新型車、あるいはフルモデルチェンジのクルマで、マイナーチェンジや特別仕様車は含まない。まず第一弾はトヨタ、スバル、ダイハツ編だ。

トヨタの平成最初のクルマ:ハイラックスサーフ

二代目トヨタ・ハイラックスサーフ。フロントのガードバーは当時クロカン4WDに欠かせないアクセサリーでありました。

 トヨタの平成最初のクルマは平成元年5月に発売された二代目ハイラックスサーフ。ピックアップトラックのハイラックスをベースにしたキャビンタイプのクロカンモデルというのは初代同様だが、初代がトラックの荷台にFRPキャノピーを載せる構造だったのに対し、スチール製の一体ボディを採用することで乗用車感覚の室内空間とした。ボディは2ドアに加えてこのモデルから4ドアも追加。エンジンは2.0Lガソリンと2.4Lディーゼルターボ。バンタイプには2.8Lディーゼルターボを採用していた。




 ちなみに平成元年にトヨタから登場した他の新型車は、9月に二代目カリーナED&初代コロナエクシブ、10月にセルシオ(レクサスLS)、12月に四代目P8#型スターレットと80ランクルというラインナップだった。

当時はとしてはかなり先進的なインパネデザイン。中央の一等地に配されたシガーライターと灰皿が時代。
ボディはスチール製の一体型となり乗用車感覚を強めた。


トヨタの平成最後のクルマ:RAV4

復活のRAV4。「クロス・オクタゴン」と呼ばれる八角形をふたつ組み合わせたデザインが印象的。

 平成31年4月10日に発表されたのが、五代目となる新型RAV4。三代目を最後に一時日本での販売を中断していたが、五代目から日本市場に復活を果たす事になった。エンジンは2.0L自然吸気と2.5Lハイブリッドの二本立て。2.0LのNAでは力不足なのでは…と思いきや、発進用のギヤを持つダイレクトシフトCVTと最大級の熱効率を誇るエンジンによる瞬発力のおかげで元気よく走る。




 また、2種類のエンジンに対し、3種類の4WDシステムを持つのが新型RAV4の最大の特徴。特に2.0L自然吸気に設定されるダイレクトトルクベクタリングAWDは、後輪左右の駆動力を0-100まで自在に配分し、オンロードでの旋回性、オフロードでの走破性に威力を発揮する。ハイブリッドのE-Fourも前後のトルクを最大20:80まで配分でき、後輪駆動のような感覚ももたらす。新型RAV4はとにかく「4WDが買い!」なのだ。




 平成最初と最後のクルマが奇しくもオフローダーモデルとなったトヨタだが、クロスカントリー4WDのハイラックスサーフ、クロスオーバーSUVのRAV4と、この30年でのSUVの変遷が見える様で興味深い。

30年間経ち、インパネはモニターがいちばん目立つようになった。
後輪左右の駆動力を自在に配分するダイナミックトルクベクタリングAWDを採用。


令和最初のトヨタ車は……?

 それでは令和最初のトヨタ車は何になるのか。やはりGRスープラになるハズ。すでにデトロイトショーで発表され、今春の日本市場での発売が決定しており、予約注文も始まっている。正式な発売はまだだが、高い確率でGRスープラが令和最初のトヨタ車となるだろう。

平成最初のスバル車:レガシィ

ボクシーなスタイルが印象的な初代レガシィ。

 平成最初のスバル車は、平成元年1月23日に発表された初代レガシィ。スバル起死回生のための渾身の1台として、すべてを新設計して生まれた。後に「レガシィと言えばツーリングワゴン」というイメージが強くなったが、発表当時の広報資料に「世界に通用する存在感のある”ドライバーズセダン”として、レガシィを開発しました」という一文があるように、セダンが主でワゴンは従という位置づけであった。




 そんなスバル期待のレガシィは、むしろステーションワゴンが人気となり、他メーカーもこぞってステーションワゴンを発売するなど、日本車の新しいスタンダードを作ったとも言えるメガヒットとなる。それまでの「ちょっと野暮ったい」スバル車のイメージを、大きく変えた一台であった。

10万km世界最高速度記録の達成も、レガシィの高性能アピールに大きく貢献した。
レガシィの人気を不動のモノにしたワゴンモデル。


平成最後のスバル車:フォレスター

より安全快適に進化した五代目フォレスター。

 平成最後のスバル車は、平成30年6月20日発表の五代目フォレスター。スバル車の中で最もSUVらしさを持つクルマとして、北米を中心に大ヒットを飛ばすモデルである。先代の人気を元に、新プラットフォームの採用、ガソリンエンジンの全車2.5L化、一層使いやすくなったユーティリティと正常進化を果たした。後に2.0Lハイブリッドモデルが加わるなど、盤石の姿勢で着実に販売台数を伸ばしている。

視界の良さはスバル車に共通した美点のひとつだ。
ゴルフバッグを横にしたまま積める開口部の広さは新型フォレスターのポイント。


令和最初のスバル車は……?

すでにシカゴとニューヨークショーで2020年の発売が予想される新型のレガシィ/アウトバックが令和最初のスバル車となるのでは? とすると、平成最初と令和最初のスバル車がともにレガシィになるということに。

シカゴオートショーで発表された新型レガシィ。
ニューヨークショーで発表された新型アウトバック。


平成最初のダイハツ車:シャレード・ソシアル

シャレードベースのコンパクト4ドアセダン。シャレード・ソシアル。

 平成最初のダイハツ車は、平成元年3月14日に発表されたシャレード・ソシアルだ! ……と言ってもピンとこない人も多そうなので解説を。当時ダイハツを代表する登録車(軽自動車ではなく、いわゆる白ナンバー車のこと)だったシャレード。シャレードは2BOX(いわゆるハッチバック車の、当時の一般的な言い方)の合理性、実用性とハイクオリティをベースに、3BOXセダンの機能と快適さを徹底追求して生まれた新快適セダン……というのが商品コンセプト。




 全長4m以下のコンパクトサイズにクラスを超えた大きなキャピンと288lの大きなトランクを備えた新・快適サイズセダンだ。エンジンは1.3l。トランスミッションは5速MTと3速ATというこのクラスとしては一般的な構成。月販目標はシャレード2BOXの4000台に対し、3000台とかなり期待を寄せていたのが窺える。

こちらはリヤビュー。ちなみにこの広報写真は切り抜きで使用する事を前提に用意されたモノ。今ではデジタルで修正するので、これも平成の30年間で変化した部分だ。

 ちなみに、ソシアルのような派生車種ではなく、完全ブランニューのダイハツ車となると、平成元年7月デビューのアプローズになる。一見4ドアセダンに見えるが実はトランクがリヤウインドウごと開閉するという「4ドアセダンの形状をした5ドアハッチバック」である。1.6Lエンジンを積み、ダイハツのフラッグシップセダンとして、2000年のアルティス登場まで販売が続けられていた。

バブル全盛期にあえてシンプルなスタイルで登場したアプローズ。
実はリヤウインドウも一緒に開く5ドアハッチバック構造。


平成最後のダイハツ車:コペン クーペ

コペンシリーズ初のクーペモデル。

 平成最後のダイハツ車は、平成30年12月19日に発表されたコペン クーペ。丸目スタイルのコペン セロをベースにクーペボディを換装。オープンボディとはひと味違い流麗なフォルムを手に入れた。「屋根の開かない軽自動車のスポーツクーペ」としては、オートザムAZ-1以来の存在となる。

滑らかなルーフからのラインはクーペならではだ。
リヤウインドウを開いて、ラゲッジにアプローチできる。


「限定」を除くと平成最後のダイハツ車はミラ トコットに。

 ただし、コペンクーペは200台の限定発売。純然たるカタログモデルとなると、平成30年6月25日発表のミラ トコットとなる。女性や初めてクルマを購入する若年層をメインターゲットに、肩ひじ張らず、自然体でいられる一台として開発。女性社員が集まり、企画・コンセプトを検討・提案したこともポイントだ。

飽きのこないシンプルなスタイルがミラ トコットの特徴。
シンプルなのはインテリアも同様。使いやすさももちろん考えられた上のもの。


令和最初のダイハツ車は……?

 今年のオートサロンでコペンのGR SPORT CONCEPTが公開され、高い確率で販売されそうだが、純然たる新型車としては登場以来6年が経過しようとしているタントのフルモデルチェンジが期待される。ライバルのN-BOXやスペーシアが新型に移行して順調に販売台数を伸ばしているだけに、新型の投入が待たれるところだ。

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