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【実走燃費23.5km/L】乗ってわかった並列4気筒の魅力。CB650Rの豪快さに惚れた/ホンダ


新世代CB-Rは1000を筆頭に125まで4モデルがシリーズ化されたホンダの主力スポーツモデルである。3月15日に発売された650はCB650Fをベースに刷新し、シリーズ完成をしめくくる大トリのモデルとして登場した。直列4気筒エンジンを搭載する贅沢なパフォーマンスとそこから発揮される豪快な乗り味が堪能できた。




REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)


PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

ホンダ・CB650R・・・・・961,200円

どこへでも自由自在な旅道具として気軽で格好の相棒に。車体色はグラファイトブラック、キャンディークロモスフィアレッド、マットベータシルバーメタリックの3タイプある。

 CBシリーズの新時代を直感させてくれたのは、これまでにない斬新なスタイリングにある。フロントマスクは個性的なLEDヘッドランプやシュラウドデザインが新鮮。ツイン吸気ダクトは前後方向から吸気する新構造が採用され、高効率化も追求されている。




 発表時のプレスリリースに掲げられた開発コンセプトには、「都市のライフスタイルに興奮を」Middle Sports Roadsterと言うキーワードが明記されていた。




 全体のネイキッドフォルムは既に1000や250&125で見慣れていたが、650は4気筒エンジンの搭載を堂々と主張する。特にエキゾーストパイプ4本が綺麗に居並ぶ見栄えはとても印象深い。ショートマフラーの採用等、マスの集中化が徹底されたコンパクトなパワーユニットは、同時に軽快なグッドハンドリングへの期待感を高める見逃せないファクターである。




 ちなみにCB-Rに400モデルは無い。ミドルスポーツ(ネイキッド)はこのCB650Rのみ。斬新で格好良い外観デザインのエキパイ部分は、かつてスーパースポーツであることを明確に訴求して登場したCB400F(ヨンフォア)を彷彿とさせた。




 スチールのダイヤモンドフレームはピボットプレート部に軽量高剛性を両立する閉断面プレス(モナカ)構造を採用。ステアリングのボトムブリッジはアルミ鍛造部品を使用、薄く軽量なメーターの採用等、随所に見られるマス集中化策の徹底ぶりは印象的である。




 詳細解説は割愛するが、エンジンも吸排気系や内部の主要部品、制御系に至るまで徹底的に専用チューニングされている。実際ピークパワーを向上しながら、谷間の少ないなだらかな出力特性を発揮しているのである。




 コンパクトな車体は202kg。12000rpmで95psを発揮するエンジンとの相性を考えれば、豪快かつエキサイティングなパフォーマンスへの期待値は疑いようがないだろう。


 

ワクワクと胸踊る4気筒ならではの吹け上がり、若々しくエキサイティングな走りが気持ちいい。

6速トップギヤ100km/h時のエンジン回転数は4700rpm。

 今回の試乗は、400Xからの乗り換えでスタートした。両車はキャラクターも排気量も異なるが、まず印象的だったのがエンジンブレーキが強力だったこと。市街地の通常走行において、赤信号等で右手のスロットルを閉じると2気筒の400Xよりもグンと強い減速力が働き、手(足)動ブレーキに頼る頻度が減少したのである。


 


 ギヤ比やクランクマスの違いによる影響もあるが、4気筒エンジンのフリクション(摺動抵抗)の大きさに改めて気付かされた。市街地でのごく一般的な走り方ならブレーキパッドの消耗もかなり節約できる感じである。


 


 さて、F.C.C.製のアシストスリッパー付きクラッチは(要求握力が)軽くとても扱いやすい。この操作性ならロングツーリングでも左手が痛くなるような事はまずないだろう。


 


 暖機後のアイドリングは1250rpm、ブーッと言う4気筒ならではの低く連続的な排気音が印象深い。ローギヤにシフトし、クラッチミートする瞬間にはエンジン回転が100回転ほど自動上昇して発進時に微妙なトルクアップがはかられる。おかげで、エンストさせる失敗は大幅に減少する。




 ローギヤのままエンジン回転を5000rpmにするとスピードは42km/h。ちなみに回転計のレッドゾーンは12500rpmからである。つまり全開加速すればローギヤで100km/hオーバーまで引っ張れるポテンシャルがあるわけだ。




 回転の上昇は基本的にとてもスムーズ。3500rpmあたりからはもりもりとトルクの膨らみが実感でき、7000rpm以上で魅せる吹け上がりはまさにエキサイティング。




 低回転域のスロットル微開、あるいは一定極小開度で伸びを待つ様なシーンで若干吹け上がりが滞る事がある点が少し気になったが、5000や7000rpm前後の領域を駆使してワインディングロードを駆け抜ける様なシーンでは、スロットルレスポンスも良く、若返る程素直に気分が高揚する走りが楽しめた。




 走りの実力としてはそこまで使わなくても既に十分なパフォーマンスが発揮でき、強力なストッピングパワーも含めてストリートスポーツとして不足はない。まさに自由自在になる楽しい走りが堪能できるのだ。




 カウルを必要としない速度域で走る限り、その生き生きとエネルギッシュな走りは、パワー感としてとても豊かである。どんな場面でも余裕を控え持つ乗り味は贅沢である。


 


 全体的にカチッと剛性感の高い乗り味は素直なグッドハンドリングに貢献。市街地での足代わりでも扱いやすいし、峠道を身を翻して駆け抜けるシーンでも気持ちよく快走できる。




 ややスポーティ寄りに仕立てられたライディングポジションが絶妙でライダーの全身の筋力をバランス良く活用すると、ロングツーリングでも快適に走れたのが魅力的である。




 通常の一般的な走りの中では常に余裕しゃくしゃくで居られる。バイクに乗る時の、そんな心持ちはとても気分が良いのである。




 ちなみに実走燃費率は市街地渋滞路も含めて高速や郊外トータル約300kmを走行して満タン法計測23.5km/Lだった。

■足つき性チェック(ライダー身長170cm)

結構スポーティーなステップ位置。足を着地させるとふくらはぎにちょっと触れる。写真の通り両足の踵は少し浮く。シート高は810mmだが足つき性は悪くない。


⚫️ディテール解説

CB-Rシリーズ一連のヘッドランプデザイン。ネイキッドスポーツとして斬新なデザインはなかなか格好良い。普遍的な丸型ランプの中にLEDで独自デザインを構成する個性的なフロントマスクだ。

フロントフォークは倒立式、新開発された低フリクションオイルを使用。ステアリングのボトムブリッジはアルミ製だ。シングルディスクブレーキは10ピンフローティング支持されるφ310mmローターにNISSIN製油圧対向ピストンキャリパーをラジアルマウント。

水冷ツインカム(DOHC)16バルブの直(並)列4気筒エンジン。ボア・ストロークは67×46mmのショートストロークタイプだ。重量物であるエンジン関係部品を車体中心部に寄せることでマスの集中化にこだわったデザインも特徴の一つ。

ちょこんと右側に顔を出すショートマフラーがなかなか格好良い。スイングアームはアルミ製。リヤのシングルディスクブレーキはφ240mm。NISSIN製のピンスライド式油圧ブレーキキャリパーがマッチされている。

リンク機構を持たないモノショックサスペンションはフリクションの少ないピローボールが採用されて作動特性が高められている。

昔はコンチハンと呼ばれたタイプ。スマートに決まるハンドルポジションは若干低めでスポーティーな印象を覚える。

ハザードスイッチも左側にセットされたハンドルスイッチ。パッシングは黒いディマースイッチの下側を押す方式。人指し指で扱うスイッチはトルクコントロールの選択に使う。
右側のスイッチはごくシンプルに赤と黒のふたつ。赤はエンジンを停止するキルスイッチ、黒はセルモーターを回すスタータースイッチだ。


スッキリとシンプルにデザインされたフルデジタルメーター。フラットな液晶モニターが採用されて薄く軽量に作られている。表示内容はギアポジションやシフトアップインジケーター他、実に多彩である。

軽い段差をつけた前後セパレートシート。フロントの先端部は上面両サイドが大胆に面取りされて細身。足つき性をスポイルしないデザインが印象深い。
左脇のキー操作でロック解除すればリヤシートのみ脱着可能。車載工具や書類、ETC等を収納できるスペースがある。


シートエンド真下にデザインされたLED式テールランプ。ウインカーランプは後下方に伸びたナンバーステー兼リヤフェンダーに取り付けられ軽量化も果たしている。

■主要諸元■

車名・型式:ホンダ・2BL-RH03


全長(mm):2,130


全幅(mm):780


全高(mm):1,075


軸距(mm):1,450


最低地上高(mm):150


シート高(mm):810


車両重量(kg):202


乗車定員(人):2


燃料消費率(km/L):


国土交通省届出値


 定地燃費値(km/h)…31.5(60km/h、2名乗車時)


 WMTCモード値(クラス)…21.3(クラス3-2)1名乗車時


最小回転半径(m):2.8


エンジン型式:RH03E


エンジン種類水冷4:DOHC4バルブ直列4気筒


総排気量(㎤):648


内径×行程(mm):67.0×46.0


圧縮比:11.6


最高出力(kW[PS]/rpm):70[95]/12,000


最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):64[6.5]/8,500


燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉


始動方式:セルフ式


点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火


潤滑方式:圧送飛沫併用式


燃料タンク容量(L):15


クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式


変速機形式:常時噛合式6段リターン


変速比:


 1速…3.071 


 2速…2.352


 3速…1.888 


 4速…1.560


 5速…1.370


 6速…1.214


減速比(1次/2次):1.690/2.800


キャスター角(度):25゜30′


トレール量(mm):101


タイヤ:


 前…120/70ZR17 M/C(58W)


 後…80/55ZR17 M/C(73W)


ブレーキ形式:


 前…油圧式ダブルディスク


 後…油圧式ディスク


懸架方式:


 前…テレスコピック式


 後…スイングアーム式


フレーム形式:ダイヤモンド

■ライダープロフィール 

元モト・ライダー誌の創刊スタッフ。約36年の時を経てモーターファン.jpのライターへ。常にオーナー気分になって、十分使い込んだ上での記事執筆に努めている。

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