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ほとばしる汗! ムキムキのタンクトップ! 「ヤマハ アクティブスポーツ(1984)」【青春型録 第1回】


旧いカタログには青春のイケイケが詰まっている! を合言葉に、TDF代表の津田洋介師匠と弟子の宮崎があれこれバイク談義する新連載企画。毎回、たった1点のカタログをネタに互いの恥部を見せ合います!(月刊モトチャンプ 2018年12月号より)




語り:津田洋介 まとめ:宮崎正行


津田洋介

モトチャンプ読者にはすでにおなじみ、80 ’sスクーターを中心に往時のバイク文化にあまねく精通する「TDF」代表。


宮崎正行

CB750Fにずっと乗っています。最近グラトラを格安で手に入れました。気負いのまったくない原付みたいな250です。

都会派のイメージに足された“フィットネス”

─3分前に名刺交換したばかりの、まったく初対面のアラフィフ男子2名が編集部のSさんに「さあ、ヤマハのアクティブスポーツについて存分に語ってください!」といきなり促されても困っちゃいますよね?




津田 イ○クラなのにトーク一切無しって、ありえないですよね。行ったことないですけど。




──前戯なしで本○を強要される身にもなってほしい。まあ僕も行ったことないですよ、イメ○ラ。




津田 Sさんは前戯なんてしなさそうなタイプですからね。いちおう前説から始めると、千葉県に東京ディズニーランドが完成した1983年にヤマハから発売された高級スクーターが「アクティブ」です。




──さすが津田さん、ちょっと勃ってきました。売れに売れていたホンダ・リードへの対抗馬ですよね?




津田 そう。リードと同じような大柄ボディに搭載されたのは、当時50㏄スクーターでは初めてという「7ポートトルクインダクションシステム」装備の新エンジンです。




──5.7馬力! でも7ポートなんとかって、何ですかね?




津田 スタンダードが5.5馬力なので、0.2馬力の出力アップを果たしている。そのあたりは当時、商品力アップのために欠かせない0.2馬力だったわけです。そのわずかな馬力差にライダーは興奮し、「オレのほうが速いはず」と新車購入のモチベーションにしたのですから。5.7馬力という数字も当時の50㏄スクーターとしては最高スペックでした。




──7ポートのくだりはやんわりスルーしましたね。




津田 フロントサスにはアンチノーズダイブ機構付きのボトムリンクを、リヤサスにはガスクッションを採用しています。凝った装備が目白押しでカタログにはキーワードこそ満載ですが、ページ数の都合かいささか駆け足ぎみに説明されています。




──そこらへんが勿体つけていなくて好感が持てます。「スポーツ」仕様ならではの派手なグラフィック、ボディカラー同色のバックミラーやプロテクターも、自動車コンプレックスが垣間見えてうなづいてしまう。




津田 たしかにオプションで用意されているナックルガードも、もはやクルマのドアミラーにしか見えません。でもじつはこのアクティブでマニアがいちばん注目したのは、アルミキャストホイールなんです。




──スポーツのカタログではいっさい触れられていませんね。書いてあるのはチューブレスタイヤのことだけ。パンクに強いですよ、と。

まさかの、主役のバイクより大きい汗だく写真!

脱衣シーンは アクティブだけ!


汗だくのタンクトップ外人表紙をひとたびめくれば、さらに“ハード”な脱衣シーンに目を奪われる。追加仕様の「スポーツ」でフィーチャーされるのは3連のアナログメーターで、とくにタコは1万rpmまで刻まれており、速度計の60㎞ /h表記との間に温度差を感じてしまう。

マッドガードは まさに“誰得”

ひと通り取り揃えられたオプションパーツ群、とくに豊富なカラバリには目を見張るものがある。バックレストパッド付きリヤボックス1万6000円はなかなか高いが、マッドガード900円はかなり安い。

左3台が「スポーツ」、中央3台が「スタンダード」のアナログメーター 仕様で、右3台がデジタルメーター仕様となっている。いちばんエラいのがアナログメーター仕様であることは言うまでもない。

津田 このホイールをペリカン(初代ジョグ)や後期のタテ型エンジン車に流用してしまうんです。当時、そんなことが流行っていました。




──太いタイヤが履けたんですね。メーターは、スタンダードモデルではアナログとデジタルの2つから選ぶことができました。スポーツになるとアナログ一択。デジタル式がなんとなく偉い、カッコいいとされていた1983年当時にあっては、かなりのアナログ推しと言えますね。




津田 自動車のスポーツカーではまだまだアナログ式が主流でしたし、メーター類がたくさん着いているほど“走り重視”を感じさせてくれました。だからアクティブもアナログ3連で、鼻息荒かった(笑)。




──そこはスタンダードモデルのデジタルっぽい“都会派シティボーイ”イメージと、スポーツモデルのアナログっぽい“体育会系エリート”イメージのせめぎ合いかも。結果の2仕様併売システム。体育会といえば、カタログのメインビジュアルは、マッチョな白人男性が汗まみれでエクササイズ㏌フィットネスジムなイメージですね (笑)。




津田 そんなにはかかないだろうってくらいに、滝のように汗をかいている。ハンパない“シズル感”。表紙からしてこの熱気、高湿度。口も半開きでサムソンな感じ。




──えー、いちおう補足しますと、80年代に創刊された雑誌「サムソン」はデブ専フケ専がメインターゲットですのでちょっと違います。強いて言うなら「薔薇族」っぽい。




津田 ……詳しいね。くり返しますがフロントサスはアンチノーズダイブ機構付きボトムリンク。当時、各方面でやたら持てはやされたアンチノーズダイブですが、どれも完成度がイマイチで、ノーズがダイブしたまま戻らずっていうのもあったな。




──どこか空回りしていた新機軸テクノロジーが懐かしいですね。




津田 そうそう、アクティブには「ワンツースタート機構」という新装備


もありました。




──何ですか、それ?




津田 イグニッションのONとOFFの間に「START」があるんです


よ。そのSTART位置でまずエンジンを始動。いざ走り出す段になったらONにすると後輪も回転し始める。飛び出し急発進防止のためのセーフティ機構ですね。




──なるほどー。ちなみにスタンダードモデルのカタログに踊るメインコピーは、「男たちの行動感性を360°に広げて、ダイナミックデビュー」です。とくに「感性」あたりが80年代チックですね。




津田 行動感性って、何だろう……自由気ままに、ココロの赴くままに走り回れってことかな?




──たぶん、勢い余ってのコピーかと。深く考えないでやみくもに前進するのが80年代の流儀でしょう。




津田 モデルの彼はスクーターのカタログって知らされてたのかな? 今どこで何をしているんだろう、彼。




──もしプライベートで今でもアクティブに乗っていたら美談ですね。




津田 それはない!(笑)

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