ジャパンディスプレイの常務執行役員・CTOの永岡一孝氏が壇上でプレゼンテーションする。



「2015年に国連サミットで採択された『持続可能な開発のための2030アジェンダ』。SDGsと呼ばれているものです。17の目標があり、我が国でも行政、NPO、NGO、そして民間企業、いろんな団体がこの目標の解決のために、日々活動しています。ジャパンディスプレイもさまざまな活動をしておりますが、今回、ピックアップしたのは11番です。『住み続けられるまちづくりを』。ジャパンディスプレイはそのために、スマートバス停のためのディスプレイを開発し、提供をしてまいります」



「皆さんご存じのとおり、地方へいきますとバス停が、あるいはバス交通網が唯一の交通機関ということがあります。もしそのバス交通網がなくなってしまうと、まさに『住み続けられるまちづくり』ということができなくなる、ということを意味しています」



 理屈はわかるんだけど、ディスプレイでまちづくりって、ソリャちょっと風呂敷を広げすぎなんじゃないですか、なんて意地悪な感想を抱きながらプレゼンテーションを聞いていた。だってバス交通網を継続させるために、いったいディスプレイがバス停においてどのように寄与できるのか、さっぱり想像がつかないのだ。



「ではそのバス事業で何が問題になっているか。じつは、あの時刻表、紙を張り替えるという作業、コストが非常に重荷になっています。しかしながら、スマートバス停を使いますと通信で時刻表を替えることができますから、この課題を解決することができます」



 ん? そうなのか……張り替えの手間を省く……これは通信×ディスプレイがもっとも活躍できるシチュエーションだな……。けど、電気はどうするんですか。過疎地ならなおさら、電源を引くのは大変でしょう。



「そしてオフグリッド、要は電力網から離れたところという意味ですが、もしオフグリッドで動作可能なスマートバス停であれば、クリーンなエネルギーを使いますし、電源を敷設するといったコストも抑えることができます。さらには、地域情報や災害情報を、もしそのスマートバス停が表示できれば、そのスマートバス停は街の情報発信の中心になると考えています」



 おお……こちらの懸念はお見通しってことですね……。これはひょっとするとひょっとするかもしれない……。



「さて皆さん、日本国内に何個のバス停があるとお思いでしょうか。約、50万個です。ではその50万個のうち、スマートバス停は何個あるでしょうか。1%にも満たない数です。データによっては0.1%にも満たないというものもあります。なぜこれほど便利なスマートバス停が広がらないのでしょうか。その理由は単純です。電気が来ていません。国内の70%のバス停には電気が来ていない、“オフグリッド”なんです。30%だけ電気が来ている。JDIはこれを解決しました」



「もし、普通にスマートバス停をつくろうとすると、いわゆるテレビモニターをはめ込むということを考えると思います。テレビモニターの消費電力というのは低くても200W、高いものだと1000Wです」



 ドライヤーとかホットプレートレベルってことですよね……常時電源じゃないと到底成立しません。



「それに対して、こちらの消費電力は、わずか0.3Wです。ですから、太陽光パネルと小さいバッテリの組み合わせだけで、このスマートバス停は動作が可能になります」



 れ、0.3W? 桁が違うなんてレベルじゃないですよ? 一体どうやってそんな性能を実現しているのだろうか。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 超低Wの液晶ディスプレイが街を救う