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一体どんなスイッチがついているんだ! トヨタ新型センチュリー編


機能性が充実してくれば、それを操作するスイッチ類の数が増えるのは当たり前。だが、そのスイッチがなにかを理解していなければ、せっかくの機能もただの飾り。ということで、スイッチについて理解を深める【コックピットドリル】これを読めば、アナタもスイッチ博士。


今回は、10月に予定されている新天皇御即位パレードカーに選ばれ、いまもっとも注目を集める、トップ・オブ・お迎えカー、センチュリー!




Special thanks:瀨在仁志(Hitoshi SEZAI)/トヨタ自動車株式会社

気分は社長?!

必須アイテムは日経新聞か。はたまた世界を見据えてのピンク・ペーパー=フィナンシャル・タイムズか? 一体この空間ではどんな会話が繰り広げられるのか……。

クルマが滑らかに目的地へ到着し、運転手さんがうやうやしくドアを開ける。「ありがとう」を込めて微笑み、車外へ出る……。そういった日常に憧れをもったことがあるかたは多いだろう。社会に出たら、目指すはお迎えつき!!! と頑張っているかたも多いだろう。し~かし、そこは憧れで終わるのが世の常。でもね、気になるじゃないですか。運転手さんはどんなコックピットに座っているのか? 後席に身を沈めたとき、どんなめくるめく世界がそこに広がるのか!




というわけで、スイッチ類に理解を深めよう、と始まった【コックピットドリル】連載、(随分と間が開いてしまいましたが)第2回となる今回は趣向を変えて、ショーファーカーをフィーチャーします! 運転することは滅多にないからこそ、必見。全国の運転手の皆さまは、ご一緒に、レッツ・スタディ!


第1回は、新型SUBARUフォレスターをピックアップ!

コチラからどうぞ

シンプルなコックピットは、運転に集中! な玄人感。

極限まで無駄を削ぎ落とし、ドライビングに集中できるコックピット。職業運転手を生業としたら、この席こそが頂点、という感じだ。


一般のドライバーズカーと用途は異なり、「要人を目的地まで安全に、そして快適にお送りする」ことが第一義。よってコックピットも、その用途に沿って作られている。




では、例によってスイッチの説明に移る前に……。

シートポジションを合わせましょう

黄枠部分がシートアジャストスイッチ
アジャストは電動式の10ウェイだ


センチュリーでの主役は要人であると同時に運転手。よって、長時間の運転でも疲れないこと、は重要なポイントだ。シートアジャストはランバーサポートつきで、より身体にフィットした着座姿勢をとることができる。




① ランバーサポート(着座姿勢の安定化・着座疲労の軽減をはかるための腰部保持機能。シートの背面腰脇部を身体に合わせることができる。右を押すと前に出る、左で戻る)


② リクライニング(背もたれ角度調整。後ろに押すと倒れ、前に引くと起きる)


③ 座面スライド・チルトリフター(座面の前後・上下の調整ができる)

なかなか珍しいスイッチがありますよ! わかりますか?

運転席と助手席のドアには、マイコンプリセットドライビングポジションシステム(長っ!)のスイッチ、その右側にシートベルトアジャスター(しかも電動!)がつく。シートベルトポジションにも気を配っているあたりは、さすがショーファーカーと唸るところ。




① SET(パワースイッチONモード、シフトレバーがP位置で操作可能。運転席・ハンドル・ドアミラー角度を好みの位置に調整し、①を押しながら②の登録したい番号をブザーが鳴るまで押す。①を押した後3秒以内に登録したいボタンをブザーが鳴るまで押すことでもSET可能)


② メモリー(3名分。メモリー後は、パワースイッチON→シフトレバーP位置確認→登録番号をブザーが鳴るまで押す、で自分のポジションを呼び出すことができる)


③ シートベルト高さ調整(シートベルトの高さ調整。調整される場所はBピラー位置)

アームレストのスイッチもシンプルな誂えだ

運転席ドアのアームレストには、パワーウインドウスイッチと、ドアの開閉スイッチが備わる。必要な機能のみを装備することで、シンプルかつ高級感のある誂えに。




① ウインドウロック(運転席以外のドアガラスが作動不可となる。作動中はインジケーターが点灯する。インジケーターは赤枠部分)


② ドアロック(全ドアの施錠・解錠)


③ パワーウインドウ(軽く引き上げ・押し込むことでその操作している間、完全に引き上げ・押し込むとオートで全開・閉となる)




ちなみに、一番右は




④ ドアハンドル(上に引き上げることで解錠され、ドアが開く。運転席以外のドアハンドルは、一回引き上げると解錠となり、もう一回引き上げるとドアが開く2段式)




触感にまでこだわった本杢のドアハンドルは、引き上げ式。ドアを開けるときの仕草にまで気を配ったつくりだ。

ステアリングのチルト&テレスコスイッチは、左側にある
このスイッチを上下前後に動かし、ポジションを決める


シートと同時にステアリングポジションも重要。ショーファーカーとなれば、その重要性はかなり高い。ということで、もちろんこちらも電動です。




シートポジションが決まったら、ミラーを合わせましょう。

ミラー調節スイッチはなんと、ここ!

ドアミラー調整スイッチの位置をみても “ポジションを合わせる” 操作のプライオリティーの高さを窺わせる。




① ドアミラー格納・復帰(ミラーを格納するには左側、元の位置に戻すときは右側を押す。スイッチを中立の位置・AUTOに合わせると自動モードとなり、ドアの施錠・解錠と連動となる)


② 鏡面調整(上下・左右の角度を矢印で合わせる)


③ 左右ミラー選択(調整するミラーを選ぶスイッチ。L=左、R=右)




ミラー調節スイッチの横のふたつのスイッチはヘッドランプ関係だ。




④ ヘッドランプクリーナー(ヘッドランプにウォッシャー液を噴射し、ヘッドランプを洗浄することができる。パワースイッチがONでヘッドランプが点灯している場合のみ)


⑤ アダプティブハイビームシステム(ハイビーム使用時でも、先行車や対向車に光が当たらないよう、一部分だけ光を遮ることができるシステム。このスイッチをONにし、ランプスイッチをAUTOまたは、AUTOのふたつ上のアイコンにセット、レバーを前方に押すことで作動する。作動中は前方メーターディスプレイにAHS表示灯が点灯する)




気になる、⑤の「アダプティブハイビームシステム」だが、フロントガラス上部に設置されたカメラセンサーで前方車両のランプや街路灯などの明るさを判定、ヘッドランプの配光を制御。車速によってハイビームの明るさと照らす範囲の調整をし、カーブ走行時には進行方向側をより明るく照らすというように、前方車両への眩しさを緩和しつつ、前方視界の確保を補助してくれるシステムだ。


こちらは試乗中には体感できず……残念。

ミラースイッチ下には、フューエルリッドとリヤゲートスイッチ、もうひとつは?

ミラースイッチの下は、こんな感じ。一番左のスイッチはというと……。




① コインホルダー(こちらには、オプションでETCをビルトインすることができます。写真はETC付きバージョン)


② フューエルリッド(ガソリンスタンドに行ったら、給油口を開きます。ちなみに、給油口は左側にございます)


③ リヤゲート(トランクを車室内から開ける場合はこのスイッチで)

ETCもスッキリ収納。いまや必須のETC、こちらに設置するのがオススメ
なにかあったときのために、覚えておきたいのがボンネットオープンスイッチ


それでは、お待たせしました。システム起動スイッチ(サイドミラースイッチ左にあります。ちなみに、ハイブリッド車なのでスターターではなく、起動スイッチ)をプッシュして参りましょう。


スイッチのカラーは、ハイブリッド車を示す青色だ。

必要最小限のスイッチ配置

「それでは、参ります」「おう、やってくれ」という会話があるかどうかは定かではありませんが、とりあえず、出発しましょうか。


運転時、ステアリングを握りながら指で操作できる位置には、必要最小限のスイッチを配置。かなりシンプルな仕立てとなっている。

左はメーター内ディスプレイの切り替えと通話、オーディオなどの操作スイッチだ
右側のステアリングスイッチにはクルーズコントロールの操作系が並ぶ


左|メーター操作スイッチ、音量スイッチ関連


① リターン(前の画面に戻す。短押し・長押しで戻る階層が変わる)


② ハンズフリー通話(動作確認済のBluetoothで接続した携帯電話の操作ができる)


③ コンテンツ表示変更・決定(=コンテンツの切り替え、ページ送りができる。∧・∨でメニューの切り替え、カーソルの移動ができる。選んだら、センターのOKスイッチの短押しで、決定。OKスイッチは、長押しすることでリセットとなり、次画面を表示させることができる)


④ 音量調整(+で音量が大きく、-で小さくできる。単押しで1段階、長押しで連続調整が可能)


⑤ トーク(音声認識モードを開始・中止するときのスイッチ。押すと「ご用件をお話しください」と音声操作モードとなる)




⑤のトークスイッチは音声操作のシステムのスイッチだが、ではどこで声を拾っているかというと、運転席・助手席のサンバイザー手前。そこに集音マイクがある。




右|クルーズコントロール、オーディオスイッチ関連(センチュリーの運転手がクルコンを使うかどうかは甚だ疑問だが……)


① LDA(レーンデパーチャーアラートの略。白・黄線が整備された高速・一般道を走行中に車線逸脱の可能性をドライバーに警告する機能のON/OFFスイッチ。逸脱を回避するためにハンドル操作の一部を支援するステアリング制御機能もついている)


② 車間切り替え(クルーズコントロール使用時の車間の設定ができるスイッチ。3段階で、1回押すと長い・中間・短いと変更される。車間の目安は、長い=約50m・中間=約40m、短い=約30m)


③ +RES/-SET(クルーズコントロール使用の際、車速をセットする場合は、車速を50km/h以上にしてから-SETスイッチを押すことで、セットできる。50km/h以下で押した場合は、50km/hにセットされる。クルーズコントロール設定時には、速度変更がこのスイッチでできる。+RESで車速が上がり、-SETで下がる)


④ キャンセル(制御を解除する際はキャンセルスイッチを押す)


⑤ クルーズコントロールメイン(レーダークルーズコントロールのON/OFFスイッチ。スイッチ短押しで車間制御モードとなり、車間・速度を設定できる。長押しすると、定速制御モードのシステムがONとなる)


⑥ MODE(ラジオやテレビなど、オーディオソースが順番に切り替わる)


⑦ TUNE・TRACK(ラジオ・テレビはプリセットスイッチに登録されている周波数。チャンネルが順に切り替わる。Blue-rayプレーヤー・オーディオ系はファイルやトラックが切り替わる)




⑤で設定できる定速制御モードは、レーダーセンサーの汚れなどで、車間制御モードで走行できない場合に使用するモードということで、通常あまり使用することはないかもしれない(40km/h以上で設定可能)。

ステアリング裏側を見ていこう

左はワイパーレバー
右はウインカー(方向指示)、ライトの操作系レバー





① ワイパー作動レバー(レバーを上下させることで、ワイパーの作動を選択。Aのアイコン上から、△=一時作動/○=停止/AUTO=自動/▼=低速作動/▼▼=高速作動という順番)


② 雨滴センサー感度(AUTO選択時の雨滴センサー感度調整ツマミ)




レバーポジションのデフォルトは、○(=停止)位置となっている。AUTO選択時には雨滴量と車速に応じてワイパーが作動する。また、その際には、②のツマミを回すことで雨滴センサーの感度を調整できる。上に回すと感度が高くなり、下に回すことで低くなる。


また、手前に引くことによって、ウォッシャー液が噴射され、ワイパーが連動して数回作動する。




センサーがどこにあるのか気になると思います。はい。ルームミラーの裏側のフロントガラスに、というとわかりやすいでしょうか。まぁ、スイッチじゃありませんので、先に進みましょう。







レバーを上下にすることで、ウインカーが点滅する。右折時は下、左折時は上側へ。進行方向は、メーターディスプレイに表示される。上下はともに2段階。レバーを軽く上げる(下げる)とレバーを話すまで方向指示が点滅する。車線変更時に、数回点滅させるときに便利。強くレバーを上げ(下げ)することで、右(左)折完了まで継続的に点滅する(右左折終了後、自動で戻る)。


レバーを手前と奥に倒すと、ハイビームの作動ができる。奥側に倒すと、ハイビーム(連続点灯)となり、手前に引くと、引いているあいだハービームを点灯してくれる(対向車に道を譲るとき、エレガントにチョイチョイと引いて合図してあげましょう。間違っても高速道路などでチョイチョイチョイチョイ! としませぬよう)。




① フロントフォグランプ(Aのアイコンにツマミを合わせる。○=消灯/左側向きのイラスト=フロントフォグランプ点灯)


② ランプツマミ(Bのアイコンにツマミを合わせてランプの点灯作動を決定。アイコンは下から、○=消灯/AUTO=ヘッドランプ・LEDデイライト・車幅灯などの自動点灯消灯/両側が光っているイラスト=車幅灯・尾灯・インストルメントパネルランプの点灯/片側が光っているイラスト=車幅灯・尾灯・インストルメントパネルに加え、ヘッドランプを点灯)




リヤのフォグランプ設定されているグレードもある。その場合は、Aのアイコン表示がひとつ増える。

ステアリング奥のダッシュボードには、ODO・TRIPスイッチが見える

① ODO/TRIP(短く押すと表示が変更される。長押しは、リセット。トリップメーターを表示中に長押しすることで、走行距離を0に戻せる)




② インストルメントパネル照明調整(左右のスイッチにて調整。∨=暗くする/∧=明るくする)

では、目線を左に動かしてみよう

シフトレバーパネルにも七宝文様があしらわれる



まずはシフトレバーを見ていこう。シフトレンジはP(パーキング)・R(リバース)・N(ニュートラル)・D(ドライブ)のシンプルなもの。スポーツタイプではないため、パドルシフトはつかないが、意図的にシフトチェンジをする際は、Dレンジに入れた状態でシフトレバーを右に倒して(黄枠部)前後に動かすことで、シフトアップ/ダウンができる(Sレンジ)。




PレンジからDレンジに入れるときの、シフトレバーボタンはこちら。ドアハンドルと同じく引き上げ式となっている。実際に操作してみると、とてもエレガントな所作となることがわかります。




さて、シフトから目線を少し後席側へ移すと、ショーファーカーならではのスイッチを見ることができます。このスイッチ、きっと目にしたことがあるかたは少ないはず! このあと、見ることのないスイッチ、装備が続々登場!

後席に身を沈めたら、あとは運転手におまかせ

このスイッチは、なかなかお目にかかれません

センターコンソールには、電動パーキングブレーキのほか、ショーファーカーでなければ目にすることがないスイッチが並ぶ。




まず、右側のふたつ(赤字)を見ていこう。


① パーキングブレーキ(パーキングブレーキをかける・解除するスイッチ。引き上げることでパーキングブレーキがかかり、点灯する。解除時はブレーキペダルを踏みながら、スイッチを押す)


② ブレーキホールド(スイッチがONの場合、シフトレバーがD・SまたはNでブレーキを踏んで停車した場合にブレーキがかかったまま保持してくれる機能。アクセルペダルを踏むと同時に解除され、スムーズな発進ができる)




①のパーキングブレーキは、オート/マニュアルとモードが選べる。オートモード選択時は、シフトレバーをPからP以外にすると解除となり、逆の操作(P以外からPに)をすることで、パーキングブレーキがかかる。オートモードは、停車中にディスプレイにメッセージが出るまでスイッチを引き続けると設定できる(オートモード中でも手動操作は可能)。


ちなみに、オートモードは停車中にスイッチを引き続ける動作で設定できるが、走行中に引き続けることで緊急時対応となる。


②は、坂道発進などのときに便利な機能だ。




左側には、ショーファーカー・センチュリーならではのスイッチが。




① 助手席パワーシート1(スイッチ上部を押すことで、背もたれとヘッドレストを前倒し、シートを前方へ動かす。下部を押すと背もたれとヘッドレストが起き、シートが中立位置に戻る)


② 助手席パワーシート2(上部を押すと背もたれが前に傾き、下部で後ろに傾く)


③ 助手席パワーシート3(上部を押すとシートが前方に移動、下部で後方に移動する)


④ 助手席パワーシート4(上部を押すとヘッドレストが前倒しとなり、下部を押すと戻る)


⑤ 電動リヤカーテン(上部を押すと押し続けている間、リヤウインドウカーテンが開く。上・下部とも長押しするとオートの全開閉となる)


⑥ VSC OFF(ビークルスタビリティコントロールの略。急なハンドル操作、滑りやすい路面旋回時に横滑りを抑え、車両の姿勢維持をしてくれる。デフォルトはON。このスイッチは、OFFにする際に使用)


⑦ 車高選択(電子制御エアサスペンションで、HIGH車高とすることのできるスイッチ。乗員や荷物重量にかかわらず、一定の車高を維持する。ONで上がり、OFFにすると元に戻る)


⑧ SNOW(雪道など、滑りやすい路面での発進・走行時に使用。ON/OFF)


⑨ EVドライブモード(駆動用電池から動力供給し、電気モーターのみの走行モードとするスイッチ。電力不足、車速が高いとき、アクセルペダルを大きく踏み込んだときや坂道など使用できない場合あり)


⑩ リヤシート/オットマン位置戻し(リヤシートのリクライニング・オットマン使用位置を前席より中立位置に戻すことができるスイッチ)




要人が疲れて深い眠りについたころ、さりげなくシートをリクライニングさせ、到着の頃合いをみて位置を戻しつつお声がけ……(妄想)。


そして、注目は⑤電動リヤカーテンのスイッチ。あれ、後部ドアにもカーテンあったよね、と思ったかたはセンチュリー通。あります。リヤドアウインドウカーテン。ですが、電動ではありません。


リニアに開け閉めをすることなど造作もない昨今、なぜ、ここだけ電動ではなく手動なのか……そこには、古式ゆかしい日本人の心が宿っていたのです。


それは、「奥ゆかしさ」。


「恐れ入ります。少し顔を隠すことをお許しください」と要人が自ら閉める所作に、奥ゆかしさを込めているのだとか。


なんで自動じゃないの~? とガサツ度MAXな発言をした自分を、殴りたいです。




さて、それはそうと、⑥のVSCのほかにも、センチュリーではECB(電子制御ブレーキシステム)や ABS(アンチッロックブレーキシステム)ブレーキアシスト、TRC(トラクションコントロール)などなど、運転を補助する装置が自動で作動する。もちろん、補助的なもので装置を過信してはいけないが、運転時の安心につながることは確かですね。

次のスイッチにいくまえにちょっと休憩

スイッチではありませんが、センターコンソールボックスを見てみましょう。


さらに余談ですが、前席のカップホルダーは、シフトレバー左側にあります。

カップホルダー内の仕切りは清掃時のことを考えた取り外し式。常に綺麗に保つための小さな仕かけです






画像は右がリヤ側となります


シフトレバー左側につく2本分のドリンクホルダーは、アジャスターつきでさまざまなサイズに対応。コンソールボックスボックスのリッドは両開き式で、運転席・助手席どちらからでも開けることができます。


内部には


①コンセント(AC100V。1口)


②シガーソケット(DC12V)


③USB端子(2口)


がつく。また、着脱式のリッドがあり(Aの位置より外せます)、下段に深く大容量のスペースが現れる。宝物は、ここに隠させてもらいましょう(超小市民的発想で恐縮です)。

センターコンソールボックス蓋裏には……

さてさて、ここで突然クイズ・その壱。これはなんでっしゃろ。蓋の裏側に謎の爪があります。答えは最後に!

センタークラスターへ目線を上げましょう

CENTURYの文字がさりげなくも主張する

SDカードスロットは蓋つき
ここに隠されています


オーディオは、最近の流行りには乗らず、CDスロットのあるクラシカルタイプ。




① TUNE・ SCROLL(ラジオ視聴時は回すと周波数が切り替わり、音楽CD時はトラック/ファイルが切り替わる)


② SEEK・TRACK(プリセットスイッチに記憶されている放送局に切り替わる。音楽CD使用時は、トラック/ファイルが切り替わる)


③ ディスク挿入口(出し入れする際は、ここから)


④ イジェクト(CDを取り出すときはここを押す)


⑤ POWER・VOL(オーディオシステムをON/OFFするときは、プッシュ。ツマミを回すことで音量調整ができる)


⑥ SDメモリーカードスロット(番号位置のスイッチを押すと、蓋が開く。なかにカードスロットがある)

ビルトインのディスプレイは9インチ

ディスプレイは9インチと大型なため、写真のように右側にオーディオと空調の情報を表示しても地図が小さく感じることはない。もちろん、全面地図表示にすることも可能。では、上段スイッチから。




上段


① TEMP(車室温度の調整。赤▲で温度があがり、青▼で下がる)


② PHONE(ハンズフリーで電話を使用する際に押す。ステアリングスイッチからも操作可能)


③ AUDIO(オーディオソースを選択する場合はこのスイッチ。AM、FM、交通情報、CDやDVDなどを再生するDISC、SDやUSBなどの音楽ファイル再生、iPod/iPod2、Bluetoothで接続した機器からの音源再生、フマートフォンの画面を表示するMiracast、外部機器を再生するAUX、テレビの選択、そしてリヤシートのエンターテインメントシステムを操作することができる)


④ T-C(T-コネクトサービススイッチ。このスイッチで、緊急通報サービスヘルプネット、ナビ操作をサポートしてくれるオペレーターサービス、カーセキュリティサービス、クルマの設定を遠隔操作で変更、というサービスを受けられる。別途利用申し込みが必要)


⑤ 非常点滅表示灯(呼称はハザードスイッチ。赤いボタンに二重三角のマークは全世界共通)


⑥ MAP(現在のクルマの位置を表示するスイッチ。地図を自車位置から移動させた場合や、別でメニュー画面などを出している場合に、このスイッチを押すと現在の位置の地図表示となる)


⑦ MENU(エアコンの詳細設定ができる。フロントエアコンの操作、フロントシートヒーター/フロントシートベンチレーター/ステアリングヒーター、リヤエアコン操作、リヤシートヒーター/リヤシートベンチレーター操作、オプション操作は、このスイッチで設定画面を呼び出す)


⑧ HOME(ホーム画面表示。このスイッチでホーム画面に表示する画像と表示位置、レイアウトの変更もこのスイッチから)




下段


① 4-ZONE(独立モードスイッチ。すべての座席で設定温度を別にしたいときはこのスイッチを押す)


② 内気循環/外気導入(スイッチを押すたびに、内規循環 → AUTO → 外気導入、と切り替わる。選択されているスイッチの作動表示灯が点灯する。写真はAUTOで内気循環となっていることを示している)


③ 吹き出し口切り替え(送風位置の切り替えができる。スイッチを押すたびに、上半身 → 上半身と足元 → 足元 → 足元に送風しつつフロントウインドウガラスの曇りをとる、と4段階に切り替わる)


④⑤ 風量切り替え(⑤で風量を増やし、④で減らす)


⑥ フロントウインドウデフォッガー(除湿機能が作動し、風量が増えることでフロントウインドウの曇りとりをしてくれる。自動で外気導入になる場合もあるが、内規循環にしている場合は、まず外気導入にしてからこのスイッチを押そう)


⑦ リヤウインドウデフォッガー&ミラーヒーター(リヤウインドウの曇りをとるとき、ドアミラーの雨滴や霜をとる際に使用。このスイッチは、一定時間をすぎると自動でOFFとなる)


⑧ ファン停止(風量の増減は④⑤だが、止めたいときはこのスイッチを押す)


⑨ AUTO(エアコンをオート設定で使用する際に押すスイッチ)




上段 ②のPHONEスイッチは、ステアリングスイッチでも操作できることは前述のとおりだが、音声認識システムを使用して「◯◯へ電話をかける」と発声することでも発信することもできます。


エアコンには「ナノイー」技術が搭載されていて、ファンが作動すると自動的に「ナノイー」が作動し、助手席中央側吹き出し口を通じて水に包まれた肌や髪にやさしい弱酸性のナノイーイオンを放出、室内を爽やかな空気で満たしてくれるらしい。最近のクルマに多くなってきた機能だが、これは女性には地味にうれしい機能。


MENUスイッチの詳細設定画面には、フロントウインドウとワイパーブレードの凍結を防ぐための、フロントワイパーデアイサーもあります。都内で使用頻度は高くないかと思いますが。このフロントワイパーデアイサーを含め、デフォッガーやミラーヒーターを使用しているときは、表面などが熱くなる可能性があるため触れない、ということはあまりきちんと伝わっていないかもれしれないので、スイッチとともにぜひ知っておいてください。


また、内気循環/外気導入がAUTOのとき、GPSと連動してトンネルに差しかかると自動で内気循環としてくれる機能がある。ナビシステムの「安全・快適走行画面」から、MENU→設定・編集→車輌→安全・快適の順に進み、「トンネル連動内気」を選択。する/しないの切り替えができる。これはぜひ、使用したい機能だ。

目線をさらに上方にどうぞ

角度調整は本体を持って合わせよう

ミラーには自動防眩機能がついており、後続車のヘッドランプの眩しさに応じて反射光を自動的に減少させてくれる。黄点線枠部のAUTOスイッチを押すとONとなり、スイッチ左のインジケーターが点灯、OFFにするとインジケーターが消灯する。センサーはスイッチ左側と本体裏側にある。触れたり覆ったりすると、もちろん誤作動となるので、注意したいところだ。

① パーソナルランプ(いわゆる地図灯。ランプにタッチするとON/OFFができる。ドア連動となっているときは、ドアが開くとこのランプが点灯する)


② ヘルプネット(エアバッグ連動タイプのヘルプネットスイッチパネル。交通事故発生時や緊急事態発生時に自動またはスイッチ操作でヘルプネットセンターに電話し、車内からの通報を補助してくれるスイッチ。誤操作を防ぐため、スイッチにはカバーがついている。使用時はカバーを開けてスイッチ操作をする。エアバッグが開いたことを感知するなど、緊急性が高いと判断した場合は自動で通報が行なわれる)


③ ドアポジション(ドア連動スイッチ。ドアの開閉に連動してランプの点灯・消灯が切り替わる。ONのときは黄枠インジケーターが点灯する)


④ インテリアランプ(こちらもタッチ式。触れることでON/OFFができる)




②のヘルプネット利用には、T-Connectサービス登録が必要。登録後にヘルプネット開始操作をすることで利用可能となる。また、このスイッチは警察や消防への緊急通報サービスで、ロードサービスへの取次はしていない。覚えておこう。

地図灯はタッチ式
そっと触れると点灯します


天井には小物入れも付属。サングラスを入れるのにちょうどいいサイズです。200g以下で、と制限があることを今回初めて知りました

スイッチなんてないじゃない!

後席に身を沈める。あ~、なんか、いいですねぇ。うんうん。でも、スイッチはあまりないんじゃない?


いえいえ。そんなことはありません。なんなら、たくさんありました。とりあえず、軽いジャブ程度にドア上から。

ドア上、よ~くご覧ください。矢印のあたりです

スイッチではないものもありますが……




① コートフック


② エアコン吹き出し口


③ インテリアランプ(点灯/消灯。矢印部から左側)


④ 読書灯(点灯/消灯。矢印部から右側)




ではクイズその弐。写真一番右、⑤はなんでしょうか。答えは、




⑤ 調光スイッチ(読書灯の調光ができる。ツマミを上に上げることで明るくなり、下げると暗くなる)


でした。なかなか繊細な調光ができます。動画をご覧ください。

読書灯に至るまでの繊細な作り込み、さすがセンチュリー、と唸るところだ

そして、スイッチもさることながら、お気づきになりました? その下の部分。


アシストグリップ(手すり)の幅が、とても広く、安定性が抜群なのです。見ていくほどに細部にまで心配りのされたクルマだということがわかります(脱線の言い訳ではありません)。ちなみに、前席シートバックにも大きなアシストグリップがついています。

おまけ。後席にはどちらの席にもバニティミラー(ライト付ミラー)が備わります

見た目シンプル、じつは多機能

乗った瞬間、本当にシンプルなしつらえに「なにかスイッチはあるのかしら」と思ったのです。ですが、開けてみてビックリ! 多機能なパネルがあらわれました。正確には “スイッチ” というかタッチパネルなのでさわりだけ(タッチ……パネル、だけに……失礼いたしました~)。

一見なにもないように思えるが
そこには……


ディスプレイとドリンクホルダーが

① ドリンクホルダー(番号位置を押すと前側に倒れる。ドリンクホルダーはアジャスターつき)


② 操作パネル(後ろにスライドさせることで、7インチのタッチパネル式操作板が現れる。閉めるときはちょっと後ろにプッシュすると自動で閉まる)




③ HOMEスイッチ(写真画面がホーム画面。オーディオ・エアコン・シート・リフレッシュ・設定、と各種機能が後席より操作可能)

スペシャル後席はもちろん!
リフレッシュ機能のつく助手席の後ろ


オーディオは後席だけでなく、前席用も遠隔操作ができる。また、前後席で独立したソースを選択することができる。後席シートはリクライニングが可能。さらに! 助手席側後席は、スペシャル席なので、マッサージ機能がついています(ずっと体感していたかったです……)。

センターのボックスはかなりの大容量

後席のセンターボックスにもなにかがあります!
見やすく写真を回転させてますが、右がリヤ側となります


後席センターコンソールにはボックスティッシュもラクラク収納の大きなボックスが備わる。また、収納ボックス内には、




① イヤホンジャック/ボリューム調整つまみ(2口)


② USB(2口)


③ HDMI(1口)




が備わる。

ちょっと前に目線をフロントへ

ちょっと気になるフットレストはこんな感じ。もちろん、電動です。

グリップにも注目

後席に座ってまず目に入るのは、後席用の大型ディスプレイ。ディスプレイ下には、小物入れなどが備わります。

①中央で存在感を放つ大型ディスプレイ

ディスプレイ下はこんな感じになっている

②一番上は引き出しではなく、手前にポップアップするタイプ
③2段目は引き出し


④一番下も手前に倒れるタイプ

上から順に見ていこう




① 大型ディスプレイ(11.6インチ。DVD/Blu-ray対応。前後席で同じソースを見られるが、後席のソースは前席に流せない)


② 後席用DVD/Blu-rayプレーヤー(SDカードスロット装備で、SDからの音楽や動画が再生可能)


③ 小物入れ


④ AC電源(100V)

ところで、ここ、気になりませんか?

Bピラーに謎のスリット……これは一体なんでしょうか???

後席に座ると、目の端になにやらスリットが見えます。これは一体なんでしょう。お恥ずかしいことに乗っている編集部員、誰もわからず……。「傘立てだよ! きっと傘立てだ!」「え~、じゃあ、雨水が溜まらないように小さく穴が開いていたりするのかな?」「穴開けちゃうの? 本当に?」という間の抜けた会話を繰り広げたことは……内緒にしておきたかった。

答えは、靴べらホルダー

想像がつきませんでした……


長距離では、靴を脱いでリラックス……

そうですよね。考えてみたら後席に乗られる方は、傘なぞ持って乗り込まぬ! な方でした。もう、揃いも揃って見事に庶民認定を受けました。では、傘は? 一体どこに行くのでしょう。運転手さんが助手席にそのまま乗せるのも粋ではありません。

そこで登場するのが……

トランクに標準装備される、こちら
通称・毛ばたき入れ


傘の収納場所は、トランクのようです。この袋、傘や毛バタキを入れることを想定したもので、内部は防水仕様。バケツをひっくり返したような雨でない限り、運転手さんは傘をしまい、運転席へ向かうことでしょう。

トランクには伝統品がもうひとつ

こちら、傘(毛バタキ)入れと並ぶ
もうひとつの伝統品です


トランクには、傘(毛バタキ)入れと、もうひとつ、伝統の品が標準装備となる。それが写真の折りたたみ式のボックスである。こちらは通称「長靴入れ」。かつて、運転手用の長靴を入れる箱だったことからそう呼ばれるようになったが、新型ではAEDを入れることも想定しているとのこと。

ちなみに、伝統品、とは言えないかもしれませんが、もうひとつ。


タオルハンガーがついているのです。コチラは、使わないときは奥にパタンとたおすことができます。ショーファーカーならではの装備ですね。

トランクにも、あり〼

外からの開スイッチは、かなり地味です
閉めるときはこちらから


トランクリッドの開閉は、電動式。開ける際のスイッチは、車体面の美しさから一瞬どこにあるのか迷うが、指の先に少々小さめにスイッチがある。


閉める際もスイッチを押すことで自動で閉まるが、すべてのドア同様、トランクリッドもオートクローザー付。半ドア状態まで閉めれば、自動で引き込みロックしてくれる。




さて、最後のスイッチにいく前に、こちらはチャイルドロックスイッチです。

これは重要ですね

これをかけていると、中からはドアを開けることができません。


幸せな子どもがいるかどうかはともかくとして、要人自らがドアを開けるのはスマートではありませんね。運転手さんが開けてくださるのをじっと待ちましょう。

最後のスイッチは手の中に

スマートキーにすら漂う高級感


キーを持っているだけで気分が高揚する、ということは皆さん経験があるかもしれません。センチュリーのキーは、形状こそほかのトヨタ車と同じだが、鳳凰のエンブレムがあしらわれ、なかなかの高級感が漂う。




① ドア集中ロック(長押しすることで、全席ウインドウを閉じる)


② ドア集中解除(長押しすることで、全席ウインドウが開く)


③ トランクリッドオープナー(押し続けるることで、トランクリッドが開く)




センチュリーに限らずだが、いまはスマートキーにパワーウインドウのコントロールスイッチが付いているものが多い。


ドアロック(オープン)スイッチを長押しすることで、全ドアウインドウのコントロールができるため、少し開いたままで降りてしまっても再度乗り込む必要はなく、また、昨夏のような猛暑では、乗り込む前に全ウインドウを開けて熱を逃がすだけでも、室内温度を下げることにかなりの効果を発揮する。そんな使い方もでき、意外や便利なのである。

そして! 引っ張りすぎてお忘れになったやもしれませんが、最初のクイズの答えです。

なんとなんと?

ペンホルダーでした!

クルマにペンホルダー。これはなかなかお目にかかれません。


おわかりになったアナタは、相当なセンチュリー通ですね。




さて、スイッチだけでなくかなりの脱線をしてしまいましたが(でもじつはまだまだ脱線したかったです)、日本を代表するショーファーカー・新型センチュリー、いかがでしたか?


見ればみるほど、素晴らしい……。来世で大豪邸に住むお嬢様か社長に生まれ変われるよう、いまから強く念じることにいたします。




車内へ足を踏み入れた瞬間、あまりのシンプルさにスイッチの数は少ないだろうと思ったら……いやいや、高機能なクルマにそんなことはありませんでした。機能の多さをわざと “隠す” ことで落ち着きを表現した居室内は、まさに日本のおもてなし空間。21年ぶりのフルモデルチェンジ、伊達ではありません。




これにて新型センチュリー編は終了。いや~、知らない世界は面白いですね~。パレードカーのスイッチが気になるところですが、このスイッチから想いを馳せることにいたしましょう。




最後までお読みいただき、ありがとうございました。ではまた次回。目指せコックピット博士!




(Text&Photo:生江凪子)


ニューモデル速報 第576弾 新型センチュリーのすべて (モーターファン別冊 ニューモデル速報)

shoes:a.testoni/shoehorn:GEORG JENSEN/ jacket:SHIPS/agenda:HERMES/pen:LAMY


(小物はセンチュリーに付属しません)
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