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シトロエン7CVがアメージングである理由 シトロエン博物館でフランス車を知る


1934年にシトロエンから画期的なモデルが誕生した。それが7CV=トラクシオン・アヴァンだ。これまでフレームにエンジンとキャビンを搭載していた構造から、飛行機のように強靭なボディ=モノコック構造を採用。フレームをなくし、またFF化することでプロペラシャフトもなくして、低全高を実現したのである。

 1934年、シトロエンから画期的な車が誕生した。それが7CV。別名をトラクシオン・アヴァンという。このトラクシオンは“駆動”で、アヴァンは“前”。つまりは前輪駆動を意味した。




 このモデルは、アンドレ・シトロエンの強い意向によってコンセプトモデルが構築されたが、誕生を決定づけたのはある技術者の登場による。




 それがアンドレ・ルフェーブル。彼は第一次世界大戦中にはフランスの航空機メーカーであるヴォワザンで軍用機を設計、終戦後ヴォワザンで高級車を設計、その後ルノーを経てシトロエンに入った。




 彼はフラミニオ・ベルトーニとともにこの後も、2CV、そしてトラクシオン・アヴァンの後継モデルであるDSなどの名作を生んでいくことになる。




 ルフェーブルに求められたのは、まさに航空機の動的ジオメトリーとボディ構造だった。




 登場した7CVの画期的な点は、前輪駆動、モノコックボディ、そしてフロントのトーションバースプリング。さらに空力ボディである。




 写真はそれまでの後輪駆動モデルと並べたもの。全高がどれだけ低いか、お判りだろう。




 フレームをなくし、プロペラシャフトをなくしたことで、圧倒的に低いボディを構築。さらにフラットフロアの室内も実現した。登場当時からすれば、まさにマジックで、いかにもスポーティに見えたことだろう。




 エンジンレイアウトは、前方にトランスアクスル(トランスミッションとデファレンシャルギアを一体化したユニットの総称)を配置。その後方、つまりホイールベース内にエンジンを搭載した。




 ボディ構造の関係からバリエーションが作りやすく、レジェ(小型)、ノルマル(中型)、ファミリアール(ロングホイールベースの3列シート)などの基本ボディが生まれた。その後にはクーペやオープンルーフ、トラックなども誕生している。ちなみに3列シートのファミリアールは、のちのCXまでも継承された。

手前がトラクシオン・アヴァン。奥がフレームを持つ先代モデル。流麗なボディにも注目。

 実はこのトラクシオン・アヴァンは、第二次大戦でのドイツ占領下にヒットラーから注目されたモデルで、接収された多くのモデルが軍用として用いられたという。




 また、当時開発中だった2CVも発見され、ヒットラーはこれをベースに国民車を生み出すことも考えたという。それを知ったシトロエンの技術者たちは、開発中の2CVをすべて壊したという悲しい歴史を持っている。




 ……実はここで見学の時間は終了。スケジュール上、次の場所へ移動しなければならなくなってしまった。そのため2CVやDSの話は聞けなかったのだが、またの機会にでも解説したい。

初期の2CV。合理性の塊で、デザインは2の次とは開発当初からの狙い。農家の人たちも使える車ということで、卵やワインを積んでも快適に走れることが目標となった。当初のモデルのシートは天井からロープで釣られていた。

ヒットラーに取られまいと開発車両は全部壊したはずだったが、1980年代にとある民家の納屋から3台が発見された。ここにはその当時のまま展示されている。当時の開発車の思いがジンと来る。なぜか、ここで涙してしまった。

映画【007 ユア・アイズ・オンリー】でカーチェイスを披露した1台も展示されていた。2CVの後期の角目仕様だが、個人的にはチャールストンより欲しい1台。

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