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驚愕のハイパフォーマンス!ランボルギーニ・ウルスの走りを試す!


ランボルギーニが放ったSUV、ウルス。スーパースポーツカーブランドのSUVは果たしていかなるものか。サーキット、ストリート、そしてオフロードというフルステージでその実力を味わって見た。

 世界的なSUVブームが続いている中、ついにあのランボルギーニまでもが、と話題となっているウルス。ランボルギーニは1986年から90年代にかけて軍用車派生のLM002というヘビーデューティオフローダーを販売していたこともあり、「ランボルギーニにはSUVのDNAがある」と説明している。確かにその起源がレーシングマシンではないランボルギーニは、SUVを作ることにも無理はなかったかもしれない。その点がフェラーリとはちょっと違うところだ。

 とはいえ、スーパースポーツカーブランドの代表格であるランボルギーニが作り以上、中途半端な性能は許されない。開発時の目標として挙げられたのは300km/hの最高速度だったという。ウルスのボディサイズは全長5112mm、全幅2016mm、全高1638mmそして重量は2200kgだ。このボディで300km/h以上を実現するためにウルスの3996ccのV8ツインターボエンジンは650ps/6000rpm、850Nm/2250-4500rpmを発揮する。目標超えの305km/hの最高速度と0-100km/h加速3.6秒という数字は、SUVの概念を覆すものだと言えるだろう。

4.0LのV8ツインターボは650ps、850Nmをマーク。

 ウルスの試乗コースとして、ランボルギーニはヴァレルンガ・サーキットという舞台を用意していた。SUVの試乗がサーキットというところが、ウルスの走りに対する自信の表れだろう。ピットロードから加速を始めると、ウルスはどんどんと速度を上げる。2200kgの重量をまるで感じさせない加速、そしてコーナーでステアリングを切り込んだ時のノーズの素直な動き。まだスタートしてからわずかしか走っていないのに、ウルスはその素晴らしい走りの能力を存分に感じさせてくれた。

メーターはTFT液晶。センターコンソールにもふたつの大型TFTモニターが備わる。
左側がANIMAのセレクトレバー。右側はトラクション、ステアリング、サスペンションのモードをそれぞれ3段階で切り替えられる。


 加速が素晴らしいのと先導するインストラクターにつられてついスピードも上がる。迫り来るコーナー手前でブレーキング、そして十分にフロントに荷重が加わったところでステアリングを切る。ノーズの入り方は実に素直で、その後のクルマの挙動も不安定なところが一切なく、コントロールが非常にやりやすい。サスペンションも硬く突っ張る、という感じではなく適度なロールを保ちながらしっかりと上屋を安定させてくれるから、視点が高いのに不安感はまるでないのだ。クリップポイントを過ぎてからアクセルを開けていくと、凄まじい勢いの加速とともにタコメーターは軽々と跳ね上がり、瞬時に6700rpmまで達する。CORSA(レース)モードを選んでいると自動シフトアップが行われないため、すぐにレブリミットに当たりまくって焦ることになってしまう。

 とにかく、SUVとは信じられないほどの走りである。先ほどまでおっかなびっくり走っていたのが、いつの間にかクルマの大きさや視点の高さを忘れてコーナーをクリアすることに熱中してしまうほど。開発ディレクターのマウリツィオ・レッジャーニ氏によるとウルスの走りにおける最大の問題は重心の高さと重量だったという。それを克服するために48Vのアクティブ・アンチロールバーとアダプティブ・エアサスペンション、そしてアクティブ・トルクベクタリングを搭載したということだが、走行状況に応じて瞬時に制御を可変するこれらのシステムが相当な効果を発揮しているのだろう。安定した姿勢のままでインに向かって楽々と向きを変える動きは、物理の原則さえ超越しているかのようだ。

 そしてこの走りを支える重要なパーツがブレーキだ。フロントブレーキは何と10ピストン、リヤブレーキは6ピストンという見たこともないような大型キャリパーを備え、そしてローターはカーボンコンポジット製。効きが良いのはもちろんのこと、踏み込んでからのコントロール性も優秀だ。そしてサーキットを何周もした後でも、その効き具合とフィールにほとんど変化がないことには驚いた。走りを売りにしたSUVは多いが、ここまで本気でサーキットを走れるSUVは他にないだろう。



 もちろんウルスは一般道でも優秀だ。試乗車両は23インチという超大径のピレリPゼロを履いているためか、路面の細かなギャップは割と素直に伝わってくるが、不快な感じはまったくない。低回転から発生する豊かなトルク(1100rpmで最大トルクの85%)はそのまま日常の走りでの余裕を増やしていて、アクセルの加減によってクルマを思うがままに動かすことが可能だ。また最大3度の範囲でリヤタイヤを同位相or逆位相にステアする4WSによって、2mを超える全幅なのに狭い道でも非常に扱いやすい。ランボルギーニという名前に身構えてしまうかもしれないが、日常生活でも他のSUVとまったく同じように気軽に使うことができるだろう。

 最後のステージはオフロードだ。センターコンソールにあるドライブモードセレクト「ANIMA」をTERRA(オフロード)にセットする。ちなみにウルスのANIMAはSTRADA(ストリート)、SPORT、CORSA(サーキット)という他のランボルギーニでもおなじみのモードに加えて、TERRA、SABBIA(砂)、NEVE(雪)というSUVならではのモードが加わっている。このモードによって地上高も可変。STRADAは173mm、SPORTとCORSAは158mm、SABBIA、TERRA、NEVEは213mmに設定される。

 オフロードでのウルスは、また凄まじい怪物だった。とにかくステアリングを切ってアクセルを踏んでいるだけで、狙った通りの方向へと突き進む。AWDは通常フロント40%対リヤ60%で最大リヤ85%までトルクを配分、またアクティブ・トルクベクタリングはリヤ左右のトルクを最大で25%対75%まで可変してくれるが、このふたつのシステムがかなりキメ細かな制御をしてくれているのだろう。何しろエンジンも強力だからパワーオーバー的な走りも可能だ。アクティブ・アンチロールバーも相当に効いているようで、先ほどのサーキットではしっかりと安定していたサスペンションが、今度は荒れた路面に自由自在に追従している。

写真は2名掛けのリヤシート。3名掛け仕様を選ぶことも可能だ。
ラゲッジスペースは5人乗り仕様が616L、4人乗り仕様が 574Lを確保。


 サーキット、オフロード、そして一般道と、あらゆるステージで驚くほどのパフォーマンスを見せてくれたランボルギーニ・ウルス。特にサーキットでの性能は、現在数多あるSUVの中でもナンバー1だ。フォルクスワーゲン・グループのエンジニアリングなしでは生まれなかったクルマなのは確かだが、ここまでしっかりと性能を追求してくるのは、さすがランボルギーニ。ボンネットに輝くファイティング・ブルのエンブレムにふさわしいSUVの登場である。


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