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センシングの世界を変える「圧縮センシング」とは? ハードウェアの分解能をソフトウェアで引き上げる


圧縮センシング(Compressed Sensing)という言葉をご存知だろうか? この圧縮センシングの技術が、これからのクルマを変えていくかもしれない。

現在のミリ波レーダーの分解能では、このような2つの連なった物体を正確にセンシングするのは難しい。

圧縮センシングという聞き慣れない言葉を聞いたのは、1月に米・ラスベガスで開催されたCESの会場、デンソーのブースだった。




圧縮センシングとは、数学の世界で最近話題の理論だ。理論を詳しく解説できないのが申し訳ないのだが、最近では、医学や天文学の世界で解像度の向上に使われている。この圧縮センシングを自動車の車載センサーの組み込んだのが、デンソー技術陣だ。CESの会場では、ミリ波レーダーの分解能を高めるデモを行なっていたが、ミリ波レーダーだけでなく、レーザーレーダー、LiDAR、超音波センサー(ソナー)、生体センサーなどにも応用できるという。


ハードウェアには一切手を加えずに分解能を大幅に向上できるのが圧縮センシングの画期的なところだ。


つまり同じセンサーを使ったら分解能を上げることができるし、同じ分解能でいいなら、もっと低コストなセンサーを使うこともできるというわけだ。




この圧縮センシングを車載センサーに組み込んだことは、「じつは、相当ぶっ飛んだこと」(説明してくれたエンジニア氏)だそうで、最先端の技術テーマゆえに、デンソーとしても実用化時期が未定で研究開発の段階にある。技術をどう使うとなにができるのか、アプリケーションを検討しているというから、CESでデモも行なったのは、開発をともに行なうパートナー探しの面もあったのだろう。


いずれにせよ、「圧縮センシング」というテクニカルタームを覚えておいたほうがよさそうだ。

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