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神戸製鋼、世界初、組立型クランクシャフトのスロー部材の成形におけるK-factor1.15認証取得


神戸製鋼は、船舶エンジン用組立型クランク軸の主要部材であるスローの製造方法において、本年5月に日本海事協会より、世界で初めて、設計上の余裕度であるK-factor1.15の認証を取得した。今回の認証は、同社が製鋼からの一貫鍛造メーカーであるという特長を生かして開発した「高清浄度化技術」と「型入れ鍛造法」を組み合わせることにより、既に2014年に認証取得したK-factor1.05を上回る疲労強度を認められたもの。これにより、同社が供給する高強度のクランク軸を用いることで、エンジン設計段階における15%の余裕度が認められることとなり、高出力かつコンパクトな船舶エンジンの設計への可能性を拓く。

近年、船舶業界ではエコシップの流れが加速し、環境規制の強化および運航時のエネルギー効率化の観点から、燃費改善ニーズが高まっている。特にエンジンでは、2020年以降の排出物規制対応の環境機器を搭載する必要がある。また、高効率化のためスクリュープロペラの大径化・低回転化による低回転域での出力向上が志向され、エンジンストロークが長大化することでエンジン全体が大型化する傾向にある。そのため、エンジンのコンパクト化による燃費改善(カーゴスペースの確保)のニーズが高まっている。




今回神戸製鋼が取得した認証「K-factor1.15」および独自開発の高強度材の適用によって、高負荷に耐えうるクランク軸の製造が可能となる。これにより、エンジンにおいては1シリンダー毎の出力アップが可能となり、シリンダー数自体の削減等によるコンパクトなエンジンの設計に繋がる。同時にコンパクト化により、必要とされる環境機器などの搭載スペースの確保が可能となる。

神戸製鋼の型入れ鍛造法

K-factorとは、設計疲労強度の計算式における係数の一つ。つまり、「K-factor1.15」であれば、通常値(1.00)に対し神戸製鋼の高強度材を使用した場合は1.15の係数による強度計算が認められる。この係数による「余裕しろ」をエンジンのコンパクト化に振り向けることが可能となる。




取得を実現させた技術が、神戸製鋼の「高清浄度化技術」と「型入れ鍛造法」である。




「高清浄度化技術」とは、疲労強度を向上させる手段。鋼内部の介在物(不純物)は疲労強度の低下原因となるため、これらを除去し鋼の清浄度を確保することが重要となる。従来の清浄鋼は粗大な硫黄系介在物を低減した鋼だったが、今回、神戸製鋼独自の高度な精錬設備・反応制御技術により、硫黄系以外の全ての微小な介在物についても極小化し、鋼の更なる高清浄度化を実現している。




「型入れ鍛造法」とは、2014年に同社が開発したスローの成形方法の一つ。クランク軸の主にエンジンのシリンダーと繋がり往復運動を回転運動へ変換するスロー部について、従来法の折り曲げ成形ではなく、型に押し込んで成形することで、偏析の無い高い品質を確保でき、材料の疲労強度が向上する。




今後、同社はエンジンメーカーと共同で船舶の軽量化・コンパクト化の可能性を探り、海運・造船業界の発展に貢献していく。

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