tanabe & SSR/タナベ&エスエスアール

足まわりのトータルメーカー 解体新書 連載第4回

サスペンションからホイール、マフラーにボディ補強パーツまで。足に関わる用品をここまで幅広く展開しているメーカーは、世界でも稀な存在だ。そんなタナベはどう生まれ、成長してきたのか。そのモノ作りへのこだわり、信念に迫る。

純国内生産による、安心、安全のモノ作り。

現在のタナベのアイコン的製品と言えば、サステックシリーズのサスペンション。中でもネジ式調整によるミリ単位でのセッティングが可能な車高調は大きくローダウンした状態でも乗り心地が良いと、幅広い層から支持される。安全、安心へのこだわりはもちろん、乗り味にも深くこだわった逸品だ。
タナベ SSR ホイール 車高調
素材も製造もすべて日本。純国産ゆえの安心が鍵。
タナベ製サスペンションで最大のアドバンテージとなるが、すべてが純国産品であるということ。

スプリングは滋賀県の自社工場で生産され、ショックは日本が世界に誇るダンパーメーカー、KYB製を採用する。

それはもちろん、安全安心というタナベの基本理念がしっかりとベースに存在するから。

1年、走行距離1万㎞ の保証をはじめとしたアフターフォローにチカラを注ぐのも、ユーザーが安心して快適なドライブを楽しめるようにとの思いからである。

タナベが創業当時から現在も行っているモータースポーツ活動で培った技術とノウハウを活かし、スプリングの製造には冷間製法という技術が用いられている。

これは素材を常温のままで成形できるのが特徴で、アフターメーカーでこの製法を自社で採用しているのは、タナベが唯一。強度・耐久性・ヘタリに優れるだけでなく、あらゆる形状のスプリングを作ることができるのが特徴だ。

そしてその素材はもちろん、国産品。高周波誘導加熱により短時間で焼き入れ、焼き戻しを行う事ことで、高強度・高靭性が得られ強度のばらつきが非常に小さく均一。

ほかにも、耐久性を上げるためのショットピーニングを2回施工したり、ヘタリを排除するためのセッティングを、製造したすべてのスプリングで行いその後、全数検査する。

数多くの工程を経て、軽量化と耐久性を両立した、引っ張り強度2100N/㎟のスプリングは完成する。

では、そのスプリングと組み合わせるショックは、なぜKYB製にこだわっているのだろう。

何度もテストを繰り返し乗り味をとことん追求。
「タナベの基本は、安心安全です。だからこそメイドインジャパンにこだわるし、ショックに関しても間違いないモノを使いたい。セッティングの要求の対しKYB製はオーダーした通りのモノが来る。お客様に、自信を持って使っていただける車高調にしたいから、KYB」。

ちなみにサステックプロの最高傑作とまで言われるほど好評価な車高調、ZT40では、タナベとKYBが共同開発した、ツインバルブシステムという機構が搭載される。

これは超低速の段階からしっかりと減衰を発生させ、全速度域で安定した乗り心地とスタビリティを実現するもの。こうした最新の技術も、タナベは積極的に取り入れる。

「開発で最も気にするのは、乗り味ですね。ひとつのクルマに対して、3〜5名が乗車してテスト走行をするんです。その全員が、これだ、と納得するまで装着・試乗・各部の寸法チェックを繰り返す。乗り味って、人によって感覚が違いますから。安全安心はもちろんのこと、タナベの車高調は乗り心地がいいね、と言われる製品を常に目指して開発します」。

もちろん検査も、一般的な基準よりも数段上な、タナベ基準のクリアが求められている。例えば全長調整式車高調のナックルブラケットは、強い振動を与える加振試験を行い、車両横方向へ100万回、車両前後方向へ100万回、加振を行いブラケットに割れや変形がないか確認する。

これをクリアしないブラケットは設計変更を行い、クリアできるまで試験を行います。「安全安心なモノを使ってもらうためには、徹底しないと。それがタナベ基準なんです」。

株式会社タナベ GTパーツ事業部 石川雅浩さん
GTパーツ事業部で部長を務める石川さん。「ストリートで気持ちよく走れて、軽くサーキットもいける。それがタナベの車高調です」。

冷間成形のスプリング製造はアフターメーカーで唯一!!


素材が常温のままで加工できる冷間成形は、引っ張り強度や耐久性の高いスプリングを実現できるこだわりの手法。日本のアフターメーカーで、自社で冷間成形が可能なのは唯一タナベだけ。

ダブルショットピーニング

冷間成形→低温焼なまし
冷間成形で成形したスプリングは、形状を記憶させるためテンパー炉を通す。耐ヘタリ性を高める効果があるショットピーニングも、一般的には1回だが、タナベは2回、施工。ヘタリを除去するセッチングは、完成したすべてのスプリングに対して行い、検査も同じ全数検査を行う。

出来上がった製品は定期的に抜き取り、自由長をチェックするバネ荷重試験や、ダンパーやスプリング、ブラケットなどの強度は厳格な自社基準を設定。


スプリングの素材ももちろん、日本国内で精錬されたものだけを使用。素材も製造もすべてがメイドインジャパンなのが最大の武器だ。

信頼あるKYBをダンパーに指名
車高調で採用されるダンパーは、業界トップのKYB製。「信頼できる、お客様に自信を持って使ってもらえるから、KYB」。

SUSTEC PRO ZT40/サステックプロZT40
全長調整式のシリーズ最高峰車高調で、40段の減衰調整機能を備えるため、乗車定員や走りのスタイルに合わせてベストな乗り味を獲得可。
【PARTS SPECIFICATION】
PRICE:13万8000円
SPEC:減衰力調整40段階、全長調整式
LINE UP:ミニバン&ワゴン&SUV多数

スタイルワゴン2020年5月号より

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ]

情報提供元:ドレナビ
記事名:「〈ブランド深掘り〉第4回 素材から全てが純国産のサスペンション【tanabe&SSR】